「白内障の進行を止める」にはどうすべき?進行度別の症状や食事面のポイントも解説!

白内障と診断されると「この先視力はどうなるのだろう?」と不安になりますよね。白内障は中高年以降に多くみられる目の病気ですが、進行のしかたや段階ごとの症状、そして進行を遅らせる対処法を理解しておくことが大切です。白内障はゆっくり進むことが多く、適切な治療や生活習慣の工夫で日常生活への影響を減らすことができます。本記事では、白内障の進行度別の症状や、眼科で行われる進行抑制の治療法、セルフケアのポイントについて解説します。

監修医師:
栗原 大智(医師)
目次 -INDEX-
白内障の進行度別症状

白内障はどの程度の速度で進行していきますか?
白内障の進行度別に症状を教えてください
中期になり濁りが進行してくると、視界全体が薄い霧がかかったようにかすむようになります。この頃には視力の低下も自覚し始め、眼鏡やコンタクトレンズの度数を何度合わせ直してもすぐ合わなくなる、といった変化が起こりえます。また、人によっては色が薄暗く見える・物が黄ばんで見えることもあります。
白内障がかなり進行した状態では、水晶体の濁りが高度になり視力が大幅に低下します。進行した白内障の瞳孔(ひとみ)は灰白色や茶色に見えることもあり、ここまでくると眼鏡では視力矯正ができなくなります。人によっては指の本数がわかる程度、さらに悪化すると明るさを感じるのがやっとという状態に至ることもあります。日常生活では読書やテレビ視聴はもちろん、歩行時にも人や段差が見えにくくなり大変危険です。
白内障を放置するとどうなりますか?
白内障の進行を止めるための治療法

白内障の進行を止めるために眼科ではどのような治療が行われますか?
ピレノキシンは水晶体のタンパク質が変性して濁るのを阻害し、グルタチオンはレンズ内の抗酸化物質を補って濁りを抑える働きがあります。これらの点眼薬は毎日継続してさす必要がありますが、初期白内障の進行をゆるやかにする効果が期待されています。ただし、目薬で水晶体の濁り自体を改善することはできないため、視力が劇的によくなることはありません。あくまで現状より悪化するペースを抑えるための治療となります。
点滴以外の白内障の進行を止める治療法を教えてください
白内障が原因で運転免許更新に必要な視力に満たなくなるケースもあるため、運転をする方は医師と相談して手術のタイミングを決めることも大切です。白内障の進行を早める恐れのある全身疾患(糖尿病など)がある場合は、その治療もしっかり行いましょう。
白内障の治療に副作用はありますか?
白内障の進行を止めるためのセルフケアと注意点

白内障の進行を止める効果が期待できる生活習慣はありますか?
白内障の患者さんが積極的に食べた方がよい栄養素を教えてください
研究においても、ビタミンCの摂取量が多い人ほど白内障の発症リスクが低い傾向が報告されており、男性ではリスクが35%減、女性では41%減少したとのデータがあります。ただし、特定のサプリメントだけで白内障を防げるわけではありませんので、栄養バランスのよい食事を基本に、これらの栄養素を日々取り入れることが大切です。
白内障と診断された際に避けた方がよい行動はありますか?
次に、過度な目の酷使にも気をつけます。例えば暗い場所で細かい文字を読んだり、長時間パソコンやスマートフォン画面を見続けたりすると、白内障そのものを悪化させるわけではありませんが、目の疲労感や頭痛を感じることがふえます。白内障のある目はただでさえピントが合いにくく疲れやすいため、1時間に1回は休憩をとる、画面の明るさを適切に調整する、といった工夫で負担を和らげましょう。
編集部まとめ

白内障と診断されたばかりの方にとって、今後の見え方や生活への影響は心配の種だと思います。しかし、白内障は正しく恐れて正しく対処すれば決して悲観すべき病気ではありません。進行はゆっくりで、初期のうちは点眼治療や生活習慣の見直しによって視力低下を抑えることが可能です。
何より大切なのは、早い段階から病状を理解し、日常的な対策をコツコツ続けることです。紫外線予防や禁煙、栄養バランスのよい食事といった習慣は、目の健康のみならず全身の健康にもメリットがあります。そうした積み重ねが白内障の進行を緩やかにし、快適な視生活を長く維持することにつながります。
そして、もし手術が必要な状態になっても、現在の白内障手術は安全性が高く日帰りも可能な治療ですので、過度に心配しすぎないでください。定期的に眼科医の診察を受けながら、自分の目と上手に付き合っていきましょう。見えにくさを我慢せず、適切なケアと治療で大切な視力を守ってくださいね。




