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「ドライアイ」がひどくなるとどうなるかご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2024/12/14
「ドライアイ」がひどくなるとどうなるかご存知ですか?【医師監修】

現代社会で悩んでいる方が多いとされているドライアイは、デジタル機器の使用や生活環境の変化によってその症状が悪化するケースが増えています。目の乾燥や不快感を放置すると、視力低下や日常生活への影響も避けられません。

本記事では、ドライアイがひどくなると考えられる原因について以下の点を中心にご紹介します。

・ドライアイがひどくなると考えられる原因
・ドライアイの治療法
・ドライアイの予防法

ドライアイがひどくなると考えられる原因について理解するためにも、ご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

ドライアイとは

ドライアイとは

ドライアイとは何ですか?

ドライアイとは、目の表面を保護する涙液の量や質が不足し、目が乾燥してしまう状態を指し、目の不快感や乾燥感、さらには目が疲れやすくなるといった症状が現れます。
ドライアイは放置すると目の健康を損ねる可能性があるため、適切な予防と治療が必要です。

どのような症状があるとドライアイの可能性がありますか?

ドライアイの主な症状には、目の乾燥感、ゴロゴロした異物感、目の疲れや痛みがあります。

また、光に対して敏感になる眩しさや、視界がかすむ症状も現れることがあります。意外なことに、涙が過剰に出る涙目もドライアイの兆候です。

さらに、長時間のパソコンやスマートフォンの使用中に目の疲労感や不快感を強く感じる場合も要注意です。

これらの症状が続く場合、単なる疲れではなくドライアイの可能性が考えられるため、医師による診断と早期の対策が、目の健康を守る鍵となります。

ドライアイが重症化するとどうなりますか?

ドライアイが重症化すると、単なる乾燥感や疲労感を超え、目の健康に深刻な影響を及ぼすことがあります。

まず、目の表面に傷がつきやすくなり、角膜や結膜に炎症が生じる可能性があり、視力低下や視界のぼやけが進む場合があります。
さらに、放置すると角膜潰瘍や感染症のリスクが高まり、視力を損なうこともあります。重症化したドライアイでは、目の痛みや不快感が強くなり、日常生活や仕事の質に大きな影響をもたらす可能性があります。

したがって、ドライアイは早期の診断と治療が重要であり、適切な点眼薬や生活習慣の見直しが症状の進行を防ぐ鍵となります。

ドライアイの原因

ドライアイの原因

ドライアイの原因は何ですか?

ドライアイの原因は多岐にわたりますが、主な要因として、涙液の量や質の低下が挙げられます。

なかでも、加齢に伴う涙液分泌の減少や、女性ホルモンの変化が一因となることが多いとされています。また、長時間のパソコンやスマートフォン使用による瞬きの減少も、涙液の蒸発を助ける重要な原因です。

さらに、エアコンや乾燥した環境、コンタクトレンズの長時間使用も目の乾燥を悪化させます。加えて、薬剤の副作用や、シェーグレン症候群などの全身性疾患も関与することがあります。

これらの要因が複合的に作用し、ドライアイの発症や進行につながるため、生活習慣の改善と適切なケアが必要です。

ドライアイを悪化させる要因はありますか?

ドライアイを悪化させる要因には、環境や生活習慣、体調の変化などさまざまなものがあります。なかでも、エアコンや暖房による空気の乾燥は、目の水分が蒸発し、症状を悪化させる主な要因です。

さらに、長時間のパソコン作業やスマートフォン使用によって瞬きの回数が減少することも影響します。

また、コンタクトレンズの使用や不適切なケア、喫煙やアルコール摂取は涙液の質を低下させ、ドライアイを進行させます。

加えて、加齢やホルモンバランスの変化、抗うつ薬や抗アレルギー薬などの一部の薬剤も涙液分泌に影響を与えるため、注意が必要です。

これらの要因を把握し、環境調整や適切なケアを心がけることが重要です。

ドライアイになりやすいのはどのような人ですか?

ドライアイになりやすい方の特徴は以下のとおりです。

・加齢: 年齢を重ねると涙液分泌が減少し、高齢者はリスクが高まります。
・女性: ホルモンバランスの変化により、更年期以降の女性は発症しやすい傾向があります。
・デジタルデバイスの使用: 長時間のパソコンやスマートフォンの使用により、瞬きの回数が減少し目が乾燥しやすくなります。
・環境要因: エアコンの効いた乾燥した環境で過ごしている場合、目の水分が蒸発しやすくなります。
・コンタクトレンズの使用: 長時間装着することで目の表面が乾燥するリスクが高まります。
・喫煙: たばこは涙液の質と量に悪影響を与え、ドライアイを引き起こします。
・薬剤の服用: 抗うつ薬や抗アレルギー薬などの副作用で涙液分泌が低下する場合があります。

これらの要因を理解し、適切な対策を取ることが予防につながります。

ドライアイの治療法や予防法とは

ドライアイの治療法や予防法とは

ドライアイの検査方法を教えてください

ドライアイの診断には以下のような検査方法が用いられます。

・シルマーテスト: 涙液分泌量を測定する検査で、専用の紙を下まぶたに挟み、一定時間内に紙がどれだけ濡れるかを確認します。涙の分泌不足が疑われる場合に推奨されています。
・BUT(涙液破壊時間)検査: 目の表面に染色液を点眼し、瞬き後に涙液が乾燥するまでの時間を測定します。涙液の安定性を調べる検査です。
・角膜・結膜染色検査: フルオレセインやローズベンガルなどの染色液を使用し、目の表面の傷や乾燥状態を観察します。
・涙液成分分析: 涙液の質を調べる検査で、涙の成分や浸透圧を分析し、ドライアイの種類や原因を詳しく特定します。

これらの検査を組み合わせて診断が行われ、症状に応じた適切な治療が提案されます。

ドライアイの治療法を教えてください

ドライアイの治療には、以下の方法が用いられます。

・点眼薬: 人工涙液やヒアルロン酸配合の目薬を使用し、目の潤いを補い乾燥を防ぎます。症状に応じて防腐剤無添加のものが推奨される場合もあります。
・環境改善: エアコンの使用を控える、室内の湿度を調整する、湿潤ゴーグルを装着するなど、外部環境から目を保護する対策がおすすめです。
・温熱療法: マイボーム腺の機能低下が原因の場合、ホットタオルや専用のアイマスクで目元を温め、脂質の分泌を促して涙の蒸発を抑えます。
・涙点プラグ: 重症のドライアイでは、涙点プラグを挿入して涙液を目に留める治療が行われます。
・ライフスタイルの見直し: 長時間のパソコン作業を避け、こまめに休憩を取ることで瞬きの回数を増やし、目を保護します。

医師と相談しながら、自身に合った治療法を継続することが重要です。

ドライアイの予防法を教えてください

ドライアイを予防するには、日常生活のなかで目を労わる習慣を取り入れることが重要です。

まず、パソコンやスマートフォンを長時間使用する際には、1時間ごとに10分程度の休憩を取り、目を休ませましょう。

また、意識的に瞬きを増やすことで、目の表面を保護する涙液の分泌を助けます。室内では加湿器を使用して湿度を保ち、エアコンの風が直接目に当たらないように調整します。

さらに、紫外線や乾燥した空気から目を守るために、外出時にはサングラスや保湿機能付きの眼鏡を着用することも効果が期待できます。

加えて、十分な睡眠やバランスの取れた食事を心がけ、目の健康に必要な栄養を摂取することも大切です。

最後に、読者へメッセージをお願いします

ドライアイは、さまざまな方が抱える身近な目のトラブルですが、適切な対策やケアによって症状を和らげられます。また、日常生活のなかで目を労わる習慣を取り入れることで、予防と症状の改善が期待できます。
少しの工夫や意識が、健康な視界と快適な毎日につながるため、目のケアを大切にしながら、自身に合った方法でドライアイを克服していきましょう。

編集部まとめ

ドライアイ ひどくなると
ここまでドライアイがひどくなると考えられる原因についてお伝えしてきました。ドライアイがひどくなると考えられる原因について、要点をまとめると以下のとおりです。

・ドライアイを悪化させる原因には、乾燥した環境、長時間のデジタル機器使用、コンタクトレンズの不適切なケア、喫煙やアルコール摂取が挙げられる。加齢や薬剤の影響も要因となるため、適切な対策が必要である
・ドライアイの治療法には、人工涙液の点眼、湿潤ゴーグルや室内湿度調整、ホットタオルでの目元の温め、涙点プラグの挿入などがあり、医師と相談しながら症状に合ったケアを行うことが大切である
・ドライアイ予防には、1時間ごとの目の休憩、意識的な瞬き、加湿器の活用、エアコン風の調整、十分な睡眠と栄養バランスの取れた食事を心がけることも大切である

ドライアイは、身近な眼の問題ですが、正しい知識とケアで改善が期待できます。

本記事を通じて、日々の目のケアを習慣化し、健康的な生活を守れます。
本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

この記事の監修医師