「乗り物酔い」になりやすい人の特徴や対策・対処法はご存知ですか?医師が監修!
乗り物酔いは、移動中の乗り物(自動車・船・飛行機など)に乗っている間に起こる特定の症状です。
多くの人が経験したことのある乗り物酔いですが、実際はどのような原因があるのでしょうか?
乗り物酔いの原因や対処法と対策について詳しく解説します。
乗り物酔いに対する正しい知識と適切な対処法を身につけ、快適な移動を実現しましょう。
監修医師:
五藤 良将(医師)
目次 -INDEX-
乗り物酔いの原因
乗り物酔いの原因を教えてください。
- 内耳と視覚の不一致
- 体調不良
- 閉鎖的な空気
- 不快なにおい
- 視覚と内耳の不一致
乗り物の揺れや動きにより、内耳のバランス感覚と視覚情報が一致しなくなります。また、疲れや睡眠不足などの体調不良が乗り物酔いを引き起こす要因となり、乗り物内のよどんだ空気・不快な温度・湿度が乗り物酔いを悪化させるでしょう。
更にガソリンなどの不快なにおいも乗り物酔いの要因となることがあり、乗り物内でのゲームや読書などは内耳からの情報と視覚情報に不一致を生じさせるため、乗り物酔いを引き起こす可能性があります。上記のような原因が一般的に乗り物酔いを引き起こす原因といわれています。
乗り物酔いになりやすい人の特徴は?
- 一般的に乗り物酔いは小学校入学頃からみられるようになり、高学年になるほど増える傾向
- 小学校高学年から中学生にかけて、乗り物酔いがより頻繁にみられる
- 成人になると乗り物酔いの頻度は減少する傾向がありますが、一部の成人でも乗り物酔いに悩む
また、乗り物酔いしやすい子供に関しては以下のような特徴があります。
2歳頃までの乳幼児では、乗り物酔いを生じないといわれていますが、子供の個体差により酔いやすさの差が生じるのです。子供の脳の発達・情報処理能力・体質が乗り物酔いに影響を与えます。
乗り物酔いの対処法
乗り物酔いになった際の対処法を教えてください。
- 新鮮な空気を吸う
- ラクな姿勢をとる
- 締め付けをゆるめる
- 緊張をほぐす
外の空気を吸ったり風に当たったりすることで気分転換を図ったり、シートを倒し横になったりするなどラクな姿勢をとります。またベルトや服の締めつけをゆるめることで、体の圧迫感を軽減し、おしゃべりをしたりストレッチをしたりすることで緊張をほぐしてリラックスしましょう。
これらの対処法は、乗り物酔いの症状を軽減するために役立ちます。ただし、個人によって効果が異なる場合もありますので、ご自身に合った方法を試してみることが大切です。
乗り物酔いは治療できますか?
特に、朝起き上がることが困難な場合や症状が慢性化している場合は、起立性調節障害の可能性があるでしょう。起立性調節障害は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることによって引き起こされる病気であり、めまい・立ちくらみ・倦怠感・頭痛・腹痛などさまざまな症状が現れます。
ストレスと自律神経の関係は密接であり、ストレスによって症状が悪化することが多いです。専門医に相談して適切な治療や対処法を受けましょう。
乗り物酔いがひどい場合はどこへ受診すればよいですか?
早めの相談と適切な対応は、症状の改善や日常生活の質の向上につながることがあります。
座る場所によって乗り物酔いを改善できますか?
頭部の揺れを最小限に抑えるために、あごを引いて頭を固定する姿勢を取ることが効果的です。これにより内耳のリンパ液の動きを制限し、酔いを軽減できます。
乗り物の進行方向を見ることで、乗り物の動きを予測しましょう。視覚情報と内耳の情報の一致を保つため、乗り物酔いを予防できます。進行方向が見えない場合は、遠くの景色を眺めることで視覚情報を補完しましょう。
これらの予防法を実践することで、乗り物酔いの症状を軽減できます。ただし、個人の体質や感受性によって効果は異なるため、ご自身に合った方法を見つけることが重要です。
乗り物酔いを克服するための対策
乗り物酔いを克服するための対策はありますか?
逆に、叱られたり過剰に心配されたりすると、克服が難しくなることもあります。緊張や不安から逃げるのではなく、適切な薬を使って不安を和らげ、リラックスして楽しく乗り物に乗ることで乗り物酔いを克服しましょう。
乗り物酔いに一番効果的な対策は何ですか?
乗り物酔いや車酔いの予防には、乗る直前の約30分前に酔い止めの薬を服用する方法が最も効果的です。酔い止め薬には自律神経を整えたり胃腸の過剰な動きを鎮めたりする効果があり、吐き気などの症状を軽減するのに役立ちます。
また、事前に薬を服用することで心理的な安心感も生まれ、乗り物酔いや車酔いの予防にも効果的です。
乗り物酔いを予防するにはどんな薬がありますか?
一般的に、酔い止め薬には抗ヒスタミン成分が含まれているので、嘔吐中枢への刺激や内耳前庭での自律神経反射を抑制するのです。めまいや吐き気などの症状を軽減する効果があるでしょう。
酔い止め薬は、乗り物に酔ってしまった後でも効果がありますが、乗り物酔いの予防には乗る30分から1時間前に服用するのが特に効果的です。1日1回服用の酔い止め薬を選ぶことで、効果の持続時間を長くし、効果が切れる心配を軽減できます。
服用する際には、お茶やジュースなどではなく水かぬるま湯で服用してください。なぜなら、お茶やジュースに含まれる成分が正しい効果を妨げる場合があるからです。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
車酔いしやすい人は、事前に車酔いの薬を服用することが最も効果的な対策です。車酔いの薬には眠気を引き起こさないものもあり、小さな子供でも服用できるシロップやトローチなどの薬もあります。
市販の薬の多くは、症状が出てから服用しても効果があるものが主流です。安心のために、事前に用意しておくことをおすすめします。薬局や薬剤師に相談してください。普段は車酔いしないのに、特定の日になると酔ってしまうこともあります。
車酔い対策としては、リラックスして乗車することが重要です。換気をこまめに行い・快適な空間を保つ・ボタンやベルトをきつく締めない・リクライニングの角度を心地よく調整することが良いでしょう。また、スマートフォン・読書・ゲームなどは控え・頻繁に休憩を取り・気分転換をすることが大切です。
乗り物酔いに悩んでいる人は、医療機関で相談することも有益です。克服するためには慣れが重要であり、時間をかけて少しずつ慣れていくことが大切です。乗り物酔いに悩んでいる人々には、心配や不安を抱えずに前向きに取り組むことをおすすめします。
編集部まとめ
乗り物酔いは幼いころに多くの人が経験したのではないでしょうか。
乗り物酔いの対処法や対策を通して、成功体験を積み重ねることで酔いに対する耐性を高めましょう。
酔い止めの薬を活用したり、リラックス法や目の焦点の調節をしたり、様々なテクニックを試してみることも良いでしょう。
思い出してください、乗り物酔いは克服可能なものです。前向きな姿勢と適切な対策を持って、楽しい旅行や移動を心から楽しめるようになるでしょう。