どんな食事が「夏バテ」の原因となるかご存知ですか？予防する食事も解説！
公開日:2025/07/31
夏の暑さや湿気によって体調を崩す夏バテは、食事の工夫で予防・改善が期待できます。夏バテ対策には、エネルギー源となる糖質やたんぱく質、疲労回復に役立つビタミンB群、汗で失われやすいミネラルをバランスよく摂ることが大切です。また、冷たいものの摂り過ぎを避け、温かい料理や旬の野菜を取り入れることで胃腸への負担を減らし、食欲増進にもつながります。毎日の食事で栄養バランスを意識することで、夏を健康に乗り切れます。
監修医師：
伊藤 規絵（医師）
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旭川医科大学医学部卒業。その後、札幌医科大学附属病院、市立室蘭総合病院、市立釧路総合病院、市立芦別病院などで研鑽を積む。2007年札幌医科大学大学院医学研究科卒業。現在は札幌西円山病院神経内科総合医療センターに勤務。2023年Medica出版社から「ねころんで読める歩行障害」を上梓。2024年4月から、FMラジオ番組で「ドクター伊藤の健康百彩」のパーソナリティーを務める。またYou tube番組でも脳神経内科や医療・介護に関してわかりやすい発信を行っている。診療科目は神経内科（脳神経内科）、老年内科、皮膚科、一般内科。医学博士。日本神経学会認定専門医・指導医、日本内科学会認定内科医・総合内科専門医・指導医、日本老年医学会専門医・指導医・評議員、国際頭痛学会(Headache master)、A型ボツリヌス毒素製剤ユーザ、北海道難病指定医、身体障害者福祉法指定医。
目次 -INDEX-
夏バテと食事の関係
夏バテの原因を教えてください
主な原因は、高温多湿な気候や、冷房の効いた室内と蒸し暑い屋外との温度差による体温調節機能への負担です。これにより、体温や発汗、血管の収縮・拡張などをコントロールする自律神経が乱れやすくなります。また、暑さによって汗を多くかくことで、体内の水分やミネラルが失われ、脱水や電解質バランスの乱れも引き起こされます。さらに、冷たい飲み物や食べ物の摂りすぎで胃腸の働きが低下し、消化不良や食欲不振、栄養不足に陥りやすくなります。生活リズムの乱れや強い紫外線なども自律神経に負担をかけ、だるさや疲労感、睡眠の質の低下が夏バテ症状を招きます。よって、夏バテは複数の要因が重なって起こるため、日々の生活や食事の見直しが大切です。
夏バテは食事で改善できますか？
夏バテは食事によって改善ができます。特に、バランスのよい食事を心がけることが重要です。1日3食を規則正しく摂ることで、身体に必要なエネルギーや栄養素をしっかり補給でき、体力の維持や回復につながります。主食・主菜・副菜を組み合わせて、糖質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく摂取してください。特に、疲労回復に役立つビタミンB群やビタミンC、汗で失われやすいミネラルを意識して取り入れるとよいです。また、冷たいものの摂りすぎを避け、温かい料理や消化に優しい調理法を選ぶことで胃腸への負担を減らせます。食欲がないときは、少量でも栄養価の高い食材や、香味野菜・酸味を活用したメニューで食欲を刺激するのも効果的です。さまざまな食事の工夫で、夏バテの改善が期待できます。
食事が原因で夏バテになるケースを教えてください
食事が原因で夏バテになるケースはいくつかあります。まず、暑さで食欲が落ち、食事量が減ることで必要な栄養素が不足し、体力や免疫力が低下しやすくなります。また、冷たい飲み物や食べ物を摂りすぎると胃腸が冷えて消化機能が低下し、栄養の吸収が悪くなります。さらに、素麺やうどんなど炭水化物中心の簡単な食事だけで済ませると、たんぱく質やビタミン、ミネラルが不足し、エネルギー代謝がうまくゆかず夏バテを招きやすくなります。水分だけを大量に摂取して塩分やミネラルを補わない場合も、電解質バランスが崩れて体調不良の原因となります。よって、偏った食事や冷たいものの摂りすぎが夏バテの一因となるため、バランスのよい食事を心がけることが大切です。
夏バテ中におすすめの食事
夏バテの食欲不振の改善に役立つ食事を教えてください
消化によい食材と栄養バランスを意識した食事が効果的です。卵や肉、魚、牛乳などの消化のよいたんぱく質、野菜や果物のビタミン、海藻や乳製品のミネラルを少量ずつでも摂るよう心がけます。無理に量を食べるのではなく、質の重視がポイントです。冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけるため、温かいスープや煮物などを取り入れるのがおすすめです。また、ショウガやシソ、ミョウガなどの香味野菜や、レモンやお酢など酸味のある調味料は食欲増進効果が期待できます。主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせ、1日3食を規則正しく摂ることで、体力回復と夏バテの改善につながります。
夏バテのだるさはどのような食事で改善されますか？
エネルギー源となる糖質や、身体の回復を助けるたんぱく質、そして疲労回復に役立つビタミンB群やビタミンCを含む食事が効果的です。ごはんやパン、麺類などの主食で糖質をしっかり補給し、肉や魚、卵、大豆製品などのたんぱく質をバランスよく取り入れましょう。
また、豚肉やうなぎ、レバー、納豆などビタミンB群が豊富な食材は、エネルギー代謝をサポートし、だるさの軽減に役立ちます。
野菜や果物からはビタミンCやミネラルも摂取できます。さらに、汗で失われやすい塩分やカリウムなどのミネラルも意識して補うとよいです。
冷たいものの摂りすぎは避け、温かいスープや味噌汁などで身体を内側から温めることもおすすめです。
夏バテによる下痢や腹痛があるときの食事を教えてください
胃腸に負担をかけない食事を心がけることが大切です。まず、脂や刺激の強い香辛料、冷たい飲食物は避け、消化のよいおかゆやうどん、煮込みうどん、蒸し野菜などを選びます。たんぱく質は、豆腐や白身魚、卵など消化しやすいものを少量ずつ取り入れるとよいです。
また、脱水を防ぐために、経口補水液や薄めのお味噌汁、スープなどでこまめに水分と塩分を補給します。食事は一度に多く食べず、少量ずつ回数を分けて摂ることが胃腸への負担軽減につながります。無理に食べる必要はありませんが、体調が落ち着いてきたら徐々に通常の食事に戻していくとよいです。
夏バテで頭が痛いときにおすすめの食事はありますか？
夏バテで頭が痛いときには、体力回復や疲労軽減に役立つビタミンB1やクエン酸、ビタミンC、ミネラルを含む食事がおすすめです。豚肉やうなぎはビタミンB1が豊富で、エネルギー代謝を助けて疲労回復に効果的です。
また、レモンや梅干し、酢などに含まれるクエン酸は、疲労物質の分解を促し、頭痛やだるさの緩和に役立ちます。トマトやキュウリ、オクラなどの夏野菜は水分やカリウムが多く、身体の熱を冷まし水分、ミネラル補給にも適しています。さらに、ビタミンCを多く含む果物や野菜は、ストレス軽減や免疫力向上にもつながります。食事は量より質を意識し、冷たいものの摂りすぎを避け、バランスよく栄養補給が大切です。
夏バテ予防に役立つ食事とポイント
夏バテの予防に効果的な食事はありますか？
夏バテの予防には、バランスのよい食事がとても重要です。特に、ビタミンB1（豚肉、うなぎ、玄米など）やビタミンB2（レバー、納豆、乳製品など）、たんぱく質（肉、魚、卵、大豆製品）を意識して摂取します。こういった栄養素はエネルギー代謝や疲労回復、体力維持に役立ちます。また、主食・主菜・副菜をそろえた1日3食の規則正しい食事が基本です。冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけるため、温かい料理やスープも取り入れるとよいです。さらに、こまめな水分補給も忘れずに行うことが大切です。夏バテを防ぐためには、量より質を意識し、さまざまな食材を組み合わせて栄養バランスを整えることが効果的です。
夏バテの予防効果が期待できる食事の摂り方を教えてください
1日3食を規則正しく摂ることが大切です。主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせ、糖質・たんぱく質・ビタミン・ミネラルなどの栄養素をまんべんなく補給します。特に、ビタミンB1（豚肉やうなぎ、玄米など）やビタミンB2（レバーや納豆、乳製品など）、たんぱく質（肉、魚、卵、大豆製品）を意識して摂ることがポイントです。また、冷たいものの摂りすぎは胃腸の働きを低下させるため、温かい料理やスープも取り入れるようにします。さらに、こまめな水分とミネラルの補給も忘れずに行うことで、夏バテの予防に役立ちます。
編集部まとめ
夏バテの改善や予防には、毎日の食事を見直すことが大切です。主食・主菜・副菜をバランスよく組み合わせ、ビタミンB群やたんぱく質、ミネラルなどの栄養素をしっかり補給します。冷たいものの摂りすぎは胃腸に負担をかけるため、温かい料理やスープを取り入れるのも効果的です。また、香味野菜や酸味のある食材を活用して食欲増進も期待できます。こまめな水分とミネラルの補給も忘れず、規則正しい食生活を心がけて、夏を健康に乗り切ります。
