「うつ病になりやすい人」の特徴はご存知ですか?セルフチェック方法も解説!
「うつ病」という言葉を聞いたことがある方は少なくないでしょう。しかし、なぜ罹患するのか・どのような症状があるのか・どうやって治療するのかを答えられるでしょうか。
「心の弱い人がなる病気なんじゃないの?」「自分には関係ない」そう思っている方もいるかもしれませんが、うつ病は環境やきっかけ次第で誰でもなりうる病気です。
この記事ではうつ病の特徴や原因・症状・治療方法を解説していきます。
監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
うつ病の原因や症状
うつ病とはどのような病気ですか?
どのような症状が出るのですか?
- 強い悲しみや絶望感、空虚感を感じる
- 以前楽しんでいた活動に興味を持てなくなる
- 疲れやすさ、エネルギーの欠如、物事に集中できない
- 不眠(寝付けない、途中で目が覚める)や過眠(寝すぎる)
- イライラする、怒りっぽくなる
- 集中力がなくなる、物事が判断できない
- 食欲不振や過食、体重の急激な増減
- 自分を無価値だと感じる、過度な罪悪感を抱く
- 死にたいと思ったり、自傷行為を考えたりする
上記の症状が2週間以上続いている場合、うつ病の可能性があります。疑わしい症状があれば早めに受診しましょう。
うつ病の原因ははっきりわかっているのでしょうか?
どのような出来事がうつ病のきっかけになりやすいですか?
- 長期間の強いストレス(仕事のプレッシャー、家族や恋人との不和、経済的問題など)
- 親しい人の死、離婚、失業などの喪失体験
- 社会的なつながりが少ないため生じる孤立感・孤独感
- 遺伝的な素因
- セロトニンやノルアドレナリンなど脳内化学物質の変化
- ホルモンバランスの変化
- 結婚、引っ越し、新しい仕事など重大なライフイベント
- 虐待やトラウマ
- 完璧主義な性格
- ネガティブな思考
これらの複数の要因が重なり合うことで発症リスクが高まります。例えば、ストレスフルな仕事環境にいる人が、過去にトラウマを抱えていたり、家族歴としてうつ病の素因を持っていたりする場合、発症リスクが増加する可能性があります。
うつ病になりやすい人の特徴やセルフチェック方法
うつ病になりやすい人の特徴を教えてください。
うつ病にかかる人の割合はどのくらいですか?
うつ病のセルフチェック方法を教えてください。
- ほとんど一日中、悲しく憂うつな気分が続く
- 趣味や興味を持っていたことが楽しく感じられない
- 食欲や体重に大きな変化がある
- 睡眠に問題がある(不眠や過眠)
- 疲労感が強く、エネルギーがない
- 自分に価値がないと感じる
- 集中力が低下している
- 死や自殺について考えることがある
上記の症状が5つ以上当てはまる場合、医療機関での相談を推奨しています。厚生労働省の簡易抑うつ症状尺度(QIDS-J)や一般のアプリやオンラインツールでも用いられているPHQ-9というテストも有効な指標です。ただし、セルフチェックはあくまで参考であり、最終的な診断は専門の医師が行います。もし、セルフチェックでうつ病の可能性が高いと出た場合や、自分で気になる症状がある場合は、早めに心療内科や精神科に相談しましょう。
うつ病の治療方法
うつ病は治りますか?
- 治療を途中で中断しない(特に薬物療法)
- 生活習慣を整える(睡眠、運動、ストレス管理)
- 支援体制(家族、友人、医療チーム)を活用する
治療方法を教えてください。
- ベンゾジアゼピン系薬剤を中心とする抗不安薬
- 抗うつ薬
- 抗精神病薬
抗不安薬は服用して数十分で効き目が出ることが多いですが、大量を長期間続けることの問題も指摘されています。一方で抗うつ薬は、服用してから効果があるまでに数週間から数ヶ月かかりますが、うつ病への薬物療法の中心となることが多い薬です。また、抗精神病薬は本来統合失調症の治療薬ですが、抗うつ薬と併用をすることで症状の改善が得られる場合もあります。治療期間の注意として、十分な休息をとること・重大な決断は先に延ばすこと・周囲ははげまさないようにして見守ること、などが挙げられます。
精神科と心療内科どちらで受診すればよいですか?
編集部まとめ
うつ病は適切な治療とサポートがあれば、多くの場合で症状が改善し、社会生活への復帰も可能です。
ただし、長期的な治療と再発防止への取り組みが重要となります。
治療を続けることで回復の道が開けますので、早めの受診と相談をおすすめします。
自分だけでなく周りの大切な方のこころと身体を守るためにも、うつ病に対する理解を深めましょう。