「スティーブンス・ジョンソン症候群」という感染症や薬剤で発症する病気を解説!
スティーブンス・ジョンソン症候群について解説していきます。どんな病気で何が原因で発症するのでしょうか?スティーブンス・ジョンソン症候群について以下の点を中心に解説していきます。
・スティーブンス・ジョンソン症候群とは
・スティーブンス・ジョンソン症候群の診断方法
・スティーブンス・ジョンソン症候群の早期発見のポイント
さらにスティーブンス・ジョンソン症候群の報告の多い医薬品についても紹介します。スティーブンス・ジョンソン症候群について詳しく知るためにぜひ最後までお読みください。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
スティーブンス・ジョンソン症候群について
スティーブンス・ジョンソン症候群とはどんな病気ですか?
スティーブンス・ジョンソン症候群の症状は?
スティーブンス・ジョンソン症候群の原因を教えてください。
スティーブンス・ジョンソン症候群になりやすい人はどんな人ですか?
特定の薬物の摂取: あらゆる内服薬が原因で起きる可能性がありますが、感冒薬、抗生物質、痛み止め、てんかんの薬、尿酸を下げる薬などが原因として多い薬剤です。
遺伝的体質: いくつかの薬で遺伝的体質からスティーブンス・ジョンソン症候群になる可能性があることがわかっています。例えば、てんかんの薬であるカルバマゼピン、尿酸値が高い人が飲む薬であるアロプリノール、一部の感染症や皮膚疾患に使う薬であるジアフェニルスルホンなどが該当します。
特定の感染症: マイコプラズマ肺炎を含むマイコプラズマ感染症やヘルペス感染症にかかった後にスティーブンス・ジョンソン症候群になる人がいます。
しかし、多くの薬では、「なりやすい人となりにくい人」の理由は分かっていません。また、感染症にかかった後でどのような人がなりやすいか、なりにくいかも分かっていません。
スティーブンス・ジョンソン症候群の診断と治療方法
スティーブンス・ジョンソン症候群と診断するにはどのような検査をしますか?
スティーブンス・ジョンソン症候群の治療法を教えてください。
ステロイドの全身投与の効果がない場合には、血漿交換療法やヒト免疫グロブリン製剤の大量静注療法などの方法が選択されることがあります。原因がマイコプラズマ感染症である場合には、マイコプラズマ感染症に効果が期待できる抗菌剤のエリスロマイシンやテトラサイクリンを内服または点滴により投与します。治療は症状にもよりますが、約1ヶ月ほどの入院治療が必要になる場合が多いです。
スティーブンス・ジョンソン症候群の早期発見のポイント
早期発見するための症状を教えてください。
高熱や目の充血、めやになどの目の症状に注意してください。また、まぶたの腫れや目が開けづらいといった症状も異常のサインとなります。
口唇や陰部のただれ、排尿や排便時の痛み、のどの痛み、広範囲に赤くなる皮膚の変化など、他の部位でも症状が現れる可能性があります。
症状が持続したり急激に悪化したりする場合、特に医薬品を服用している場合は、ただちに医師や薬剤師に連絡してください。
スティーブンス・ジョンソン症候群の発症は、医薬品の服用後2週間以内に起こることが多いですが、数日以内または1ヶ月以上経ってからも発症することがあります。服用した医薬品の情報や服用からの経過時間を医師や薬剤師に伝えることが重要です。
目の変化は皮膚や粘膜の変化とほぼ同時に起こることが多く、急性結膜炎を生じることが知られています。両目にかゆみや充血、涙、目やになどの症状が現れる場合も注意が必要です。
薬を服用した記録を残しておくべきですか?
スティーブンス・ジョンソン症候群を起こした医薬品
スティーブンス・ジョンソン症候群の報告の多い医薬品はなんですか?
カルバマゼピン(抗てんかん剤・躁状態治療剤)
・アロプリノール(高尿酸血症治療剤)
・ジクロフェナクナトリウム(持続性鎮痛・抗炎症剤)
・レボフロキサシン(抗菌製剤)
・ロキソプロフェンナトリウム(鎮痛・抗炎症・解熱剤)
・ゾニサミド(抗てんかん剤)
・アジスロマイシン水和物(マクロライド系抗生物質)
・セフジニル(セフェム系製剤)
・塩酸セフカペンピボキシル(セフェム系抗生物質)
・クラリスロマイシン(マクロライド系抗生物質)
これらの医薬品はスティーブンス・ジョンソン症候群の報告数が多いとされています。ただし、注意しておかなければならないのは、報告されている医薬品はあくまで一部であり、他にもスティーブンス・ジョンソン症候群の原因となる医薬品が存在する可能性があるということです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
編集部まとめ
ここまでスティーブンス・ジョンソン症候群についてお伝えしてきました。スティーブンス・ジョンソン症候群の要点をまとめると以下の通りです。
・スティーブンス・ジョンソン症候群は重篤な疾患で粘膜にびらんが生じ、全身の皮膚に紅斑や水疱が現れる指定難病である。
・スティーブンス・ジョンソン症候群は病理組織検査・血液検査・胸部レントゲン写真やCT撮影によって診断される。
・高熱・口唇や陰部のただれ特に医薬品を服用している場合に注意が必要。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。