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「胃下垂」を確かめる方法・食事や日常生活で気を付けるポイントはご存知ですか?

 公開日:2023/05/22
「胃下垂」を確かめる方法・食事や日常生活で気を付けるポイントはご存知ですか?

胃下垂が原因で食欲がわかない・下腹部の張りが気になるといった症状に悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

胃下垂とは胃が下腹部あたりまで、下に長く垂れ下がっている状態をいいます。胃が通常の形ではなくなるため消化機能が低下してしまいます。

自覚症状が少なく、必ずしも病気とはいえない症状が多いため自己判断が難しいです。

しかし、場合によって治療が必要になるケースもあるため注意が必要です。

本記事では、胃下垂の症状・原因・治療法・注意点などを詳しく解説しています。胃下垂に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

胃下垂の症状

顔を覆う女性

胃下垂とはどのような状態ですか?

胃下垂とは胃を支える筋肉の劣化により、胃が下にまで垂れ下がってしまう状態です。胃を支える筋肉とは横隔膜や下腹部の腹筋に当たります。
胃下垂であるかどうかは、病院でバリウムによる胃のX線検査を受けて確認する必要があるでしょう。また痩せていることにより胃下垂になる方もいます。自覚症状が少ないため、胃下垂であるかどうかに気づかないケースが多いです。

症状を教えてください。

胃下垂の症状は胃のあたりの膨満感です。つまり、胃が張って苦しい状態になります。また膨満感とともに感じるのが胃部への腹痛です。胃が張るだけでなく悪化している可能性もあります。そのため、食欲の低下・胃のむかつき・吐き気などの症状がみられるでしょう。
しかし、胃下垂ではなく腹痛の一種ととらえてしまいがちです。自覚症状がわかりにくいため怪しいと感じたら、病院での検査を検討しましょう。

胃下垂になる原因を教えてください。

胃下垂になる原因は、先天的なものと後天的なものの2つにわかれます。先天的な原因は生まれつき筋肉量が少ない体質の人です。胃を支える筋肉が低いため、胃が垂れ下がってしまう傾向があります。
後天的な原因については、生活リズムが整っていないことです。生活リズムが乱れていると胃の動きである蠕動運動が補えず、胃下垂になってしまう恐れがあります。胃の働きと胃を支える筋肉の量は人によって変わります。
そのため、ある程度の決まった時間に食事をする中で、大食いや早食いを繰り返さないことが必要です。

胃下垂の方が太りにくいのはなぜですか?

胃下垂の方が太りにくいのは、胃の機能が低下しているため栄養が吸収されにくいからです。また胃下垂はすぐに満腹感を覚えるため、食事を多くとらない傾向があり、痩せ型の人に多いです。
さらに、胃下垂の状態になると下痢や便秘などの症状が増え、体は痩せていきます。ただし、胃下垂の人は元々痩せていることが比較的多いため、必ずしも太りにくいわけではありません。

自分で胃下垂かどうか確かめる方法はありますか?

自分で胃下垂かどうかを確認する方法は、下腹部が食後に膨らんでいるかどうかで確認できます。胃下垂は胃が下腹部にまで垂れ下がる状態であるため、食後には下腹部当たりが膨らむのが特徴です。そのため、腹部に膨満感を覚えることも一つの確認方法になります。
また、食べる量が通常の量より少なくても満腹感を覚えるようになったら、胃下垂かどうかを疑う必要があるでしょう。胃痛や胃もたれ単体では胃下垂かどうかを見極めるのは難しいです。しかし、上記の条件にくわえて胃痛や胃もたれの症状が表れた場合は胃下垂の可能性が高くなります。
胃下垂は病気ではないため、どうしても判断が難しいです。そのため、病院での検査を怠りがちになりますが、胃下垂にとどまらず他の病気の可能性もあるでしょう。症状が悪化しないためにも、自己診断はしっかりとすることが大切です。

胃下垂の治療

診察する医師

胃下垂はどのように診断されますか?

胃下垂はレントゲンで検査され、胃の下端部分がおへそより下に垂れ下がる状態かどうかを確認します。レントゲンで内部を撮るためにバリウムを飲んで内部を造影します。バリウムであれば検査を受ける人への負担は少ないですが、何らかの異常があった場合には胃カメラでより詳しく診断する必要があるでしょう。
胃カメラは直接的に、口または鼻から内視鏡を入れていき、胃の内部を検査する方法です。バリウムより具体的に胃の内部を検査できますが、検査を受ける人への負担が高くなります。麻酔をして挿入しますが、胃カメラに抵抗がある方は、まずはバリウムでの検査をおすすめします。

胃下垂は治療が必要でしょうか?

胃下垂は病気ではないため、治療する必要はないでしょう。しかし、食欲がわかず膨満感や腹痛がもとで日常に支障をきたすようであれば改善が必要になります。また、胃下垂にくわえて胃下垂よりも胃が垂れ下がった状態の胃アトニーという症状もあります。
胃アトニーは胃下垂よりも胃の筋肉の働きが低下している状態です。さらに胃アトニーから胃炎と症状が進んだ場合、治療が必要になります。胃炎は胃の粘膜に炎症が起こっている状態で、胃炎からさらなる病気にも発展する恐れがあるため注意が必要です。

治療する場合はどのような方法がありますか?

胃下垂を治療する場合は胃の蠕動運動と胃を支える筋肉の強化の2つです。胃の働きの劣化を改善するために、バランスの取れた食事を取るようにしましょう。暴飲暴食や早食いをしないようにし、なるべく咀嚼して食べるようにしてください。
また偏った栄養バランスや深夜での食事もさけて、規則正しい食生活をおくることで改善していく可能性が高まります。また胃を支える筋肉は腹式呼吸をすることで横隔膜を鍛えられます。
また、表面の腹筋を鍛えるだけではなく、内部の腹筋であるインナーマッスルも鍛えると良いでしょう。姿勢を良くすることで胃の働きを改善し、下腹部のぽっこりお腹を改善する効果も期待できます。

胃下垂の注意点

医師

胃下垂の方が食事で注意することを教えてください。

胃下垂の方が食事で注意することは、消化の良いものを食べることです。胃下垂で消化不良に陥っていることが多いためで、おかゆ・うどん・豆腐などを食べると良いでしょう。
また満腹感を覚えて食事の量が減るため、栄養価が高いものを食事回数を増やして食べることをおすすめします。栄養価の高いものは納豆・ブロッコリー・ヨーグルトなどです。カフェインを含むコーヒーやアルコール入りのお酒などは刺激物にあたるためなるべく避けた方が良いでしょう。
正常な胃の状態に回復するまでの間は、栄養価や刺激物に注意して食事を取るようにしましょう。

胃下垂を改善するために日常生活で気をつけることはありますか?

胃下垂を改善するために日常生活で気をつけることは2つあります。一つ目は、姿勢を正しくすることです。パソコン作業をする人は猫背になりやすい傾向にあります。また、スマホが普及してからは首を曲げることが多く、パソコン同様に猫背になりやすいです。正しい姿勢を保つことで猫背を直し、胃への圧迫を防げるでしょう。
二つ目は、ストレスをためこまないことです。リフレッシュする方法を自分なりにみつけて適宜行うようにしましょう。ストレスは心理的要因にも影響がでてくるため、気をつける必要があります。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

日本人は胃腸が弱い体質にあります。その影響の一つに胃下垂があり、レントゲンで見た胃は通常の胃の状態とは異なっています。しかし、自覚症状のないことが多く、胃腸が悪いとひとくくりで考えてしまいがちです。
そうならないように、症状をしっかりと確認し、原因をつきとめ、正しく対処していくことが大事でしょう。規則正しい生活を送れるようになれば胃下垂に悩むことも少なくなりますので、本記事を参考に改善していきましょう。

編集部まとめ

医師
本記事では胃下垂の症状や原因・治療方法・注意点について解説しました。

胃下垂は病気ではありませんが、症状が激しくなると胃腸の機能が低下していきます。その結果、栄養が十分に取れず胃に関わる何らかの病気になってしまうかもしれません。

胃下垂は大きな自覚症状はありませんが、早期に発見し治療するに越したことはありません。

そのため、以下の症状がみられる方は病院での診察を検討しましょう。

  • 食欲の低下
  • 小食での満腹感
  • 食後の下腹部の張り
  • 腹痛
  • 吐き気やげっぷ

本記事を参考に胃下垂についての知識を深めていただき、しっかりと対処できるようになってもらえたら幸いです。

この記事の監修医師