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「インフルエンザがうつる確率」はどのくらい?感染する期間も解説!【医師監修】

 公開日:2024/11/02
「インフルエンザがうつる確率」はどのくらい?感染する期間も解説!【医師監修】

誰もが一度は感染したことのあるインフルエンザですが、うつる確率はどれくらいか気になる方もいるのではないでしょうか。

インフルエンザは風邪と症状が似ていますが、風邪より重症化するリスクも高く、感染率も高いため予防は大切です。

感染率が高い分、家族が感染した場合どのように対処すればよいのか悩む方もいるでしょう。そこで本記事では、感染する期間や家族間の予防対策などを解説します。

眞鍋 憲正

監修医師
眞鍋 憲正(医師)

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信州大学医学部卒業。信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学教室博士課程修了。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本医師会健康スポーツ医。専門は整形外科、スポーツ整形外科、総合内科、救急科、疫学、スポーツ障害。

インフルエンザの原因や症状

マスクをつける人

インフルエンザの原因や感染経路を教えてください。

インフルエンザの感染経路は主に2つあります。

  • 飛沫感染(咳・くしゃみ・唾液などが飛び散り目や鼻などの粘膜に付着する)
  • 接触感染(感染者に触れる・ドア・つり革・電気のスイッチなどに接触し付着する)

基本的にはこの2つの経路になります。ただし、例外として空気感染することもあるため注意が必要です。空気感染は咳やくしゃみなどの飛沫を吸い込むことでうつります。
飛沫感染とは違い、その場に人がいなくても蒸発した粒子を吸えば感染します。

どのような症状が出ますか?

インフルエンザの症状は以下のとおりです。

  • 38度以上の発熱
  • 悪寒
  • 鼻水・鼻づまり
  • のどの痛み
  • たん
  • 筋肉痛・関節痛など

重症化すると気管支炎や肺炎を起こすこともあるため注意が必要です。特に呼吸器疾患や心疾患・糖尿病・腎機能障害などがある方は重症化するリスクが高いといえます。
日頃から感染しないように配慮することが大切です。また、妊婦や乳幼児、高齢者もインフルエンザに感染すると重症化することがあるとわかっています。少しでも異変を感じたら、すぐ医療機関に相談しましょう。

風邪との違いを教えてください。

風邪は細菌によって起こることもありますが、インフルエンザの場合はインフルエンザウイルスによって感染します。風邪の感染経路は飛沫感染と接触感染がほとんどですがインフルエンザは空気感染することもあるでしょう。
感染者がくしゃみや咳をすると空気中に飛散されほかの方に感染しやすくなります。風邪の場合4~5日で自然と改善しますがインフルエンザは1週間程かかることもあるでしょう。
また、インフルエンザは高熱が出ることも少なくありません。それだけでなく、のどの痛みや関節痛など全身に症状が現れることもあります。インフルエンザは風邪よりも重症化しやすく合併症を起こすリスクが高いです。

インフルエンザの流行時期はいつですか?

国内では12月頃~4月頃に流行する傾向にあります。インフルエンザはA型・B型・C型があります。D型も存在しますが人間には感染しません。
それぞれ流行時期が異なるため気をつけましょう。一般的には12月頃にA型、4月頃にB型、1月~6月頃にC型が流行するといわれています。インフルエンザは寒い時期に流行すると思う方も少なくありませんが、夏に流行することもあるため冬以外も予防対策は必要です。
寒い時期はくしゃみや咳が出ることがあるため感染のリスクは高いです。

インフルエンザがうつる確率や感染する期間

ワクチン

インフルエンザがうつる確率はどのくらいですか?

季節や状況により違いはありますが約10%といわれているため、10人に1人は感染するということになります。それだけインフルエンザの感染力は強く侮れない病気だということがわかるでしょう。インフルエンザは増殖するスピードが早く、体内に侵入するとすぐに細胞内に到達します。
粘膜から付着して細胞内に侵入するまでおよそ10分、8時間後には100倍、6時間後には1万倍にまで増殖するでしょう。さらに24時間後には100万倍になり、感染は拡大していきます。
たった一人のくしゃみや咳、接触などからすさまじいスピードで増殖し多くの感染者を生み、その結果毎年のように流行してしまうのです。

インフルエンザが周りに感染する期間を教えてください。

インフルエンザは症状の出る1日前から発病後5~7日以内に感染する可能性が高くなります。症状が出始めるのが約2日といわれていますが、場合によっては1~4日のこともあるでしょう。
特にインフルエンザは発病後3~4日に感染力が強まるため症状が現れていなくても人との接触は避けることが大切です。インフルエンザの感染者と接触した場合、4日間は発病するリスクがあります。
また感染率を下げるには人との接触を避ける以外に、距離を2m以上取ることもポイントになります。くしゃみや咳などの飛沫の飛散を避けるためです。先述したとおりインフルエンザは空気感染することもあるため注意しましょう。

インフルエンザにかからない人がいるのはなぜですか?

インフルエンザに感染しても無症状や軽症の方もいるため不思議に感じる方もいるでしょう。
症状が出ない方は総じて免疫力が強く健康な方がほとんどです。インフルエンザに打ち勝つ強い免疫力がある方は必然的に感染しにくくなります。それに加え、個人の予防意識も大きく関わっているでしょう。

インフルエンザの予防や家族間の予防対策

インフルエンザウイルス

インフルエンザを予防する方法を教えてください。

インフルエンザの感染を予防するためには、原因となるウイルスを体内に侵入させないことが重要です。また自分だけでなく周りの方にうつさないように意識しましょう。
外出先から帰った後や食事前にはうがい手洗いを心がけ、予防することが大切です。ウイルスは石けんで効果的に除去できます。手洗いのときは装飾品を外し爪のなかや指の間まで丁寧に洗いましょう。
また、できるだけ人混みを避けることや室内にいる場合もしっかりと換気することが大切です。室内は適切な室温や湿度を保つようにしましょう。生活習慣には気を付け、きちんとした健康管理を意識してください。
免疫力を上げる生活習慣は以下のとおりです。

  • 食事(ビタミンミネラルが豊富な食事を1日3食規則正しく)
  • 環境(室温20度前後・湿度50~60%)
  • 睡眠(6~7時間程の十分な睡眠をとる)
  • 服装(着脱のしやすい物で温度調節する)
  • 運動(適度な運動で体力づくり)
  • ストレスの緩和(音楽鑑賞・日光浴・入浴・マッサージなど)

以上のことに注意すれば、免疫力を上げやすくなるでしょう。感染してもインフルエンザに対抗できる強い体作りができます。

家族間の予防対策を教えてください。

家族が感染した場合、室内でもマスクをしてこまめにうがい手洗いをしましょう。基本的な予防法と変わりはありませんが、いつも以上に徹底することが大切です。また、感染者と生活スペースや使用するものを分けて使うと感染リスクが下げられます。
食器やタオルなどウイルスが付着しやすいものは別々に使うことが大切です。使い捨てのものを利用するのがおすすめです。隔離が難しい場合でもできるだけ近距離での会話は避け、飛沫や接触には注意しましょう。
洗面所やトイレなどの共有スペースはアルコール消毒するなどしてウイルスの増殖を避けることが重要です。ウイルスは乾燥した環境で増殖します。換気だけでなく一定の湿度が保たれた環境をつくることも効果的です。

ワクチンはいつ頃接種すればよいですか?

インフルエンザは日本では12月~4月頃に流行するため12月中旬までにはワクチン接種をしておくとよいでしょう。インフルエンザワクチンの効果は約5ヵ月です。1~2週間で抗体ができ始め1ヵ月をピークに3~4ヵ月かけて減っていきます。インフルエンザに感染したことのある大人は、1回の予防接種でも十分に抗体がつくられるでしょう。
しかし13歳未満の子どもや感染したことのない方は2回の予防接種が推奨されます。インフルエンザワクチンを予防接種すると赤みや腫れを起こすことがあるかもしれません。人によっては発熱したり全身の倦怠感を感じたりすることもあるでしょう。
しかし大抵の場合、3~5日で消失します。長く続くときは医療機関に相談しましょう。なかにはアレルギーを起こす方もいるためインフルエンザワクチンの予防接種後は経過観察が重要です。また、稀に重い副反応を起こす方もいます。重い副反応は以下のとおりです。

  • ギランバレー症候群
  • 急性脳症
  • 急性脊髄炎
  • けいれん発作
  • 喘息発作など

インフルエンザワクチンの予防接種をする際はリスクを知るためにも医師の説明をきちんと確認しておきましょう。

編集部まとめ

マスク 女性
インフルエンザの感染率は約10%といわれています。10人に1人が感染するリスクの高い病気です。そのため身近な家族が感染するとどう対処すればよいか悩む方も少なくないでしょう。

インフルエンザに感染しないためには、感染経路を断つことが重要です。もし同居している方が感染した場合は予防法を試してみましょう。

それだけでも感染するリスクは下げられます。また、感染したときだけでなく普段から予防を意識しましょう。

きちんとした生活習慣で免疫力を上げておけば、感染したとしても軽症で済み、早く回復する可能性が高くなります。さらにインフルエンザワクチンの予防接種も有効な手段です。

流行する1ヵ月前には予防接種の準備をしておきましょう。一人ひとりが意識することで、自分だけでなく周りの方の感染を防ぐことにもつながります。

この記事の監修医師

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