「熱中症になりやすい人」の特徴はご存知ですか?なりやすい室内の環境も解説!

近年、日本の夏はかつてないほどの猛暑に見舞われ、熱中症は誰にとっても身近な脅威となっています。近年では熱中症による救急搬送者数は全国で9万人に達して年々増えています。これは決して他人事ではなく、正しい知識を持つことが、ご自身や大切なご家族の命を守る第一歩となります。本記事では、どのような方に熱中症が起こりやすいのか、どのような環境が危険なのか、そして具体的な予防策をQ&A形式でわかりやすく解説します。

監修医師:
高宮 新之介(医師)
目次 -INDEX-
熱中症になりやすい人の特徴

熱中症の患者数と年齢別の人数を教えてください
これは、日本の高齢化社会において熱中症対策がいかに喫緊の課題であるかを示しています。次に多いのは18歳から64歳の成人で32,222人(約33%)、続いて7歳から17歳の少年が8,787人(約9%)となっています。そして、最も身体的な抵抗力が弱いとされる0歳から6歳の乳幼児も601人(約0.6%)が搬送されており、年齢を問わず注意が必要であることがわかります。特に高齢者の方々は、暑さや喉の渇きを感じる感覚が鈍くなる傾向があるため、自覚症状がないまま重症化するケースが多く、周囲の注意深い見守りが不可欠です。
熱中症になりやすい人に特徴はありますか?
また、糖尿病、心血管疾患、精神疾患といった基礎疾患をお持ちの方もリスクが高まります。これらの疾患は、体内の水分バランスや自律神経の働きに影響を及ぼし、正常な体温調節を妨げる可能性があるためです。さらに、服用している薬が原因となることもあります。利尿薬や一部の血圧の薬、抗精神病薬などは、脱水を促進したり、身体の冷却反応を鈍らせたりする副作用を持つ場合があるため、かかりつけの医師に相談することが望ましいでしょう。
熱中症にかかりやすい病気を教えてください
これらの疾患がリスクとなる背景には、それぞれ異なるメカニズムが存在します。例えば、糖尿病では自律神経障害を合併しやすく、発汗機能が低下することがあります。心不全や高血圧症では、体温調節のために重要な皮膚への血流増加が心臓に負担をかけるため、身体の冷却システムが十分に機能しないことがあります。
涼しい地域で育った人は熱中症になりやすいですか?
この順化が適切に進むと、身体にはいくつかの重要な変化が起こります。具体的には、より低い体温で汗をかき始めるようになり、発汗量も増加します。さらに、汗に含まれる塩分(ナトリウム)の濃度が低くなるため、体内のミネラルを失いにくくなります。これらの変化によって、汗の気化熱を利用した体温冷却がより効率的に行われるようになるのです。この暑熱順化が完成するまでには、個人差はありますが、数日から2週間程度の期間が必要とされています。
熱中症になりやすい外的要因

熱中症になりやすいのはどのような天気のときですか?
- 最高気温30度超かつ湿度70%以上
- WBGT28度以上の日
- 梅雨明け直後や連休明けなど暑熱順化がまだ進んでいない時期
熱中症になりやすい室内の環境を教えてください
熱中症になりやすい仕事や運動はありますか?
熱中症になりやすい人が予防する方法

熱中症のリスクが高い方が熱中症を予防する方法はありますか?
室内においても、ためらわずにエアコンを使用し、室温を28度以下に保つことが命を守る行動につながります。
第二に、こまめな水分・塩分補給です。のどが渇いたと感じる前に、意識的に水分を摂取することが基本です。特に大量の汗をかいた際には、水分だけでなく塩分も同時に失われてしまいます。日本スポーツ協会などは、このような状況下で0.1~0.2%の食塩を含む飲料の摂取を推奨しており、これは水1リットルあたり食塩1~2gに相当します。
市販のスポーツドリンクや経口補水液は、このバランスを考慮して作られているため、効果的に利用するとよいでしょう。
第三に、身体を効率的に冷やす工夫です。外出時には、水で濡らしたタオルや市販の冷却シート、携帯扇風機などを活用し、特に太い血管が通っている首筋や脇の下、足の付け根などを冷やすと体温を下げやすくなります。
第四に、夏本番を迎える前からの暑熱順化です。ウォーキングや入浴などで日常的に軽く汗をかく習慣をつけ、身体を徐々に暑さに慣らしておくことで、本格的な暑さに対する抵抗力を高めることができます。
熱中症を予防するために日々の生活で注意することを教えてください
- 室温が28度を超えたら迷わずエアコンを使う
- 通気性が高い薄い長袖や吸汗速乾素材の衣服を選ぶ
- 寝不足や朝食抜きは避ける(体温調節に必要なエネルギーと水分が不足するため)
- アルコールやカフェインの摂り過ぎに注意し、日中はこまめに水分を口にする
熱中症リスクが高い日をあらかじめ把握することはできますか?
編集部まとめ

熱中症は、そのメカニズムを正しく理解し、適切な予防策を講じることで、その多くを防ぐことが可能な災害です。救急搬送者数は増加しておりその脅威は年々深刻化しています。特に、搬送者の半数以上を占める高齢者の方々や、体温調節機能が未熟な子どもは、周囲の注意深いサポートが不可欠です。また、熱中症は炎天下の屋外だけでなく、全体の約4割が発生している住居など、室内でのリスクも高いことを忘れてはなりません。
日々の対策としては、気温だけでなく湿度や輻射熱を考慮した暑さ指数(WBGT)を常に意識し、指数が28を超えるような日は特に警戒が必要です。
のどが渇く前のこまめな水分・塩分補給、ためらわずにエアコンを使用すること、そして夏本番前からウォーキングや入浴で身体を暑さに慣らす暑熱順化を計画的に行うことが、自分と大切な方の命を守るための鍵となります。環境省の熱中症予防情報サイトやLINEのアラートなどを活用し、日々の生活に予防の視点を取り入れ、厳しい夏を乗り切りましょう。



