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「動脈硬化に悪い食べ物」はご存知ですか?予防すると良い食品も解説!【医師監修】

 公開日:2025/01/30
「動脈硬化に悪い食べ物」はご存知ですか?予防すると良い食品も解説!【医師監修】

動脈硬化は、現代社会において多くの方が直面する健康問題の一つです。

動脈の壁にコレステロールなどが蓄積し、弾力性や柔軟性を失うことで、血流が妨げられ、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こす可能性があります。

この記事では、動脈硬化を悪化させる食品や生活習慣について詳しく解説し、予防のためにどのような食事や生活習慣を心がけるべきかを紹介します。

健康な生活を維持するために、ぜひ参考にしていただき、動脈硬化のリスクを減らし、健やかな毎日を送りましょう。

五藤 良将

監修医師
五藤 良将(医師)

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防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。

動脈硬化について

血圧測定

動脈硬化とはどのような状態ですか?

動脈硬化とは、動脈の壁にコレステロールなどの代謝産物が蓄積し、弾力性や柔軟性を失った状態をいいます。動脈は、全身に栄養分や酸素を行き渡らせる重要な役割を担っており、心臓から送り出される圧力に耐え、血流を維持するしなやかさと強さを有しています。しかし動脈硬化が進行すると、動脈壁の狭窄や脆弱化が生じ、さまざまな健康上の問題を引き起こす可能性があります。動脈硬化が身体にどのような症状を引き起こすのか詳しくみていきましょう。

動脈硬化の症状を教えてください。

動脈硬化の初期段階では自覚症状はほとんどありませんが、進行するとさまざまな症状が現れます。動脈は、栄養分や酸素を筋肉や臓器に運ぶ道路です。動脈が硬く狭くなると血流が妨げられます。いわゆるドロドロの血液という状態です。栄養素や酸素が不足した場所や、血管の損傷が生じた箇所により、症状が異なります。

足の疲れや冷えを感じ、進行を放置すると壊死することもあります。

  • 腎臓

高血圧や尿量が少なくなります。透析が必要となる腎不全へ進行する場合もあります。

めまいや頭痛、呂律が回らなくなった場合は脳梗塞の危険なサインです。

  • 心臓

息切れや胸の痛み、重篤な場合は心筋梗塞を引き起こす可能性があります。

動脈硬化の原因を教えてください。

肥満・糖尿病・高血圧・喫煙などの生活習慣が主な危険因子です。コントロールが不可能な因子も大きく関わります。

コントロールが不可能なもの

  • 年齢(加齢によりリスクが高まる)
  • 性別(男性は女性と比較してリスクが高いといわれています)
  • 遺伝(家族性高コレステロール血症などの体質も近年注目されています)

コントロールが可能なもの

  • ダイエット
  • 食習慣
  • 運動不足
  • 禁煙

特に自分でコントロールが可能な食事は重要です。

どのような症状があるときに病院を受診すればよいか教えてください。

息切れや胸の痛み、めまいや頭痛は特に危険なサインです。これらの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。閉塞性動脈硬化症は、特に脚の血管に認められることがある病気で、初期の症状としては、歩行の際に脚の痛みや冷感を感じます。この痛みは歩くのをやめると収まります。この状態を間歇性歩行といい、放置すると足を切断しなくてはならないこともある重要なサインです。動脈硬化を防ぐために生活習慣を見直し、動脈硬化が生じた場合は、早期から適切に病院を受診する必要があります。

動脈硬化を悪化させる食べ物と習慣

生活習慣のイメージ

アルコールの摂取は動脈硬化に関係していますか?

適量のアルコール摂取は、身体によく、動脈硬化をも減少させるという報告もあります。勿論、過度な飲酒は高血圧の大きなリスクファクターとなり、動脈硬化やその他の健康上の問題を引き起こすことはいうまでもありません。飲酒の適量は個人の年齢や体格、アルコールを分解する体質によって大きく異なりますが、日本酒に換算して1合から2合といわれています。動脈硬化の治療中の患者さんや、飲酒によりリスクが上昇することが知られる健康上の問題を抱えている方は、飲酒量を少なくするか、禁酒をする必要があります。

動脈硬化を悪化させる食品を教えてください。

動脈硬化を悪化させる食品はコレステロールの多い食品です。食べる量にもよりますが、以下の食品は、特に気をつける必要があります。

  • 脂身の多い肉
  • バター
  • ラード
  • 生クリーム

また、以下の食品の過度な摂取は高血圧を引き起こし、動脈硬化を悪化させる原因になります。

  • 塩辛
  • 漬物
  • インスタント食品

健康診断で血液検査を実施する場合は、悪玉コレステロールといわれるLDLコレステロールと、善玉コレステロールといわれるHDLコレステロールをチェックしてみましょう。LDLコレステロール値の上昇やHDLコレステロール値の低下は、動脈硬化を進行させる重要な指標です。

動脈硬化になりやすい生活習慣を教えてください。

動脈硬化を引き起こす主な危険因子には、以下のようなことが挙げられます。特に今回取り上げた食事は、意識によって変えることのできる重要な習慣です。

  • 運動不足
  • 過度なストレス
  • 喫煙
  • 食事

動脈硬化を予防する食事

野菜

動脈硬化を予防するために摂取するとよい食品はありますか?

動脈硬化を予防するために摂取するとよい食品は、緑黄色野菜や魚です。具体的には以下のような食品が挙げられます。

  • トマト
  • にんじん
  • 海藻
  • 青背魚
  • 納豆

ドレッシングなどの調味料においても、減塩を意識するとなお、よいでしょう。

動脈硬化予防に水分補給は関係しますか?

動脈硬化のある方が脱水状態になった場合は心筋梗塞のリスクが高まります。いわゆるドロドロの血液に拍車がかかります。就寝前や起床後などこまめな水分補給が重要です。特に夏は注意が必要です。のどの渇きを感じてから水を飲むのではなく、早めにこまめに飲むことを心がけましょう。

動脈硬化を予防するための生活習慣を教えてください。

動脈硬化を予防するためには、以下の生活習慣を心がけることが重要です。

  • バランスの取れた食事
  • 適度な運動
  • 禁煙
  • 適度な飲酒
  • ストレスの管理
  • 定期的な健康診断

動脈硬化は、自分でコントロールし予防できる病気です。
この記事が生活習慣を見直すきっかけになれば幸いです。

編集部まとめ

動脈硬化
動脈硬化は、動脈の壁にコレステロールなどが蓄積し、弾力性や柔軟性を失った状態です。

動脈硬化が起こると血流が妨げられ、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な健康問題を引き起こします。

予防には、バランスの取れた食事や適度な運動・禁煙・適度な飲酒・ストレス管理・定期的な健康診断が重要です。

特に、緑黄色野菜や魚を積極的に摂取し、コレステロールの高い食品を控えることが推奨されます。

生活習慣を見直し、動脈硬化のリスクを減らしましょう。

この記事の監修医師

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