「失読症」の症状や原因・日常生活での対処法はご存知ですか?医師が監修!
失読症という名前を聞いたことがあるでしょうか?失読症は読み書きに困難を伴う学習障害の一つです。文字の読解や記述が困難になる状態を示します。
一部のケースでは、読み書きのスキルが平均的な能力よりも遅れるかもしれません。しかし、失読症を持つ人々が直面する困難はそれだけに留まらず、個々の状況に大きく影響を受けます。
この記事では、失読症の症状・原因・診断方法・治療方法・そして日常生活での対処法について詳しく解説します。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
失読症の症状と原因
失読症の症状を教えてください。
例えば、本を読んでもすぐに忘れてしまうことがあったり、単語のスペルを覚えるのが難しいと感じることがあったりします。時には文章を読むだけでなく、自分の考えを書き表すのも難しく感じることもあるでしょう。
しかし、早期発見や適切な対応を行う手助けになるので失読症の症状の理解を深めていくことが重要です。
ディスレクシアとの違いを教えてください。
これに対して、例えば失読症は脳の損傷、脳卒中や外傷などが原因で後天的に発症し、読書能力が損なわれる状態を指します。そして軽度の場合は文字が読めない、書けないわけではないことが多く、読み書きに時間がかかり読み間違いが多いのが特徴の1つです。
ディスレクシアと失読症は症状が似ているので対処法や治療法は同様の場合が多いです。
発症する原因を教えてください。
主な要因は脳卒中・頭部外傷・脳腫瘍などによるものです。特定の年齢や性別に偏りがあるわけではなく、どの年齢層でも、どの性別でも発症する可能性があります。
ストレスが原因で失読症になることはありますか?
例えば、ストレスが多いと、脳が上手く働くためのバランスが崩れることがあるそうです。そしてそのバランスが崩れると、文字を読んだり理解したりするのが難しくなります。
だからこそ、ストレスをうまく管理したり、リラックスする時間を作ったりすることは、失読症の症状を和らげるのに役立つでしょう。
失読症の診断と治療
失読症を疑う場合は何科を受診しますか?
もし失読症の疑いがある場合、まずは神経内科やリハビリテーション科を受診するのが適しているでしょう。失読症は脳の損傷により起こることが多く、これらの科は脳の機能障害に関する専門知識を持っています。
先天的な読み書きの障害の疑い、つまりディスレクシアの疑いがある場合には、小児科を受診するのが良いでしょう。なぜならば、小児科医は、子どもの成長と発達に関する広範な知識を持っているからです。ただし、最終的には各医療機関と相談し、最も適切な科を選択することが大切です。
どのような検査で失読症と診断されますか?
これらのテストは文章を読んだり、書いたりするときに、どれだけうまくできるかを判断するためのものです。テストの結果を総合的に考え、医者は失読症かどうかを判断します。
失読症の治療方法を教えてください。
失読症は治りますか?
つまり、失読症は治らない可能性もありますが、人の可能性を制限するものではありません。
失読症のリハビリと対処法
失読症のリハビリについて教えてください。
適切なリハビリテーションと対処法を理解し実践することで、生活の質を大きく向上させることが可能です。失読症のリハビリは主に特別教育や専門的な読み書きの指導が中心です。また、リハビリの一環としてパソコンやタブレットを用いた音声認識ソフトウェアの使用や、情報を視覚的に処理するための技術の使用が含まれます。
それぞれの人に合ったリハビリ方法を見つけることで、読み書きの能力を向上させ、生活の質を改善することが可能になるでしょう。
日常生活での失読症の対処法を教えてください。
- オーディオブックや音声認識ソフトウェアの使用を使用する
- タスクの時間管理を適切に行う
- タスクの計画を立てる
読書が困難な場合、オーディオブックや音声認識ソフトウェアの使用がおすすめです。これらは情報を視覚的ではなく聴覚的に処理するのに役立ちます。
また、失読症の人は通常よりもタスクに時間がかかることがあります。したがって、時間を適切に管理することが重要です。そして、タスクや情報を組織化し、計画を立てることも役立ちます。これは情報を理解しやすくするだけでなく、タスクを実行する上での困難さを軽減できるでしょう。
失読症で困っている場合でも、ちょっとした工夫で生活は楽になることがあります。自分に合った方法を見つけてみてください。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
編集部まとめ
ここまで、失読症について解説してきました。失読症とは、症状・原因・診断・治療そして日常生活での対処法に至るまで、様々な側面を持つ学習障害です。失読症を持つ人々は、リハビリや日常生活での対処法を行うことで、その困難を克服し、可能性を最大限に発揮することが可能です。
この記事が、失読症に対する理解を深め、その対策を見つけるための一助となったなら、これほど嬉しいことはありません。失読症は個々人の生活に影響を及ぼしますが、正しい理解と対応があれば、その困難は確実に乗り越えることができます。
参考文献