「尋常性ざ瘡(ニキビ)」の原因は?治療やケア方法について医師が解説!
尋常性ざ瘡とはニキビのことです。ニキビは小・中学生の頃からできる方や大人になってからできる方、男女問わずニキビができる方は非常に多いです。
ニキビが酷くなるとニキビ跡がなかなか消えなかったりクレーターができたりするので、酷くなる前に治療やケアをすることが大切になってきます。
今回は尋常性ざ瘡(ニキビ)のお悩みを少しでも解決できるように、日常生活でできるケア方法から病院での治療法などニキビについて詳しくご説明していきます。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
尋常性ざ瘡(ニキビ)の原因と種類
尋常性ざ瘡(ニキビ)とはどんな病気ですか?
日本では90%以上の方が経験するので一度はニキビで悩んだことがある方も多いのではないでしょうか。誰にでもおこる症状で軽視されやすいためニキビが酷くなったら病院を受診する方が多いので、ニキビ跡やニキビがなかなか治らないというような悩みを持つ方が多くいます。
顔にできる方が多いですが顔だけではなく首やデコルテ・背中にもできることがあります。
尋常性ざ瘡(ニキビ)の原因は?
尋常性ざ瘡(ニキビ)にはどんな種類がありますか?
- 閉鎖面皰・白ニキビ(毛穴が閉じている面皰)
- 開放面皰・黒ニキビ(毛穴が開いている面皰)
- 紅色丘疹・赤ニキビ(面皰が炎症を起こす)
- 膿疱・黄ニキビ(炎症がさらに悪化し膿がたまる)
主にニキビにはこの4つの種類があり、ニキビの炎症がさらに酷くなると嚢腫や硬結・結節になることもあります。
尋常性ざ瘡(ニキビ)になりやすい人はどんな人ですか?
尋常性ざ瘡(ニキビ)の症状や治療方法
尋常性ざ瘡(ニキビ)症状は?
その後詰まった皮脂にアクネ菌が増殖し毛穴に炎症(赤ニキビ)がおきます。炎症が酷くなると毛穴に膿がたまり(黄ニキビ)、ニキビが潰れるとその膿がでてきます。
さらに炎症が酷くなると皮膚の下に膿がたまった袋(嚢腫)ができたり、触ると硬いしこりのようなもの(硬結)ができたりする場合も少なくありません。ニキビの重症度はニキビの数によって4段階に分けられます。
- 軽傷:片顔に炎症性ニキビが5個以下
- 中等症:片顔に炎症性ニキビが6個以上20個以下
- 重症:片顔に炎症性ニキビが21個以上50個以下
- 最重症:片顔に炎症性ニキビが51個以上
ニキビは酷くなればなるほど後にニキビ跡になってシミやクレーターに繋がることが多いです。
尋常性ざ瘡(ニキビ)の治療方法は?
ニキビの原因や症状によって処方される薬も違い、保険適用外の治療もありますので医師と相談して自分に合った治療法をみつけると良いでしょう。
どのような薬が処方されますか?
飲み薬には内服抗菌薬が処方されることが多く、ビタミン剤を処方される方も多いです。塗り薬と飲み薬を併用するとより効果的になります。
尋常性ざ瘡(ニキビ)の予後と予防
跡が残ってしまった場合の治療法は?
その他にはPRP治療もニキビ跡の改善が期待できます。
PRPとは自分の血液を抽出しそれを血液成分分離機で遠心力を利用して血液中の血小板を取り出し、それをまた肌に戻してニキビ跡を治療する方法です。自分の血液を使うので副作用が少なく、ニキビ跡だけではなくシワやタルミなど改善に繋がることもあります。
予防のために普段の生活で気を付けるべきことは?
またストレスを強く感じると悪化してしまったり、食生活で高カロリーのものや脂っこいものを食べるとニキビができたりする方も多いので注意が必要です。思春期はホルモンバランスなどの関係で皮脂の分泌が過剰になることが原因でニキビができやすいので、その日の汚れをその日のうちに落とすことが大事になります。
大人になってからできるニキビは乾燥が原因の方も多いです。乾燥すると肌は乾燥を防ぐために皮脂を過剰に出すようになります。そのため毛穴が皮脂で詰まりニキビに繋がるので、肌がベタつくけど乾燥している方は化粧水などでお肌に水分を与えることが非常に大切です。
ニキビができる原因はさまざまなので自分でニキビができた時のパターンを記憶しておくと予防もしやすいでしょう。
尋常性ざ瘡(ニキビ)のケア方法を教えてください。
またメイク用品も低刺激のものが良いと思います。メイクをしたらクレンジングと洗顔でしっかり汚れを落としてからお肌に化粧水やクリームなどでたっぷり保湿をして乾燥しないようにすることが大切です。
ニキビができる方は油分が多いからあまり保湿はしないという方もみえますが乾燥すると自分の皮脂分泌が増えてしまうのでニキビの悪化に繋がってしまうので注意しましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
ニキビができないように自分でできるケアは多くあります。いつもより早く寝るようにする、お風呂にゆっくり浸かる、洗顔をする時洗顔料をしっかり泡立てるなど少しずつ気をつけることでお肌に変化がでてくると思います。ニキビは治療をしながらコツコツとケアをしていくことで改善していくことが多いです。
編集部まとめ
今回は尋常性ざ瘡(ニキビ)について詳しく説明しました。ニキビには10代の時からできる思春期ニキビと20代の時からできる大人ニキビの2種類があります。この二つはニキビができる原因が違ってきます。
しかしどちらも洗顔を正しくしたり、睡眠をしっかりとったり、バランスの良い食事をすることでニキビのケアをしていくことが大事です。
その他にもストレスをためないことやリラックスする時間を作ることもニキビを作らないためには必要となります。
またニキビ跡が残るとシミやクレーターの原因になってしまい将来の肌悩みに繋がる可能性もあります。ニキビができても触らず、洗顔などでしっかり汚れを落として保湿をすることがおすすめです。
ニキビに悩んだら皮膚科などを受診し、医師と相談しながら自分に合う治療法をみつけることがニキビを改善させる近道です。
また普段から正しいケアをすることや生活習慣に気をつけることでニキビができても長引かず治りやすい体質にすることを心がけると良いでしょう。