「パニック障害の初期症状」はご存知ですか?なりやすい人の特徴も解説!
更新日:2025/01/11

パニック障害は、動悸や息切れ、めまいなど、身体に異変を感じることもありますが、これが病気かどうか不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。 本記事ではパニック障害の初期症状について以下の点を中心にご紹介します。 ・パニック障害とは ・パニック障害の症状 ・パニック障害の治療 パニック障害の初期症状について理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

監修医師:
伊藤 有毅(柏メンタルクリニック)
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専門領域分類
精神科(心療内科),精神神経科,心療内科。
保有免許・資格
医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
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医師免許、日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医
目次 -INDEX-
パニック障害とは
パニック障害はどのような病気ですか?
パニック障害は、突如として強い不安や恐怖が襲い、心拍数の増加や呼吸困難などのパニック発作を引き起こす病気です。発作は予測できないため、患者さんは発作への恐れから日常生活に支障をきたすことがあります。また、発作を繰り返すことで予期不安が強まり、発作が起こりそうな場所を避ける恐怖にもつながることがあります。
適切な治療を受けないと、半数程度の患者さんがうつ病を合併することもあります。しかし、パニック障害は命に関わる病気ではなく、早期に治療を受けることで回復が期待できます。そのため、発作が気になるときは、早めに医師に相談することが大切です。
適切な治療を受けないと、半数程度の患者さんがうつ病を合併することもあります。しかし、パニック障害は命に関わる病気ではなく、早期に治療を受けることで回復が期待できます。そのため、発作が気になるときは、早めに医師に相談することが大切です。
パニック障害の原因を教えてください
パニック障害の原因はすべては解明されていませんが、脳の機能異常が関与していると考えられています。なかでも自律神経を統御する脳幹部や、感情を司る扁桃体の過活動、前頭葉の機能低下が関連しているという仮説があります。
また、神経伝達物質であるノルアドレナリン、セロトニン、GABAが重要な役割を果たしています。これらの物質のバランスが崩れると、パニック発作や予期不安を引き起こす可能性があります。
加えて、炭酸ガスやカフェインなどの刺激物が発作を誘発することもあり、患者さんの体質的な要因も影響しているとされています。また、発病前にストレスを経験したことから、心理的要因も一因となることがあります。このように、パニック障害は複数の要因が絡み合って発症する病気です。
また、神経伝達物質であるノルアドレナリン、セロトニン、GABAが重要な役割を果たしています。これらの物質のバランスが崩れると、パニック発作や予期不安を引き起こす可能性があります。
加えて、炭酸ガスやカフェインなどの刺激物が発作を誘発することもあり、患者さんの体質的な要因も影響しているとされています。また、発病前にストレスを経験したことから、心理的要因も一因となることがあります。このように、パニック障害は複数の要因が絡み合って発症する病気です。
パニック障害になりやすい人の特徴はありますか?
パニック障害になりやすい人にはいくつかの特徴があります。
まず、ストレスや不安を感じやすく、神経質な性格の方がリスクが高いとされています。また、内向的で周囲の目を気にしやすい、依存的な性格の方もパニック障害にかかりやすい傾向があります。さらに、幼少期に親との分離不安やトラウマを経験した方、過去にうつ病やほかの精神疾患を患った経験がある方もリスクが高いです。
また、真面目で几帳面な方も要注意です。常に自身に高い基準を求めることで、過度なプレッシャーやストレスが蓄積し、発症につながることがあります。肉体的な疲労や睡眠不足も、発作の引き金となる可能性があり、忙しい生活を送っている方は注意が必要です。 性別や年齢も関連しており、女性は男性の2〜3倍かかりやすく、なかでも20〜30代に多く見られます。
また、真面目で几帳面な方も要注意です。常に自身に高い基準を求めることで、過度なプレッシャーやストレスが蓄積し、発症につながることがあります。肉体的な疲労や睡眠不足も、発作の引き金となる可能性があり、忙しい生活を送っている方は注意が必要です。 性別や年齢も関連しており、女性は男性の2〜3倍かかりやすく、なかでも20〜30代に多く見られます。
パニック障害の症状
パニック障害の初期症状にはどのようなものがありますか?
パニック障害の初期症状には、突然強い不安や恐怖感を伴うパニック発作が挙げられます。この発作は、動悸や息切れ、めまい、発汗、吐き気などの身体症状を伴い、患者さんは”このまま死んでしまうのではないか”と強い恐怖を感じることが特徴です。発作は数分〜20分程度続き、その後は自然に収まることが多いようです。
発作が始まる初期段階では、1〜2種類の軽い身体症状が見られることが多く、次第に症状が増え、重症化していく傾向があります。また、発作の頻度や重さは個人差が大きく、数ヶ月に一度の軽い発作から、頻繁に繰り返される重度の発作までさまざまです。初期には身体の不調を感じることから、循環器科や呼吸器科を受診することが多いようですが、検査結果に異常が見られないことが少なくありません。
発作が始まる初期段階では、1〜2種類の軽い身体症状が見られることが多く、次第に症状が増え、重症化していく傾向があります。また、発作の頻度や重さは個人差が大きく、数ヶ月に一度の軽い発作から、頻繁に繰り返される重度の発作までさまざまです。初期には身体の不調を感じることから、循環器科や呼吸器科を受診することが多いようですが、検査結果に異常が見られないことが少なくありません。
パニック障害の三大症状について教えてください
パニック障害の三大症状は、パニック発作、予期不安、広場恐怖の3つです。
1.パニック発作 突然、動悸や息切れ、めまい、発汗などが現れ、強い不安や恐怖が伴います。発作は10分以内にピークを迎え、”死ぬのでは”という強烈な恐怖を感じることが多いとされています。発作は短時間で収まりますが、大変恐ろしい経験です。
2.予期不安 一度発作を経験すると、”また起きるのではないか”という不安が日常生活を支配し始めます。この不安が強くなると、発作を避けようとする行動に影響を与えることがあります。
3.広場恐怖 発作が起こるかもしれない場所や状況を避けるため、外出や人混み、電車などの使用を控えるようになり、日常生活が制限されることが多くなります。
1.パニック発作 突然、動悸や息切れ、めまい、発汗などが現れ、強い不安や恐怖が伴います。発作は10分以内にピークを迎え、”死ぬのでは”という強烈な恐怖を感じることが多いとされています。発作は短時間で収まりますが、大変恐ろしい経験です。
2.予期不安 一度発作を経験すると、”また起きるのではないか”という不安が日常生活を支配し始めます。この不安が強くなると、発作を避けようとする行動に影響を与えることがあります。
3.広場恐怖 発作が起こるかもしれない場所や状況を避けるため、外出や人混み、電車などの使用を控えるようになり、日常生活が制限されることが多くなります。
パニック障害と間違えやすい疾患はありますか?
パニック障害は、その症状が身体的な病気と似ているため、ほかの疾患と間違えられやすいことがあります。
例えば、甲状腺機能亢進症やバセドウ病では、甲状腺ホルモンの過剰分泌により、動悸や発汗、気分の変動などが起こり、パニック障害に似た症状を示します。
また、副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)は、カテコラミンというホルモンが急激に分泌されることで、高血圧や動悸、強い不安感などを引き起こし、これもパニック発作と誤認されやすいです。
さらに、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、喘息、メニエール病も、動悸や息苦しさ、めまいなどの症状を共有しているため、パニック障害と混同されることがあります。これらの病気を除外するために、まず身体的な検査を行い、必要に応じて専門の医師の診察を受けることが重要です。
例えば、甲状腺機能亢進症やバセドウ病では、甲状腺ホルモンの過剰分泌により、動悸や発汗、気分の変動などが起こり、パニック障害に似た症状を示します。
また、副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)は、カテコラミンというホルモンが急激に分泌されることで、高血圧や動悸、強い不安感などを引き起こし、これもパニック発作と誤認されやすいです。
さらに、心筋梗塞や狭心症などの心疾患、喘息、メニエール病も、動悸や息苦しさ、めまいなどの症状を共有しているため、パニック障害と混同されることがあります。これらの病気を除外するために、まず身体的な検査を行い、必要に応じて専門の医師の診察を受けることが重要です。
パニック障害の治療
パニック障害はどのように診断しますか?
パニック障害の診断は、主にDSMやICDなどの国際的な診断基準に基づいて行われます。まず、突然の強い不安や恐怖を伴うパニック発作が繰り返し起こることが重要な診断要素です。発作中には、動悸、息切れ、めまい、発汗、胸痛、死への恐怖など、13項目の症状のうち4つ以上が同時に現れ、10分以内にピークに達することが基準となります。
診断には、まず身体的な疾患を除外するために、血液検査や心電図、脳波検査などが行われます。なかでも、心血管系疾患や甲状腺機能亢進症、てんかんなどがパニック発作と似た症状を示すことがあるため、これらの排除が必要です。
さらに、1ヶ月以上にわたって発作に対する強い不安(予期不安)や生活上の変化が見られる場合、パニック障害と診断されます。
診断には、まず身体的な疾患を除外するために、血液検査や心電図、脳波検査などが行われます。なかでも、心血管系疾患や甲状腺機能亢進症、てんかんなどがパニック発作と似た症状を示すことがあるため、これらの排除が必要です。
さらに、1ヶ月以上にわたって発作に対する強い不安(予期不安)や生活上の変化が見られる場合、パニック障害と診断されます。
パニック障害の治療について教えてください
パニック障害の治療は主に薬物療法と精神療法の2つの方法で行われます。
薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬を使用して、パニック発作や予期不安を抑えます。なかでも、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は効果が高く、広場恐怖やうつ症状にも有効とされています。症状が改善しても再発防止のために、数ヶ月から1年間の継続治療が推奨されます。
精神療法では、認知行動療法が用いられています。これは、発作を引き起こす誤った認知を修正し、発作が起こりそうな場面に対する不安を減少させることを目指します。また、自律訓練法というリラックス法も併用され、ストレス管理や予期不安の軽減に効果が期待できます。これらの治療法を組み合わせることで、患者さんが改善を実感できるようになります。
薬物療法では、抗うつ薬や抗不安薬を使用して、パニック発作や予期不安を抑えます。なかでも、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)は効果が高く、広場恐怖やうつ症状にも有効とされています。症状が改善しても再発防止のために、数ヶ月から1年間の継続治療が推奨されます。
精神療法では、認知行動療法が用いられています。これは、発作を引き起こす誤った認知を修正し、発作が起こりそうな場面に対する不安を減少させることを目指します。また、自律訓練法というリラックス法も併用され、ストレス管理や予期不安の軽減に効果が期待できます。これらの治療法を組み合わせることで、患者さんが改善を実感できるようになります。
パニック障害は治りますか?
パニック障害は適切な治療を受けることで改善することが期待できます。しかし、自然によくなることはあまりなく、早期の治療が重要です。
発作がなくなり、薬が不要になるまでには時間がかかることがありますが、治療の継続により再発を防ぐことも可能とされています。また、場所や状況に対する恐怖が残ることもありますが、それも治療を続けることで少しずつ克服できます。重要なのは、焦らず、時間をかけて治療に取り組むことです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
パニック障害の初期症状や原因、治療についての理解が深まったでしょうか?
パニック障害は、早期に適切な治療を受けることで、症状を改善し、生活の質を取り戻せます。もしパニック障害の兆候や不安を感じた場合は、ためらわずに医師に相談し、今後もご自身の心と身体を大切にお過ごしください。
編集部まとめ
ここまでパニック障害の初期症状についてお伝えしてきました。要点をまとめると以下のとおりです。 ・パニック障害は、突発的な強い不安や恐怖により心拍数の増加や呼吸困難などの発作を引き起こし、繰り返すことで予期不安や広場恐怖につながる病気である ・パニック障害の症状は、突然のパニック発作に加え、発作が再発する恐怖から予期不安や広場恐怖が生じ、日常生活に大きな制限をもたらす点が特徴である ・パニック障害の治療は、薬物療法と認知行動療法を組み合わせ、発作や予期不安を抑えながら、根気強く続けることで改善が期待できる パニック障害の理解が深まれば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

