「白内障の原因」はご存知ですか?進行速度についても解離!【医師監修】

白内障は眼の水晶体が濁る病気で、物がかすんで二重に見える、眩しく見えるなどの症状が現れます。
主に加齢が原因で発症し、80歳以上の高齢者は高い割合で発症するといわれていますが、その他にも原因があるのでしょうか。
本記事では、白内障の原因や種類、予防方法などについて詳しく解説します。
眼の症状で悩んでいる方は、セルフチェック方法についても解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

監修医師:
柳 靖雄(医師)
目次 -INDEX-
白内障の原因
白内障の原因は何でしょうか?
また白内障は若年でも発症する場合があり、染色体異常や子宮内感染などさまざまな原因が挙げられます。白内障を放置すると治療が難しくなり失明する恐れがあるため、眼に症状が現れたらただちに眼科で診察を受けましょう。
白内障はほかの疾患によって引き起こされることはありますか?
水晶体が傷つくと眼が混濁し、白内障を発症する原因になる可能性が高いです。アトピー性皮膚炎による白内障を防ぐためには、適切な治療を受け眼の周りのかゆみを抑えることが大切です。
白内障は生活習慣が乱れているとかかりやすいですか?
糖尿病を発症すると血糖値のコントロールができなくなり、水晶体に糖の一種が老廃物として蓄積されます。糖の蓄積によって水晶体が濁り、視力低下や物が重なって見えるなどの症状を引き起こします。白内障を放置すると治療が困難になり失明する恐れがあるため、糖尿病の患者さんで眼の症状が現れたときは、ただちに眼科で診察を受けましょう。
白内障は遺伝で発症することはありますか?
遺伝的要因で発症すると、生まれてすぐに眼の手術が必要となる場合があります。また出生直後ではなく、途中から症状が現れるケースもあるでしょう。年齢が低いほど弱視になる可能性が高いため、病気が判明したら早急に手術を行う必要があります。
白内障の種類
白内障の種類について教えてください。
一方で後天性白内障は、加齢が原因で発症するのが一般的ですが、糖尿病・アトピー性皮膚炎・眼の外傷などが原因で発症する場合もあります。先天性白内障は、出生後すぐに手術を行う必要がありますが、後天性であれば薬によって症状の進行を遅らせることが可能です。ただし、薬のみでは完治が望めないため、症状が悪化する前に手術を行う必要があります。
白内障のなかでも治る種類はありますか?
また白内障は手術によって治せる病気ですが、術後に合併症を引き起こす場合があります。特に、後発白内障は術後に発症しやすい合併症の1つです。この合併症は、手術時に薄く残した膜の水晶体のふくろが1〜2年後に濁ることで発症します。後発白内障は、レーザー光線で水晶体のふくろの濁りを除去することで症状が改善されます。その他の合併症として、術後に物が赤や青っぽく見える場合があるでしょう。このような症状は術後1〜2週間の間によく起こりますが、眼に異常がある可能性が低いためそのまま放置しても問題ありません。
合併症は軽度であることがほとんどですが、稀に重度の合併症を引き起こすケースもあります。重度の合併症を治療せずに放置すると失明の恐れがあるため、術後に気になる症状がある場合は、手術を受けた医療機関に相談しましょう。
白内障の進行速度について教えてください
また、糖尿病やアトピー性皮膚炎などほかの疾患が原因で引き起こされた場合も、症状の進行速度が早いため注意が必要です。進行速度は薬によって遅らせることが可能ですが、白内障の完治には手術が必要になります。治療方法は症状の進行状況によって異なるため、あらかじめ医師と相談し症状を改善するための治療プランを立てましょう。
白内障の予防方法
白内障の予防方法について教えてください。
- サングラスや帽子で紫外線を予防する
- 喫煙をやめる
- 生活習慣を整えて糖尿病を予防する
上記の方法で糖尿病や紫外線が原因で引き起こされる白内障の予防はできます。しかし、加齢による白内障には効果的な予防方法はありません。また、先天性の場合は遺伝的要因や子宮内感染によって発症するため、事前に予防することは難しいです。白内障の発症を少しでも抑えるために、糖尿病予防や紫外線対策など、あらかじめできる白内障予防は行っておきましょう。
白内障のセルフチェック方法はありますか?
- 眼が疲れやすくなった
- 夕方になると見にくくなることが増えた
- 眩しく感じやすくなった
- 段差や階段が危ないと感じたことがある
ほかにもさまざまな項目がありますが、自宅で簡単にセルフチェックが可能です。また日常的に白内障をセルフチェックできるツールもあるため、眼に違和感を覚えたら利用してみましょう。ただし、セルフチェックでは白内障の疑いがない場合でも、眼科での診察が必要になることもあります。少しでも白内障に当てはまる症状があるときは、医師に相談し適切な処置を受けましょう。
白内障の検査は人間ドッグでもできますか?
通常の検査は痛みを伴わない方法で行いますが、白内障が原因で緑内障を発症している疑いがあるときは、麻酔を使用し眼に直接触れて検査する場合もあります。症状が進行すると失明する恐れがあるため、人間ドックで白内障が疑われたときは、ただちに眼科の検査を受けましょう。
編集部まとめ
白内障は水晶体を作るタンパク質の劣化が原因で発症する病気です。主に眼がかすむ、物が二重に見えるなどの症状が一般的です。
加齢に伴い発症するケースがほとんどですが、糖尿病やアトピー性皮膚炎などほかの疾患が原因で引き起こされる場合もあります。
また、遺伝的要因や子宮内感染によって発症することもあり、出生時や出生早期に白内障と診断されるケースもあります。
白内障は早期発見が難しく、知らない間に症状が悪化していることも少なくありません。治療せずにそのまま放置すると、失明する恐れがあります。
重症化を防ぐためにも、眼に違和感を覚えたらただちに眼科の医師に相談しましょう。
参考文献