「急性カフェイン中毒の症状」はご存知ですか?好発年齢も解説!【医師監修】

カフェインはコーヒーやお茶などの嗜好飲料や食品に含まれる身近な成分です。覚醒作用や集中力の向上のために摂取する方も少なくないでしょう。
適量であればメリットがありますが、過剰に摂取すると急性カフェイン中毒を引き起こす可能性があります。
またエナジードリンクにも少なくないカフェイン量が含まれており、子どもから大人まで中毒を起こす事例が報告されています。
急性カフェイン中毒になると動機やめまい、手の震えなどの症状が現れ、重症になると意識障害やけいれんを引き起こし命に関わるケースもあり注意が必要です。
この記事では急性カフェイン中毒の症状や原因、予防策を詳しく解説します。日常的にカフェインを摂取する方の参考になれば幸いです。

監修医師:
吉川 博昭(医師)
目次 -INDEX-
急性カフェイン中毒の症状
急性カフェイン中毒とはなんですか?
カフェインは、アデノシンという神経を落ち着かせる物質の働きを阻害するため、過剰摂取によって神経の興奮作用が強く現れます。カフェインはコーヒー豆や茶葉に含まれるほか、食品添加物として清涼飲料水などにも使用されます。また風邪薬や眠気防止薬などの医薬品にも含まれている場合もあるでしょう。特にエナジードリンクには高濃度のカフェインが含まれていることが多く、短時間で大量に摂取しやすい傾向があります。
急性カフェイン中毒の症状を教えてください。
- 精神神経症状:めまい・興奮・不安・震え・不眠など
- 循環器症状:心拍数の増加・動悸・不整脈
- 消化器症状:吐き気・嘔吐・下痢
これらの症状はカフェイン摂取後短時間で現れることがほとんどですが、カフェインの代謝能力にも個人差があり注意が必要です。特にカフェインに敏感な方や子ども、妊娠中や授乳中の方などはより強い症状が出ることがあるでしょう。さらに、精神疾患を抱えている方や抗不安薬や睡眠薬など特定の薬を内服している方もカフェインの影響を受けやすいとされています。
急性カフェイン中毒は後遺症を残しやすい症状ですか?
急性カフェイン中毒は救急搬送される症状ですか?
- 激しい嘔吐や下痢が続く場合
- 呼吸困難や胸の痛みを伴う場合
- 意識障害やけいれんがみられる場合
嘔吐や下痢では脱水症状を起こす危険性があり、呼吸困難や胸の痛みでは心臓に影響が及んでいる可能性が考えられます。意識障害やけいれんは重症化が懸念される状況です。特に心房細動などの不整脈は、急に発症して命に関わる危険があるため注意しましょう。
急性カフェイン中毒の原因
急性カフェイン中毒の原因は何でしょうか?
- コーヒー:レギュラーコーヒー1杯(約150ミリリットル)あたり約60~100mg
- 緑茶:煎茶1杯(約150ミリリットル)あたり約20~40mg
- 紅茶:1杯(約150ミリリットル)あたり約30~50mg
- エナジードリンク:1缶あたり100mg以上
- 清涼飲料水:コーラ1缶あたり約30~40mg
- チョコレート:ミルクチョコレート1枚あたり約20mg
- 市販薬:風邪薬や眠気防止薬または酔い止め薬など
- その他:マテ茶やココアなど
コーヒーやお茶類なども種類や焙煎方法によってカフェインの含有量に差があります。カフェインはさまざまな食品や飲料に含まれており、知らず知らずのうちに摂取していることもあるでしょう。成分表示を確認してカフェインの過剰摂取への注意が大切です。
急性カフェイン中毒の好発年齢はありますか?
急性カフェイン中毒の治療法を教えてください。
カフェインを過剰摂取しない方法
カフェインを過剰摂取しない方法について教えてください。
- カフェインの摂取量を把握する
- カフェインの摂取を制限する
- カフェインを含む食品や飲料の同時摂取に注意する
- 体調に合わせて摂取量を調整する
- カフェイン摂取によるリスクを理解する
成分表示を確認して食品や飲料に含まれるカフェインの量を把握し、一日の摂取量を調整しましょう。大量のカフェインを一度に摂取するのは避け、回数を分けて摂るのもよい方法です。カフェインが含まれる食品や飲料を同時に摂ると摂取量が過剰になる場合があり注意が必要です。特にエナジードリンクと眠気防止薬の併用は危険性が高くなります。普段は大丈夫でも体調が優れないときは摂取量を減らしましょう。大切なのは、カフェインの過剰摂取によるリスクを理解して安易な摂取を避けることです。
カフェインの致死量について教えてください。
急性カフェイン中毒を防ぐ方法はありますか?
編集部まとめ
カフェインはコーヒーやお茶などの嗜好品だけではなく、市販薬やエナジードリンクなどにも含まれており、日常的に摂取されている成分です。
しかし過剰に摂取すると急性カフェイン中毒を引き起こし、重症化すると後遺症につながったり命に関わったりする危険性があります。
急性カフェイン中毒の症状は、めまいなどの精神神経症状や循環器症状、消化器症状などさまざまです。
中毒症状はカフェイン摂取後数時間で現れることがほとんどですが、個人の代謝能力に差があるため出現時間や症状、程度が異なります。
すべての年齢層に起こる可能性があり、特にカフェインに敏感な方や子ども、妊娠中や授乳中の方や精神疾患を持つ方は症状が強く出る可能性があります。
成分表示を確認してカフェインの含有量を把握し、一度に大量摂取するのを避け1日量をコントロールしましょう。
カフェイン摂取にはリスクがあることを理解して、健康な毎日を過ごしましょう。
参考文献