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「スティーブンス・ジョンソン症候群」という感染症や薬剤で発症する病気を解説!

 更新日:2024/01/09
「スティーブンス・ジョンソン症候群」という感染症や薬剤で発症する病気を解説!

スティーブンス・ジョンソン症候群について解説していきます。どんな病気で何が原因で発症するのでしょうか?スティーブンス・ジョンソン症候群について以下の点を中心に解説していきます。

・スティーブンス・ジョンソン症候群とは
・スティーブンス・ジョンソン症候群の診断方法
・スティーブンス・ジョンソン症候群の早期発見のポイント

さらにスティーブンス・ジョンソン症候群の報告の多い医薬品についても紹介します。スティーブンス・ジョンソン症候群について詳しく知るためにぜひ最後までお読みください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

スティーブンス・ジョンソン症候群について

スティーブンス・ジョンソン症候群について

スティーブンス・ジョンソン症候群とはどんな病気ですか?

スティーブンス・ジョンソン症候群は重篤な疾患で、皮膚粘膜眼症候群とも呼ばれます。粘膜にびらんが生じ、全身の皮膚に紅斑や水疱が現れます。全身症状として発熱や倦怠感も起こります。中毒性表皮壊死症と関連し、皮膚の剥がれる範囲が全体表面積の10%未満の場合はスティーブンス・ジョンソン症候群と診断されます。薬剤の副作用や感染症が原因で発症し、重篤な合併症や致命的な状態に至ることもあります。早期の診断と適切な治療が必要で、専門医の指導のもとで行われます。症状がある場合は迅速な医療機関の受診が重要です。

スティーブンス・ジョンソン症候群の症状は?

スティーブンス・ジョンソン症候群の初期症状は、発熱や関節背面に現れる左右対称的な紅斑です。症状が進行すると、水疱やびらんが現れることがあります。また、目や口などの粘膜にも炎症が起きることが多いとされています。重症化すると、呼吸器や肝臓などの臓器に障害が生じ、合併症が発生する可能性があります。これらの合併症は重篤であり、死亡することもあります。また、症状が改善しても、目や呼吸器などの障害が残ることがあります。

スティーブンス・ジョンソン症候群の原因を教えてください。

スティーヴンス・ジョンソン症候群の原因は完全には解明されていませんが、感染症や薬剤が引き金となることが多いとされています。感染症ではマイコプラズマ感染症やウイルス感染症が、薬剤では消炎鎮痛薬、抗菌薬、抗けいれん薬、高尿酸血症治療薬などが関与することがあります。市販の風邪薬も原因になることがあります。また、特定の遺伝的素因を持つ人は、特定の薬剤により病気を発症しやすいことが明らかになっています。これらの要素が組み合わさることで、主に皮膚や粘膜に病変が起こり、スティーヴンス・ジョンソン症候群が発症すると考えられています。

スティーブンス・ジョンソン症候群になりやすい人はどんな人ですか?

スティーブンス・ジョンソン症候群は、小児から高齢者まで幅広い年齢層に発症する可能性があります。また、男女を問わず、誰にでも発症する可能性があります。スティーブンス・ジョンソン症候群の発症は、人口100万人当たりに年間1〜6人程度と非常にまれであるとされています。

特定の薬物の摂取: あらゆる内服薬が原因で起きる可能性がありますが、感冒薬、抗生物質、痛み止め、てんかんの薬、尿酸を下げる薬などが原因として多い薬剤です。

遺伝的体質: いくつかの薬で遺伝的体質からスティーブンス・ジョンソン症候群になる可能性があることがわかっています。例えば、てんかんの薬であるカルバマゼピン、尿酸値が高い人が飲む薬であるアロプリノール、一部の感染症や皮膚疾患に使う薬であるジアフェニルスルホンなどが該当します。
特定の感染症: マイコプラズマ肺炎を含むマイコプラズマ感染症やヘルペス感染症にかかった後にスティーブンス・ジョンソン症候群になる人がいます。

しかし、多くの薬では、「なりやすい人となりにくい人」の理由は分かっていません。また、感染症にかかった後でどのような人がなりやすいか、なりにくいかも分かっていません。

スティーブンス・ジョンソン症候群の診断と治療方法

スティーブンス・ジョンソン症候群の診断と治療方法

スティーブンス・ジョンソン症候群と診断するにはどのような検査をしますか?

スティーブンス・ジョンソン症候群の診断には、以下の検査方法が一般的に使用されます。病理組織検査では、局所麻酔を施し皮膚の一部を切除し、顕微鏡で組織を詳細に調べます。これにより、剥離した表皮や炎症反応の特徴を確認し、スティーブンス・ジョンソン症候群の診断を支援します。血液検査では、白血球数や肝臓、腎臓の機能などの血液パラメータを評価し、全身の炎症反応や臓器の影響を把握します。尿検査や便検査では、異常がないかを調べ、腎臓や消化器系の炎症や異常を評価します。胸部レントゲン写真やCT撮影では、肺に関連する合併症や他の異常所見を確認するために行われます。これらの検査はスティーブンス・ジョンソン症候群の診断と重症度の評価に役立ちますが、最終的な診断は臨床症状や皮膚の変化に基づいて行われることが一般的です。診断のためには、専門医による評価と判断が必要です。

スティーブンス・ジョンソン症候群の治療法を教えてください。

原因となるお薬を中止し、体内の水分量と電解質のバランスを整えるために補液します。また、症状の重さに応じてステロイド剤を内服または点滴により投与します。眼の症状が強い場合は、ステロイドの点眼や外用も行われることがあります。外陰部や肛門のただれに対しては、ワセリンや抗生物質を含む軟膏を外用します。感染症を併発しないようにするためには、抗菌剤の投与が行われる場合もあります。
ステロイドの全身投与の効果がない場合には、血漿交換療法やヒト免疫グロブリン製剤の大量静注療法などの方法が選択されることがあります。原因がマイコプラズマ感染症である場合には、マイコプラズマ感染症に効果が期待できる抗菌剤のエリスロマイシンやテトラサイクリンを内服または点滴により投与します。治療は症状にもよりますが、約1ヶ月ほどの入院治療が必要になる場合が多いです。

スティーブンス・ジョンソン症候群の早期発見のポイント

スティーブンス・ジョンソン症候群の早期発見のポイント

早期発見するための症状を教えてください。

スティーブンス・ジョンソン症候群を早期発見するためのポイントは次の通りです:

高熱や目の充血、めやになどの目の症状に注意してください。また、まぶたの腫れや目が開けづらいといった症状も異常のサインとなります。

口唇や陰部のただれ、排尿や排便時の痛み、のどの痛み、広範囲に赤くなる皮膚の変化など、他の部位でも症状が現れる可能性があります。

症状が持続したり急激に悪化したりする場合、特に医薬品を服用している場合は、ただちに医師や薬剤師に連絡してください。

スティーブンス・ジョンソン症候群の発症は、医薬品の服用後2週間以内に起こることが多いですが、数日以内または1ヶ月以上経ってからも発症することがあります。服用した医薬品の情報や服用からの経過時間を医師や薬剤師に伝えることが重要です。

目の変化は皮膚や粘膜の変化とほぼ同時に起こることが多く、急性結膜炎を生じることが知られています。両目にかゆみや充血、涙、目やになどの症状が現れる場合も注意が必要です。

薬を服用した記録を残しておくべきですか?

はい、薬を服用した記録を残しておくことは重要です。特にスティーブンス・ジョンソン症候群のような重篤な副作用が報告されている場合や、薬剤アレルギーや過敏症の既往がある場合には、お薬手帳などの記録が役立ちます。

スティーブンス・ジョンソン症候群を起こした医薬品

スティーブンス・ジョンソン症候群を起こした医薬品

スティーブンス・ジョンソン症候群の報告の多い医薬品はなんですか?

厚生労働省によると、報告の多いスティーブンス・ジョンソン症候群の原因とされる医薬品は以下のとおりです:

カルバマゼピン(抗てんかん剤・躁状態治療剤)
・アロプリノール(高尿酸血症治療剤)
・ジクロフェナクナトリウム(持続性鎮痛・抗炎症剤)
・レボフロキサシン(抗菌製剤)
・ロキソプロフェンナトリウム(鎮痛・抗炎症・解熱剤)
・ゾニサミド(抗てんかん剤)
・アジスロマイシン水和物(マクロライド系抗生物質)
・セフジニル(セフェム系製剤)
・塩酸セフカペンピボキシル(セフェム系抗生物質)
・クラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質)

これらの医薬品はスティーブンス・ジョンソン症候群の報告数が多いとされています。ただし、注意しておかなければならないのは、報告されている医薬品はあくまで一部であり、他にもスティーブンス・ジョンソン症候群の原因となる医薬品が存在する可能性があるということです。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

スティーブンス・ジョンソン症候群は、特定の医薬品の使用によって引き起こされることがあり、早期発見と適切な対応が命を救えます。記事を通じて知識を深めることで、スティーブンス・ジョンソン症候群の症状や原因について理解しましょう。

編集部まとめ

スティーブンス・ジョンソン症候群
ここまでスティーブンス・ジョンソン症候群についてお伝えしてきました。スティーブンス・ジョンソン症候群の要点をまとめると以下の通りです。

・スティーブンス・ジョンソン症候群は重篤な疾患で粘膜にびらんが生じ、全身の皮膚に紅斑や水疱が現れる指定難病である。
・スティーブンス・ジョンソン症候群は病理組織検査・血液検査・胸部レントゲン写真やCT撮影によって診断される。
・高熱・口唇や陰部のただれ特に医薬品を服用している場合に注意が必要。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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