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「大人がおたふく風邪」を発症するとどんな症状が現れる?【医師監修】

 公開日:2026/04/16
「大人がおたふく風邪」を発症するとどんな症状が現れる?【医師監修】

子どもの頃にかかるイメージが強いおたふく風邪ですが、大人もかかる可能性があり、重症化すると合併症を引き起こすリスクがあります。

本記事では大人のおたふく風邪の症状について以下の点を中心にご紹介します。

  • おたふく風邪とは
  • 大人のおたふく風邪について
  • おたふく風邪の対処法
大人のおたふく風邪の症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

おたふく風邪の概要

おたふく風邪の概要

おたふく風邪とはどのような病気ですか?

おたふく風邪は流行性耳下腺炎とも呼ばれ、ムンプスウイルスによる感染症です。主に3〜6歳の子どもがかかりやすく、感染すると発熱や耳の下(耳下腺)の腫れや痛みが現れます。唾液を飲み込む際の痛みや、食欲低下、倦怠感、頭痛などもよくみられ、症状は約1〜2週間続くことがあります。

一方で、約3割は症状が出ないまま自然に治る不顕性感染として経過します。また、おたふく風邪は一度感染すれば基本的に再発しません。ただし、似た症状を繰り返す場合は反復性耳下腺炎と呼ばれ、ムンプスウイルス以外が原因です。

おたふく風邪の治療法を教えてください

おたふく風邪に特効薬はなく、治療は主に対症療法です。耳下腺の腫れや痛みには冷やす処置や鎮痛剤が有用で、発熱時には解熱剤や水分補給を行います。嚥下痛が強い場合は、スープやゼリーなど喉ごしのいい食事が望ましいでしょう。

大人が感染した場合は、精巣炎や無菌性髄膜炎、難聴といった合併症を引き起こすことがあるため、強い頭痛や腹部の痛み、嘔吐などがあれば速やかに受診が必要です。治療中は無理せず安静にし、症状が落ち着くまで外出や活動を控えることが大切です。

また、家庭内での感染拡大を防ぐために、手洗いやマスクの着用、タオルや食器の共用を避けるといった基本的な衛生対策も欠かせません。

おたふく風邪の予防法を教えてください

おたふく風邪を予防する主な方法はワクチン接種です。日本では1歳から接種可能で、小学校入学前までに2回の接種が推奨されています。なかでも保育園や幼稚園に通う前に受けておくと、集団感染のリスクの低減につながります。

日常生活では、手洗いや咳エチケットも重要な予防手段です。外出後や食事前には、流水と石けんで手を洗いましょう。マスクの着用や、くしゃみをするときにお口をティッシュや袖で覆うことも周囲への感染予防になります。また、家庭内ではタオルや食器を共有しないよう心がけてください。

感染した場合は出席停止期間が定められており、耳下腺などの腫れが出た後5日経過し、全身状態が良好になるまで登園や登校は控える必要があります。

大人のおたふく風邪について

大人のおたふく風邪について

大人がおたふく風邪にかかった場合の代表的な症状を教えてください

大人がおたふく風邪に感染すると、耳の下にある耳下腺が腫れ、痛みを伴うのが代表的な症状です。
顎下腺や舌下腺も炎症を起こすことがあり、顔まわりに広く腫れが出る場合もあります。また、38〜40度の高熱を伴うことが多く、発熱は約2〜3日で治まるようです。

さらに、唾液腺の腫れによって飲み込むときに痛みを感じ、食事が困難になるケースもあります。そのため、食欲不振や体力の低下がみられることもあります。加えて、倦怠感や頭痛、関節の痛みなど、全身症状が強く出ることがあるのが大人の特徴です。

まれにですが、男性では睾丸炎、重症化すると膵炎や腹痛を引き起こすこともあるため、早めの対応が求められます。

大人のおたふく風邪にかかった場合の合併症について教えてください

大人がおたふく風邪に感染すると、子どもよりも重い合併症が起こる可能性があります。
特に注意したいのが精巣炎、無菌性髄膜炎、ムンプス難聴です。精巣炎は男性の2〜3割に見られ、強い睾丸の痛みと腫れが生じ、重度の場合は不妊のリスクもあります。

女性の場合は卵巣炎を発症することがあり、下腹部の痛みなどを伴います。さらに、無菌性髄膜炎は高熱や頭痛、嘔吐などを引き起こし、脳炎に発展する可能性もあるため早期診断が大切です。

ムンプス難聴はごく稀ですが、聴力の回復が難しく、後遺症が残るケースもある深刻な合併症です。これらは感染後に発症することがあるため、回復期にも体調の変化に注意を払う必要があります。

大人がおたふく風邪にかかった場合、重症化しますか?

大人がおたふく風邪にかかると、重症化しやすい傾向があります。なかでも免疫を持っていない方が初めて感染すると、40度以上の高熱や強い耳下腺の腫れが起こり、お口を開けることも困難になる場合があります。 また、唾液腺の腫れによって飲み込みづらくなり、食事ができない状態が続くこともあります。加えて、大人の免疫システムは子どもに比べて過剰に反応するため、炎症が強くなりやすく、合併症のリスクも高まるので、軽視せずに早めの医療機関受診が必要です。

大人がおたふく風邪にかかったら

大人がおたふく風邪にかかったら

大人がおたふく風邪にかかったらいつまで仕事を休むべきですか?

おたふく風邪に感染した大人には、法律上の出勤停止期間は定められていませんが、感染力が強いため、職場への影響を考えると出勤は控えるのが賢明です。

耳下腺や顎下腺の腫れが出てから5日が経過し、かつ全身の状態が良好であることを目安に仕事復帰を判断するのが推奨されます。
腫れが出た日を0日目として数えるため、例えば土曜に症状が出た場合は、木曜まで自宅療養し、体調が回復していれば金曜から出勤可能と考えられます。

会社によっては感染症時の対応ルールがある場合もあるため、職場に連絡して指示を仰ぎましょう。
無理な出勤は、同僚への感染リスクを高めるだけでなく、自身の体調悪化や合併症を招く可能性があるため注意が必要です。

大人がおたふく風邪にかかった場合の対処法を教えてください

大人がおたふく風邪にかかった場合、まず重要なのは他者への感染を防ぐことです。
外出を控え、仕事は休むようにしましょう。発熱や耳下腺の痛みなどで辛いときは、市販の解熱鎮痛剤を使用すると症状の緩和が期待できます。

ただし、特効薬はないため、無理せず安静に過ごすことが回復への近道です。また、飛沫感染予防のためにマスクを着用し、咳やくしゃみの際にはティッシュや袖で口元を覆いましょう。
使用後のティッシュは速やかに廃棄し、こまめな手洗いやうがいも欠かさず行いましょう。

家族など同居人がいる場合は、食器やタオルの共有を避けるなど、接触感染の予防にも気を配ることが大切です。

大人がおたふく風邪になったら何科を受診すればよいですか?

大人がおたふく風邪を疑う症状が出た場合、基本的には内科または耳鼻咽喉科を受診しましょう。内科では全身の症状に対応してもらえるため、発熱やだるさ、関節痛などが強い場合におすすめです。

一方、耳の下の腫れや痛みが強く、耳下腺や顎下腺の状態を詳しく診てもらいたい場合は、耳鼻咽喉科が推奨されます。さらに、頭痛や吐き気、激しい腹痛などがある場合は、髄膜炎や膵炎といった合併症の可能性もあるため、早急に救急外来を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

また、聴力に異常を感じた場合もムンプス難聴の恐れがあるため、耳鼻科での聴力検査が必要です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

おたふく風邪は子どもの病気と思われがちですが、大人がかかると重症化や合併症のリスクが高くなる可能性があります。発症した際は無理をせず、しっかり休養を取り、周囲への感染を防ぐ行動を心がけましょう。

予防にはワクチン接種が効果が期待できます。自身と大切な方を守るため、正しい知識を持って冷静に対処してください。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまで大人のおたふく風邪の症状についてお伝えしてきました。大人のおたふく風邪の症状の要点をまとめると以下のとおりです。

  • おたふく風邪とは流行性耳下腺炎とも呼ばれ、ムンプスウイルスによる感染症で、主に3~6歳の子どもがかかりやすく、感染すると発熱や耳の下(耳下腺)の腫れや痛みが現れる
  • 大人がおたふく風邪に罹患すると38〜40度の高熱を伴うことが多く、精巣炎、無菌性髄膜炎、ムンプス難聴などの合併症が起こる可能性もある
  • おたふく風邪には特効薬がないため、無理せず安静に過ごすことが回復への近道であり、飛沫感染予防のためにマスクを着用し、咳やくしゃみの際にはティッシュや袖で口元を覆うことが大切
おたふく風邪の症状や体調に応じて、無理な出勤などをせずに安静を心がけ、早期の対応を心がけましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修医師