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「インフルエンザ」に感染すると現れる症状はご存知ですか?対処法も解説!

 更新日:2023/03/27
「インフルエンザ」に感染すると現れる症状はご存知ですか?対処法も解説!

インフルエンザに感染すると、どのような症状が体に現れるのかを知っていますか?この記事では、インフルエンザで現れる体の変化やリスクを解説しています。

通常の風邪との見分け方も詳しく解説しているため、体の不調を感じたときの参考にすることも可能です。

予防として知識を深めておきたい人や、かかったときの対処法を頭に入れておきたい人は、ぜひチェックしてみてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

インフルエンザの症状と原因

マスクを着けた女性

インフルエンザに感染した場合、どのような症状が出ますか?

インフルエンザにかかると38℃を超える熱や頭痛関節の痛みや筋肉痛の症状が現れます。このほかにも咽頭の痛みや鼻水、咳の症状が現れ、風邪に比べると症状が重いです。また熱の上がり方に特徴があります。
風邪は比較的ゆっくりと体温が上昇するのに対し、インフルエンザは急激に体温が上昇するのが特徴です。風邪の症状では現れにくい関節痛や筋肉痛に加えて、寒気の症状も現れます。

インフルエンザは何が原因で感染するのでしょうか?

飛沫や接触によってウイルスが体の中に侵入することでかかります。飛沫感染は相手の咳やくしゃみを体内に吸い込んだときの感染、接触感染はつばや鼻水に触れた手で物に触り、他の人の手につばや鼻水が移ったときの感染です。
しかし、相手の手に触れたから感染するわけではありません。つばや鼻水が触れた手で目・鼻・口など粘膜がある部分を触ることで感染します。物を触った後は、手洗いやアルコール消毒をするように心がけましょう。

インフルエンザは冬に感染しやすいイメージがありますが、夏でも感染するのでしょうか?

冬に感染者が増えるイメージがありますが、夏場は流行しないだけであって感染しないわけではありません。ウイルスは温度が低く、空気が乾燥した時期を好みます。そのため、温度が低く乾燥している冬はウイルスが活動しやすい環境なのです。
一方で夏は気温が高く冬に比べて乾燥はしていません。しかしエアコンを使うことで室内が乾燥したり、夏バテで免疫力が低下していたりする場合は感染する可能性もあります。

インフルエンザによるリスクと風邪との見分け方

頭痛に悩む女性

インフルエンザにはどのようなリスクがありますか?

インフルエンザは免疫力の落ちた人や持病を持っている人にとって非常にリスクが高く、重症化したり合併症を引き起こしたりする危険があります。免疫力が十分にある状態だと重症化しにくいですが、高齢者や持病持ちの人同様に油断をしないようにしましょう。手洗い・うがい・人ごみを避けるなどをして、感染しないように予防を徹底することが必要です。
また、がん患者さんが感染した場合も重症化する可能性が高くなります。がん患者さんの場合は症状が重症化するリスクだけでなく、がんの治療にも影響を及ぼす可能性があり非常に危険です。常日頃からの感染予防を徹底するようにしましょう。

よく子供の感染でインフルエンザ脳炎・脳症というものを聞くのですが…。

インフルエンザ脳炎や脳症は主に1才〜5才の子供に発症します。以前よりは脳炎・脳症の症状がみられることが少なくなりましたが、全く発症しなくなったかといわれれば、そうとはいい切れません。脳炎と脳症はどちらもハイリスクで、似た症状を持っていますが、脳症のほうが症状が重いです。
インフルエンザの感染によって、脳が腫れたり脳の圧が高くなったりして痙攣や意識障害の症状が出るほか、より重症化すると命に関わるケースもあります。

インフルエンザは子供や高齢者の方でなくても死に至ることはあるのでしょうか?

子供や高齢者の方でなくても、死に至ることがあります。特に免疫力の低い子供や高齢者は重症化しやすく、命に関わるケースが多いです。しかし子供や高齢者以外の年代の方でも、基礎疾患があったり免疫力や体力が落ちている方であれば、命に関わったりする可能性は十分に考えられます。少しの体調の変化で症状の度合いが変わるため、体調の管理に気を付けましょう。

インフルエンザと通常の風邪の見分け方があれば教えてください。

風邪であればたいていの場合、38℃を超える熱は出ず37℃台の微熱でおさまるものの、インフルエンザになると38℃を超える高い熱が出ます。ほかにも風邪と違って筋肉痛や関節痛の症状も現れ、頭痛の症状が出るのもインフルエンザの特徴です。
またインフルエンザの種類は1種類ではなく、いくつか種類があって、年々中身が変わりつつあります。毎年流行しているような「A型」「B型」等の「季節性インフルエンザ」と違い、多くの人が免疫を持っていない「新型インフルエンザ」が流行すると、多くの人々に感染する恐れがあり危険です。
毎年のように流行する「A型インフルエンザ」の中には、亜型が多く存在します。一度かかったことがあっても、変異の仕方によっては過去の免疫が効かない場合もあることを覚えておきましょう。

インフルエンザの治療と感染した際の対処法

風邪をひいた女性

インフルエンザを疑う場合、受診する際にすることはありますか?

発熱がみられ、受診をしようとしている場合は必ず病院に連絡を入れてから行くようにしましょう。発熱の症状がある場合は、入り口や診療時間が通常と異なる場合もあるからです。またインフルエンザのほかに、肺炎などの可能性もあります。新型コロナウイルス感染との合併の可能性もあるため、早めの受診を心がけましょう。
しかしインフルエンザの検査は、初期症状がみられてから12時間以降の48時間以内が適切とされています。あまりにも早く検査した場合、偽陰性が出る可能性もあることを覚えておきましょう。万が一検査が遅すぎた場合は、ほかの症状の早期発見ができないほか、薬の効果も十分に発揮できません。そうならないためにも、早めの受診が必要です。

インフルエンザは薬の服用以外の治療方法はあるのでしょうか?

重症化を防ぐために薬が有効とされていますが、薬を飲まずに自然に治すことも可能です。薬の服用以外の方法としては、外出を避け、家で安静にしていることやこまめに水分をとること、熱がある場合は頸動脈が触れる首や太ももの付け根を冷やす方法があります。
また、栄養バランスの整った胃に負担をかけない消化の良い食事をとることも回復に向けて重要です。適した処置をしていないとぶり返しや、完治までの期間が長くなる問題も発生することを覚えておきましょう。

家族がインフルエンザに感染した場合の対処法を教えてください。

家庭内に感染者がいる場合は、家庭内感染の可能性が高まります。食事の際は時間帯をずらしたり部屋を別々にしたりなど、接触する機会をなるべく少なくし、感染経路を断つようにしましょう。またこまめな換気や空気を乾燥させないように加湿器・濡れタオルの使用も家庭内感染の対策になります。
ほかにも自身の免疫力を上げることや、事前にインフルエンザワクチンの予防接種を受けておくことも有効的です。家庭内感染は対処法によっては防ぐことができます。家族全員がかからないように徹底した対処法を取り入れましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

夏場は冬に比べると感染者が少なくなりますが、流行を迎えると一気に感染者が増加します。免疫力や体力、体調によっては重症化してしまい、体に大きな負担をかけるリスクがあり油断はできません。インフルエンザの感染を疑う場合はすぐに医師へ相談し、感染を確認した場合は不要な外出を避け、ゆっくり体を休めて回復するために努めましょう。

編集部まとめ

手のアルコール消毒
インフルエンザウイルスは身近に潜むウイルスで、特に気温が低く、空気が乾燥している冬に感染率が高くなります。

ウイルスが活動しやすい環境条件を把握しておき、生活環境内はウイルスが活動しやすい空間になっていないか都度確認してみましょう。

また流行に乗らないように、感染症対策として手洗いやうがいも有効です。

感染者が増える時期やそれ以外の時期に、自身の身を守るためにもアルコール消毒室内の換気・加湿等の対策や予防を習慣に取り入れていきましょう。

この記事の監修医師