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「インフルエンザA型とB型」はどっちがきつい?それぞれの症状も解説!【医師監修】

 公開日:2025/09/13
「インフルエンザA型とB型」はどっちがきつい?それぞれの症状も解説!【医師監修】

インフルエンザにかかると、高熱や倦怠感などの症状に苦しむことになりますが、A型とB型ではどちらの方が症状が重いのでしょうか。同じインフルエンザでもウイルスの性質が異なり、それぞれに特徴があります。

本記事では、インフルエンザA型とB型はどっちがきついかについて以下の点を中心にご紹介します!

  • インフルエンザA型とB型はどのような違いがあるのか
  • インフルエンザA型とB型はどっちがきついのか
  • インフルエンザの予防方法について

インフルエンザA型とB型はどっちがきついかについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

本多 洋介

監修医師
本多 洋介(Myクリニック本多内科医院)

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群馬大学医学部卒業。その後、伊勢崎市民病院、群馬県立心臓血管センター、済生会横浜市東部病院で循環器内科医として経験を積む。現在は「Myクリニック本多内科医院」院長。日本内科学会総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心血管インターベンション治療学会専門医。

インフルエンザA型とB型の違い

インフルエンザA型とB型の違い

インフルエンザA型の症状を教えてください

インフルエンザA型は、高熱や全身の強い倦怠感を伴う感染症です。発症は急激で、38度以上の高熱が出ることが特徴的です。頭痛や関節痛、筋肉痛などの全身症状が強く現れ、悪寒を感じることもあります。 また、喉の痛みや咳、鼻水などの呼吸器症状が出ることもありますが、風邪とは異なり、最初に発熱や倦怠感などの全身症状が現れることが多いようです。 A型インフルエンザは感染力が強く、感染しやすいウイルスであり、免疫力が低い高齢者や基礎疾患を持つ方では重症化のリスクが高まります。適切な治療を受けることで症状の悪化を防ぐため、発熱や強い倦怠感を感じた場合は早めに医療機関を受診することが重要です。

インフルエンザB型の症状を教えてください

インフルエンザB型の症状はA型に比べて軽い傾向がありますが、特有の症状がいくつかあります。発熱は37度台から38度程度と緩やかで、急激な高熱が出るA型とは異なります。 また、B型は消化器系の症状が現れやすく、下痢や腹痛が伴うことが特徴的です。そのため、ウイルス性胃腸炎と間違えられることもありますが、関節痛や筋肉痛などの全身症状が同時に出る点が異なります。咳や鼻水、くしゃみなどの呼吸器症状もありますが、A型程激しくないことが多いです。 B型は流行時期がA型より遅く、冬の終わりから春先にかけて流行することが多いようです。症状が軽いからといって油断せず、早めに医療機関を受診し、適切な対処を行うことが大切です。

インフルエンザA型とB型はどっちがきついですか?

インフルエンザA型とB型のどちらが”きつい”かは、症状の重さや影響の違いによります。 A型の方が症状が強く出ることが多い傾向にあり、高熱(38〜40度)や関節痛、筋肉痛などの全身症状が激しく、急激に悪化するのが特徴です。これに対しB型はA型程の高熱は出にくいものの、微熱が続いたり、消化器症状(下痢や腹痛)が現れやすい傾向があります。 A型は感染力が強く、重症化しやすい点で”きつい”と感じることが多いようですが、B型は症状が長引くことがあり、胃腸への影響が強い場合はつらく感じることもあります。どちらも適切な治療と対処が必要で、軽視せず早めに医療機関を受診することが大切です。

インフルエンザA型とB型の流行時期に違いはありますか?

インフルエンザA型とB型の流行時期には違いがあります。 A型は毎年冬の初め、11月から2月頃にかけて流行のピークを迎えます。この型は感染力が強く、大規模な流行を引き起こしやすい特徴があります。 一方、B型はA型よりやや遅れて流行することが多く、2月から4月頃にかけてピークを迎えます。B型はA型程の感染力はありませんが、子どもや若年層での感染が目立ちます。さらに、B型は春先や夏にも散発的に発生することがあり、A型と異なる流行パターンを持っています。 両者は流行時期に違いがあり、それに応じた予防対策をとることが重要です。

インフルエンザへの感染

インフルエンザへの感染

インフルエンザにかかってしまったらどのような治療が行われますか?

インフルエンザにかかってしまった場合、主に対症療法と抗ウイルス薬による治療が行われます。 基本的には安静にし、十分な水分補給を行いながら、発熱や関節痛などの症状を和らげるための解熱鎮痛薬を使用します。食欲がない場合は無理に食事をとる必要はありませんが、可能な範囲で栄養を摂ることが回復を助けます。 抗インフルエンザ薬には、タミフル(オセルタミビル)、リレンザ(ザナミビル)、イナビル(ラニナミビル)などがあり、これらは発症後48時間以内に服用することでウイルスの増殖を抑え、症状の期間を短縮する効果が期待できます。 重症化リスクが高い方(高齢者や基礎疾患のある方)には点滴の抗インフルエンザ薬であるラピアクタ(ぺラミビル)も推奨されます。 インフルエンザは自然に治ることも多いようですが、肺炎やインフルエンザ脳症などの合併症のリスクもあるため、症状が重い場合は早めに医療機関を受診することが重要です。

インフルエンザのA型とB型の両方にかかることはありますか?

インフルエンザA型とB型の両方にかかることがあります。 A型とB型は異なるウイルスのため、A型に感染した後にB型にも感染する可能性があります。冬の初めにA型が流行し、春先にB型が増える傾向があるため、同じシーズン中に両方にかかるケースが見られます。 また、A型のなかにも異なる亜型が存在するため、A型に2回感染することもあります。 一方で、A型とB型に同時に感染するケースは稀ですが、流行時期が重なると可能性はゼロではありません。

インフルエンザに感染した場合、出勤停止になりますか?

インフルエンザに感染した場合、出勤停止になるかどうかは会社の規則によります。 法律上、出勤停止の義務はありませんが、企業では学校保健安全法に準じて”発症後5日が経過し、かつ解熱後2日を経過するまで”を目安に出勤を控えるルールを設けていることが多いようです。ただし、企業によっては独自の対応をとっており、熱が下がれば出勤可能とする場合もあります。 一方で、感染拡大を防ぐ観点から、医師の指示に従い適切な休養を取ることが望ましいでしょう。復帰時に治癒証明書の提出を求める企業もありますが、義務ではないため、事前に会社の規則を確認することが大切です。

インフルエンザの予防方法

インフルエンザの予防方法

インフルエンザの重症化を防ぐ方法はありますか?

インフルエンザの重症化を防ぐためには、ワクチン接種、適切な体温管理、十分な水分補給が重要です。ワクチンは身体に入ったウィルス量が少ない場合に感染を防ぐ効果と発症した場合の症状を軽減し、重症化リスクを下げる効果が期待できます。 高熱が続くと体力を消耗しやすいため、薄着で過ごし、首や脇の下などを適度に冷やして体温を下げる工夫が必要です。また、脱水を防ぐために水分補給をこまめに行い、塩分や糖分も適宜摂取することが推奨されます。 乳幼児や高齢者は重症化しやすく、肺炎やインフルエンザ脳症のリスクがあるため、異常行動やけいれん、呼吸困難などの症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することが大切です。

インフルエンザになりやすい方はいますか?

インフルエンザになりやすい方には、幼児や高齢者、免疫力が低下している方が挙げられます。 5〜9歳の子どもは罹患率が高く、次いで10〜14歳の年齢層が多い傾向があります。これは、学校や幼稚園などでの集団生活によりウイルスに触れる機会が増えるためです。 また、高齢者や妊娠中の方、糖尿病や慢性疾患を持つ方、化学療法を受けている方、HIVなど免疫力が低下する疾患を持つ方も感染しやすく、重症化のリスクが高まります。 さらに、睡眠不足や栄養バランスの乱れ、ストレス、喫煙・過度な飲酒なども免疫力を低下させ、インフルエンザにかかりやすい要因となります。

インフルエンザへの感染を予防する方法はありますか?

インフルエンザの感染を予防するためには、ワクチン接種、手洗い・うがいの徹底、適度な湿度の維持が重要です。ワクチンを接種することで感染リスクを減らし、万が一かかっても症状が軽く済む可能性があります。外出後は石鹸を使ってしっかり手を洗い、うがいをすることでウイルスを洗い流せます。 また、空気が乾燥するとウイルスが空気中に漂いやすくなるため、加湿器を利用して室内の湿度を50〜60%に保つことも効果的とされます。 さらに、バランスの取れた食事や十分な睡眠をとることで免疫力を高めることも予防につながります。感染が拡大している時期には、人混みを避け、マスクを着用することも有効とされます。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

インフルエンザはA型・B型どちらにかかっても体に負担をかける感染症です。予防を徹底することで感染リスクを減らし、万が一かかってしまった場合も早めの対処が重要です。ワクチン接種や日常的な手洗い・うがいを心がけ、体調を整えて免疫力を維持することが大切です。流行シーズンには無理をせず、少しでも体調が悪いと感じたら早めに休むようにしましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインフルエンザA型とB型はどっちがきついかについてお伝えしてきました。 インフルエンザA型とB型はどっちがきついかの要点をまとめると以下のとおりです。

  • インフルエンザA型とB型は異なるウイルスであり、B型はA型より症状が緩やかだが流行時期が遅く長引きやすい
  • インフルエンザA型は高熱や全身症状が強く、B型は微熱や消化器症状が目立ち、どちらも適切な治療が必要
  • インフルエンザ予防にはワクチン、手洗い・うがい、湿度管理、免疫力向上、人混み回避が重要

A型とB型のどちらがきついかは症状の現れ方や個人の体調によって異なりますが、どちらにせよ感染すると日常生活に大きな影響を及ぼします。感染を防ぐためには、ワクチン接種、手洗い・うがい、適度な湿度の維持、バランスの取れた食事などの対策が重要です。万が一感染してしまった場合は、医療機関を受診しましょう。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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