「急性前立腺炎」になると現れる症状はご存知ですか?医師が監修!

細菌が尿道から侵入し、前立腺で繁殖することによって起こる、男性特有の尿路感染症のことを「急性前立腺炎」といいます。
細菌性の前立腺炎には急性と慢性がありますが、症状や治療方法が全く違うので注意しましょう。心配なのは、放っておくと他の病気に進展してしまう恐れがあることです。
今回は、急性前立腺炎の症状や原因、検査や治療方法などを紹介します。

監修医師:
竹内 尚史(新松戸中央総合病院)
急性前立腺炎とは
急性前立腺炎とはどのような病気でしょうか?
前立腺は、膀胱のすぐ下に位置し、膀胱に溜まった尿を排出する尿道のまわりを取り巻いています。前立腺に炎症が起こることで急な症状が発生するのが急性前立腺炎です。
急性前立腺炎の症状
急性前立腺炎はどのような症状が現れますか?
注意した方がいい症状
注意しなくてはいけない症状はありますか?
こじらせると敗血症になる
こじらせると敗血症になるとはどんな症状ですか?
悪寒戦慄(おかんせんりつ)という止めようにも止まらない非常に強い震えが起こります。気分が悪くなり意識が無くなることもあるため、高齢者の場合は命にかかわることも考えなくてはなりません。
急性前立腺炎の原因
急性前立腺炎の原因はどのようなことが考えられるでしょうか?
大腸菌などの腸内細菌が原因
大腸菌などの腸内細菌が原因とは、どのようなことがあげられますか?
また、泌尿器科的な処置の際に侵入することもあります。例えば、膀胱内視鏡検査・前立腺がん検査の前立腺生検などを受けたときです。
性感染によるものが原因
性感染によるものが原因とは、どのようなことがあげられますか?
急性前立腺炎の受診科目
急性前立腺炎が疑われる場合には、何科を受診すればいいのでしょうか
急性前立腺炎で行う検査
急性前立腺炎では、どのような検査を行いますか?
尿検査、尿培養
尿検査、尿培養とはどんな検査ですか?
さらに尿培養では、どのような細菌に感染しているのか、どの抗菌薬が効果的なのかを判断します。
直腸診
直腸診とはどんな検査ですか?
触れることで熱感を確認しますが、急性前立腺炎にかかっている場合は、前立腺を押すと痛みや激痛を生じることが多いです。症状によっては、採血検査をプラスして重症度を判定することもあります。
腹部超音波(エコー)
腹部超音波(エコー)とはどんな検査ですか?
腹部皮膚表面に超音波を発信する装置をあてて行います。きれいな画像を撮るために、装置を当てる部分にはゼリーを塗って行うため、痛みなどはありません。内臓からの反射波を装置が受け取りモニターに写します。
急性前立腺炎の性差・年齢差など
急性前立腺炎では、性差・年齢差がありますか?
前立腺肥大症や、尿道カテーテルを常時置いている高齢者にも急性前立腺炎の症状が認められるときがあります。
急性前立腺炎の治療方法
急性前立腺炎にはどのような治療方法がありますか?
抗生物質を投与
抗生物質を投与するとは、どのような治療ですか?
症状を和らげる薬の投与
症状を和らげる薬の投与とは、どのような治療ですか?
重症では入院が必要
重症では入院が必要とは、どのような治療ですか?
数週間、前立腺の組織に浸透する抗菌薬などの治療を行い、前立腺膿瘍がある場合は、膿を排除する外科的な処置が必要です。
編集部まとめ
急性前立腺炎は感染症です。男性の尿道は、肛門から離れているため、大腸菌などの菌が尿道から侵入する頻度は女性に比べて比較的少ないといわれています。しかし、細菌に対する抵抗力が落ちていると感染を起こしやすいため、持病のある方は普段からかかりつけ医で管理してもらうといいでしょう。
また、抵抗力の低下を防ぐために日頃からストレスや疲労を溜めないということも必要です。予防として体操やウォーキング程度の適度な運動を行うことをおすすめします。急性前立腺炎を抗菌薬で治癒したはずなのに、まだ違和感や痛みが続くという場合には、慢性前立腺炎になっている可能性があります。早めに受診しましょう。