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「点状出血(皮膚に赤や紫の点)」ができる原因はご存知ですか?【医師監修】

 更新日:2023/03/27
「点状出血(皮膚に赤や紫の点)」ができる原因はご存知ですか?【医師監修】

点状出血は赤や紫の点が体に出る症状をいい、細い血管が破れて内出血した血が、点になって皮膚にあらわれます。

点状出血は皮膚を強くこすったり、打撲や捻挫などケガによってあらわれるため、体に出てもあまり気にならない人もいるでしょう。

しかし、ケガした記憶がない箇所に突然点状出血が出ることもあります。

実は点状出血はさまざまな病気の症状として出ることがあり、血小板の減少など血液に関する病気にかかっている可能性もあります。

もし、点状出血の原因が止血機能の低下にあるのなら、放置すると病気が進行して重症化するかもしれません。

点状出血はどんな原因でも症状は同じですから、ケガした記憶がない箇所に点状出血が出た場合、万が一に備えて早めに検査を受けに行きましょう。

今回は点状出血の症状を紹介するとともに、治療方法や原因や検査・注意点など点状出血について詳しく解説します。

もし体に赤い点が出てきたら、体からの「異常を伝えるサイン」かもしれないので、ぜひ参考にしてください。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

点状出血とは?

手の点状出血

点状出血がどのような病気なのか知りたいです。

  • 点状出血とは、皮膚に赤や紫の点が出る症状をいいます。皮膚に出てくる点は毛細血管が破れて出血したのが原因で、内出血の1つと考えてもらえばいいでしょう。点状出血はお子さんから大人まで幅広く発生します。
  • お子さんの場合、顔が真っ赤になるくらい大泣きした時に目の周りにできることがあります。しかし、泣いた後に目の周りにできる点状出血は、血管の圧力が高まってできるもののため、大きな病気ではありません。しかし、大人が点状出血した場合、顔だけでなく手や足などに赤や紫の点が出てきます。
  • 体中に点状出血が発生した場合、血液関連の病気にかかった可能性があるため、早めに受診しましょう。

関連する病気が多いのですね…。

  • 点状出血は、さまざまな病気の症状として発生します。具体的には以下の病気の症状の1つに点状出血が挙げられます。
  • 色素性紫斑病
  • 血友病
  • 白血病
  • 脾梗塞
  • 免疫性血小板減少性紫斑病
  • 血管炎症候群
  • クッシング症候群
  • フォンウィルブランド病
  • シェーグレン症候群
  • アレルギー血管炎
  • 点状出血が出たころは特に痛みも感じないため、つい放置してしまいがちです。点状出血を放置すると、運動や入浴中にかゆみを感じたり、発熱することもあります。
  • 点状出血は、打撲などケガをした時に発生しますが、ケガした記憶がない箇所に点状出血が発生したら、上で挙げた病気にかかったかもしれません。

点状出血の症状はどのようなものがありますか?

  • 一般的には「内出血」のように、皮膚に赤や紫の点が出たり、青あざや斑点が皮膚に表れます。急性の点状出血であれば時間が経てば引いていきますが、慢性の点状出血は皮膚に出た点が引きません。
  • そのまま放置すると点が出た部分にかゆみを感じるようになります。その後、むくんだり熱が出たりしますので、点状出血の引きが遅いと感じたら早めに皮膚科に行きましょう。

点状出血の原因を教えてください。

  • 点状出血の原因は大きく2つあります。1つは咳(せき)や嘔吐などによって、主に目の周りに発症します。特に小さなお子さんが泣いたり咳き込んだりすると出やすいですが、大きな病気の症状ではないため、あまり深く気にする必要はありません。
  • もう1つの原因は、血小板の減少や血小板機能の低下や血液中の凝固因子の異常による出血です。血小板が減ると出血が起こりやすくなるだけでなく血も止まりません。そのため、毛細血管からの出血が増えて点状出血となります。また、内服薬(抗凝固薬や抗血小板薬)の内服によるものが血液の疾患より頻度が高いです。

点状出血の検査と治療方法

薬

点状出血を疑う場合の受診タイミングを教えてください。

  • 次のような症状が出た時は、迷わず病院で受診しましょう。
  • 知らないうちに口の中が切れて出血していた
  • 血便・血尿が出た
  • 出血が止まらない
  • 点状出血が出た部分がかゆい
  • 点状出血はねん挫や打撲によっても発生します。点状出血を見つけたら、まずは発症した部分に外傷を負った心当たりがないか確認してください。外傷を負った心当たりがなく、上の症状が出た時は血液の病気による点状出血の可能性があります。

どのような検査を行いますか?

  • 点状出血が起きても最初は特別な検査はしません。点状出血が起きる原因は多岐にわたるため、まずは医師の診察によって外的要因(ケガが原因)か内的要因(血液の病気が原因)かを診断します。
  • 外的要因と診断されれば、治療を施すだけで特に検査を受ける必要はありません。内的要因と診断された場合、詳しい原因を調べるための検査を受けます。血液検査や骨髄検査など血液に関する検査が行われ、血小板の数や血小板機能についてチェックされます。

治療方法を教えてください。

  • 点状出血の治療は発症した原因によって変わります。外的要因による点状出血なら、塗り薬を使って治療します。ただし、1回塗っただけではすぐに出血してしまうので、症状がおさまるまで塗り続けてください。幹部にかゆみを感じる時は抗生物質を投与すると収まります。
  • アレルギーによる点状出血の時は、止血薬の内服が一般的です。
  • 点状出血が出る原因は多岐にわたり、その原因によって治療法が変わるので、医師の指示に従って治療を進めてください。

点状出血の予後と注意点

脚の点状出血

点状出血は何日くらいで治りますか?

  • 一般的な点状出血は2~3週間ほどできれいに治ります。放置しても問題ありませんが、病院に行って塗り薬などをもらって幹部に塗ればもっと早く治るでしょう。
  • 1ヶ月以上経っても点状出血が引かない場合は、血液の病気にかかった可能性があります。白血病など重い病気だった場合、治療期間が年単位になることも珍しくありません。

点状出血は再発しますか?

  • 点状出血の再発は、症状が出た原因によって可能性も確率も変わります。打撲や捻挫が原因で出た点状出血は、同じようなケガをすると再発する可能性があるでしょう。
  • アレルギー性の点状出血の場合、症状が出たり消えたりを繰り返しますが、人によっては数年にわたって再発することもあります。
  • 血小板の減少で発症した点状出血は、塗り薬などで一時的におさまっても再発する可能性が高いです。

周りの人にうつるのか知りたいです。

  • いかなる原因で発症した点状出血でも、周りの人に感染することはほとんどありません。点状出血は内出血の一種ですから、出血箇所から菌が外に出たり他人に触れられたりする心配がないからです。点状出血が出ても、人との接触を避ける必要はありません。

点状出血を放置するリスクを教えてください。

  • 点状出血が出た箇所によって放置のリスクが変わります。打撲など外的要因による点状出血は自然に治るので、放置してもリスクはほとんどありません。しかし手足に出た点状出血は血小板の減少が原因の可能性があり、放置すると脳内出血のリスクもあります。
  • 一般的な点状出血は2~3週間で消えますが、1ヶ月以上経っても点状出血が消えないなら、一度病院に行って診察を受けましょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

  • 点状出血は小さいお子さんから大人まで発症します。発症の原因はさまざまですが、大きな病気ではありませんから、適切な処置をすればすぐにきれいになるでしょう。しかし、血液や骨髄の病気にかかった時の症状の1つとして、点状出血が出ることがあります。手足に出た点状出血が気になるなら、早めに病院に行って診察を受けてください。

編集部まとめ

治癒した腕

点状出血は誰でもおこりうる症状であり、大抵は一時的なもので短期間で治ります。

しかし、一度出た点状出血がなかなか消えないのなら、もしかすると血液や骨髄の病気にかかった可能性があるので病院で診てもらいましょう。

血液や骨髄の病気は、かかってもすぐに症状は出ません。そのため病気に気づくのが遅く、気がついた時には病状がかなり進行していることも珍しくありません。

だからこそ、点状出血のような「ちょっとした体の変化」を軽く考えず、万が一の可能性を考えて行動することが大切です。

病気の早期発見のためにも、点状出血がなかなか消えないなら、早めに受診してください。

この記事の監修医師