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「おむつかぶれ」の症状・原因・予防方法はご存知ですか?医師が監修!

 公開日:2023/05/06
「おむつかぶれ」の症状・原因・予防方法はご存知ですか?医師が監修!

おむつかぶれが生じると、おむつを着用している部位の皮膚に炎症が起きます。育児中の方や介護中の方などおむつかぶれに悩まされている方は多いのではないでしょうか。

本記事では、おむつかぶれの症状をはじめ、原因や治療方法などについて詳しく解説しています。また、混同されやすいカンジダ皮膚炎についても紹介しています。

おむつかぶれについての正しい知識を身につければ、予防や早期治療に取り組むことが可能です。まずは知識を身につけて、適切な対処を行えるようにしましょう。

おむつかぶれに悩んでいる方は、ぜひ本記事をご一読ください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

プロフィールをもっと見る
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

おむつかぶれの症状

おむつをはいてハイハイする赤ちゃん

おむつかぶれはどのような症状でしょうか?

おむつかぶれは、おむつを着用している部位の皮膚に炎症が起きることをいいます。現れる症状としては、皮膚の赤みやぶつぶつなどの湿疹病変が挙げられます。
また、皮膚がカサカサすることも症状の1つです。症状が悪化すると、皮膚がただれたようになります。
おむつかぶれが起きやすいのは、肛門のまわり・足の付け根などです。かぶれが生じた場合はできるだけ早く治療を行うことが大切なので、おむつ交換をする際には病変が生じていないかをチェックするようにしましょう。

赤ちゃんだけでなく、大人でもみられるのですね。

おむつかぶれは、乳幼児が発症するケースが多いです。しかし、おむつを着用していれば、大人でも発症する可能性があります。
特に、介護が必要な高齢者が発症する場合が多いです。「赤ちゃんが発症するものだから」と油断せず、大人でもおむつを使用しているのであれば、おむつかぶれへの対策を行うことが大切です。

何が原因でかぶれるのか教えてください。

おむつかぶれは、おむつが濡れていることによって生じます。おむつが濡れる原因は、おむつの蒸れや排尿・排便などです。
おむつが濡れていると接している皮膚がふやけ、刺激に弱くなります。また、尿に含まれるアンモニアや、便中にある酵素類も皮膚を刺激に弱くさせる要因です。
このように、皮膚が傷つきやすい状態になることによって、おむつかぶれは発症します。排尿・排便されたおむつを放置していると、かぶれが生じやすいです。下痢の状態にあるときには、さらに発症しやすくなります。

おむつかぶれとカンジダ皮膚炎の違いを教えてください。

おむつかぶれによく似た病気として、カンジダ皮膚炎が挙げられます。おむつを着用している部位の皮膚に炎症が起きることは同じですが、かぶれとは異なる特性をもつ病気です。
この病気は、「カンジダ」という真菌に感染することで発症します。カンジダは消化管内に常在しており、便とともに体外に排泄されます。皮膚が健康な状態であれば感染することはほとんどありませんが、おむつの蒸れなどによって皮膚が刺激に弱い状態になっていると、感染する可能性が高いです。
この病気になると、股や臀部などの皮膚にただれが生じます。おむつかぶれとは異なり、おむつに触れにくい皮膚のしわなどの部分にも病変が強くみられることが特徴です。
カンジダ皮膚炎は、真菌検査によって鑑別できます。おむつかぶれとカンジダ皮膚炎は治療方法が異なるので、医療機関で検査を受けるようにしましょう。医師の診断を受け、病気に適した治療を行うことが大切です。

おむつかぶれの受診するタイミング

赤ちゃんのお世話をする女性

おむつかぶれで受診するタイミングを教えてください。

おむつかぶれが疑われた場合、できるだけ早めに医療機関を受診することがおすすめです。かぶれを放置していると症状が悪化し、治りにくくなってしまう可能性があります。
また、おむつかぶれとカンジダ皮膚炎は、専門の知識のない方には判別が難しいです。おむつかぶれだと自己判断しても、実際にはカンジダ皮膚炎だったというケースもあります。
自己判断して適切でない対処を行ってしまうと、炎症が治らないどころか却って悪化してしまう可能性もあります。炎症がみられたらまずは医療機関を受診して、医師の指示を受けたうえで適切な治療を行うようにしましょう。

何科を受診すれば良いでしょうか?

かぶれを確認したら、皮膚科を受診しましょう。乳幼児が発症した場合は、かかりつけの産科や小児科に相談してみることもおすすめです。カンジダ皮膚炎の心配がある場合は検査を受けて、鑑別をつけるようにしてください。

おむつかぶれの治療方法を教えてください。

治療の際は、おむつの着用部位を清潔にした後に、おむつかぶれ用の軟膏を塗布します。これによって皮膚が保護され、炎症が起きにくくなります。ときどきおむつを外して外気にふれさせると早く治りやすいです。
通常の軟膏でかぶれがなかなか治らない場合は、ステロイドを配合した塗り薬を使用するケースもあります。
ただし、ステロイドはカンジダ皮膚炎には使用してはいけません。カンジダ皮膚炎の治療には、抗真菌剤の使用が有効です。誤って使用することがないように、医師の指示のもとで適切な治療を行いましょう。

おむつかぶれはどのくらいで完治しますか?

適切な治療を施せば1週間ほどで完治します。
症状がなかなか良くならない場合は、医師に相談してみましょう。薬などの治療方法を変えることで、症状が治まる可能性があります。早く治すためには、病状に適した治療を行うことが大切です。

おむつかぶれの予防方法

積まれたおむつ

おむつかぶれは市販の薬を使用しても良いでしょうか?

おむつかぶれ用の軟膏は、市販のものもあります。市販の薬であっても、炎症が良くなる可能性はあります。
ただし、薬が合わなければ、なかなか症状は改善されません。場合によっては、トラブルが起きてしまうリスクもあるでしょう。安心して治療を受けたいのであれば、医師のアドバイスを受けることがおすすめです。
また、市販薬の中にはステロイドが配合されているものもあります。おむつかぶれに有効とされますが、使用には不安を感じてしまう方もいるでしょう。その際に、医師から薬の説明が受けられれば安心して使用できます。

おむつかぶれを予防する方法を教えてください。

おむつかぶれを予防するためには、おむつを清潔に保つことが必要です。おむつが濡れたら、できるだけすぐに交換するようにしましょう。
特に下痢の場合は、かぶれが生じやすいです。頻繁におむつを交換し、お尻をシャワーで洗ったりお湯に浸したやわらかい布でぬぐったりして清潔にするように心がけてください。入浴時には、おむつの着用部位を優しく丁寧に洗うようにします。
治療に用いられる軟膏は、予防にも効果的です。必要に応じて塗布するようにしましょう。
また、おむつの選び方も重要です。柔らかく、通気性の良いおむつを選びましょう。「布おむつよりも紙おむつの方がかぶれにくい」といわれることもありますが、頻繁に交換するのであれば差はありません。ただし、ごわごわした布おむつはかぶれを起こしやすいので注意が必要です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

おむつかぶれは予防が可能です。適切な予防方法を実施すれば、かぶれが生じる可能性が低くなります。
しかし、予防を行っていても、おむつかぶれが起きてしまうことはあるでしょう。その場合は、早めに治療を行うことが大切です。おむつかぶれを放置していると、症状が進行して治りにくくなります。
また、皮膚が傷つきやすくなるため、治療後に他の皮膚病にかかってしまう可能性も高くなります。カンジダに感染してカンジダ皮膚炎になってしまう場合もあるでしょう。そのような事態を避けるために、おむつかぶれが疑われた場合は早めに医療機関を受診してください。適切な治療を受けて、炎症の早期回復を目指しましょう。

編集部まとめ

笑顔の赤ちゃん
おむつかぶれは、おむつの着用部位の皮膚に炎症が起きていることを指します。皮膚の赤みやぶつぶつが生じ、悪化するとただれたような病変がみられます。

カンジダ皮膚炎は、おむつかぶれとは異なる病気です。症状は似ていますが治療方法が異なるため、医師の診断を受けて適切な治療を行うことが重要になります。

炎症が起きる原因として、おむつの蒸れや尿・便のある状態で放置していることなどが挙げられます。これらの原因に対して正しい対処を行えば、オムツかぶれの予防が可能です。

おむつの定期的な交換や入浴などで、着用部位は清潔に保つように心がけましょう。しかし、予防をしていてもかぶれなどが生じてしまう可能性はあります。

おむつかぶれが疑われた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。医師の指導を受けて、病状に適した方法で治療を行うようにしてください。

この記事の監修医師