「内反小趾」の症状・原因・治療方法はご存知ですか?医師が監修!
内反小趾といえば外反母趾と同じく多くの方が抱える足の変形です。
足の小指が内側に曲がる、比較的女性に多い症状ですが、酷くなると歩行にも影響を及ぼす恐れがある内反小趾です。
しかし特に治療することなく放置されている方が多いでしょう。長く放置していると歩行だけでなく、身体のバランスにも影響を及ぼす恐れもあります。
内反小趾はどのようにして起こり、診療科や治療方法はどのようなものなのでしょうか。原因や対処法など詳しくご紹介してきます。
監修医師:
郷 正憲(徳島赤十字病院)
目次 -INDEX-
内反小趾の症状と原因
内反小趾の症状を教えてください。
小指が曲がることで足の指先に力が入らず、段々と姿勢が悪くなりスタイルにも影響します。さらに足の形の見栄えが悪くなるだけでなく腰が痛くなったりや膝が痛くなったりすることで、日々の生活に支障が出てくることもあるのです。
どのような痛みがあるのでしょうか?
小指が上手く使えていないので足のアーチが崩れ、偏平足などの原因になることもあります。いつの間にかタコやウオノメができて歩くだけで傷むのはそういう理由です。
足の指の形だけでなく、歩き方自体も不安定になることから腰が痛くなったり膝が痛くなったりする原因にもなるので、できるだけ早い対処が必要でしょう。
発症する原因は何でしょうか?
- パンプスなどのキツイ靴を履くことで、足の指が靴先に押し込まれる。
- かかとの高い靴を履くことで指先に体重がのしかかる。
- 締め付けの強いストッキングを履いている。
- ゆるすぎる靴を履いている。
- ガニ股・内股・O脚により足の小指側に体重がかかっている。
- 子供の場合は成長に合った靴を履いていない。
以上のように足に合っていないキツイ靴を履くことで起こることが多く、内反小趾が女性に多いといわれるのはそのためです。
逆に緩すぎる靴は足が靴の中で安定せず、ズレて足の指のどこかに負荷がかかることになります。それが親指の場合は外反母趾、小指だった場合には内反小趾になるのです。
子供が発症することもあるのでしょうか?
逆に成長しても、いつまでも小さくなった靴を履き続けていることでも発症します。どうしても同じサイズの靴を履いている期間が短いため、親としては子供に長く靴を履いてもらいたいと考えますし、子供自身がキツイ靴に慣れてしまって全く気にしていないこともあるのです。いずれにせよ子供の足の成長にはよくありません。
せめて大き目の靴の時は中敷きなどを使用し、靴の中で足が動かないようにすることが重要です。お母さんも子供の足や靴の様子を時々チェックして、小さくなっていたら早く買い換えるようにしてください。
内反小趾の受診と治療
内反小趾を疑う場合は何科を受診しますか?
その後に足のレントゲンを撮り、足の骨の曲がり具合や身体の重心がどこにあるかなどを計り細かく身体のバランスを診ていきます。ごくまれに骨そのものの異常や先天性の病気が隠れていることもあります。
その場合は必要に応じて遺伝子検査を行うことがあることを覚えておいてください。しかしほとんどは靴など後天的な理由による足の変形です。
治療方法を教えてください。
シューストレッチャーとは靴の幅を専用の工具で押し広げるものです。靴の専門店に依頼するのが一番いいですが、市販で工具も売っていて自分で足が当たるところを広げられます。靴にあたる骨の部分に痛みが出ないように足用のパットを貼るなど歩きやすい状況を作ることも優先されます。慢性的に痛みがあり歩くのも辛い場合は、薬やテーピングが有効です。
オーダーメイドで自分の足に合ったインソールを購入するのもいいでしょう。オーダーのインソールは他の靴にも使えるので、1つ作っておくのもいいかもしれません。しかし重症の内反小趾である場合は、手術をするという方法もとられます。ただ足の小指の骨は小さく柔らかいため、難しい手術となりますので、慣れた医師を探されるか、詳しい医師を紹介してもらうのもいいでしょう。
かなり痛みが強く、歩くのも困難な場合にご本人の希望により実施されます。ダンサーなど足が大切な職業の方の場合は、早い段階で手術を希望される方もいます。手術は足の指の付け根の骨を切り、正しい位置にずらして固定する方法です。
治療期間はどのくらいでしょうか?
自分でできるケアはありますか?
内反小趾の予後
内反小趾は完治するのでしょうか?
まずは合わないキツイ靴を避けて、足に痛みが出ないようにしてください。そして適度な運動をして筋肉を付けることも重要です。
自然治癒するのでしょうか?
放置するリスクを教えてください。
毎日の生活の中でストレッチや歩き方を改善して、楽しく楽に過ごせるように心がけていきましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
少し我慢をすればと無理をしているともっと症状が悪化し、そのうち歩くことも辛くなるでしょう。足の指の痛みを軽視せず早めに対処されることをおすすめします。
編集部まとめ
内反小趾の症状についてご紹介してきました。変形しやすい足の小指に負荷をかけ続けることで、姿勢が悪くなるだけでなく腰の痛みや歩くことにまで影響を及ぼします。
幅のあるゆったりとした靴でもおしゃれなものがありますので、まずはご自身の体調を優先して靴選びをし、健康的に過ごしてください。
参考文献