「メニエール病」とは?症状・原因についても詳しく解説!
更新日:2023/03/27
突然起こる激しいめまいを繰り返す病気に「メニエール病」があります。よく耳にする病名ですが、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。30~50代の働き盛りに起こりやすいとされており、治療をしないと悪化することもあります。
今回は、メニエール病の概要や症状、原因、受診科目などについて解説します。
監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
メニエール病とは
メニエール病とはどのような病気ですか?
メニエール病は、耳の内耳と呼ばれる部分に異常が生じて、突然激しいめまいを起こし、めまいの発作を繰り返しながら進行する病気です。
難聴や耳鳴り、耳の閉塞感などの症状があり、吐き気や冷や汗などの自律神経の乱れによる症状を引き起こすことがあります。
メニエール病には典型的なめまいや難聴、耳鳴りの症状がすべては出ないタイプもあります。「蝸牛型メニエール病」「前庭型メニエール病」「両側メニエール病」の3つに分類でき、特徴的な症状がそろわないことで診断までに時間がかかることもあります。
メニエール病は以前、難病指定されていましたが、2015年に除外されました。有病率は10万人当たり約16人で、どちらか片側の耳に起こります。進行すると両耳に起こることがあり、全体の約30%に両耳の発症が認められています。
難聴や耳鳴り、耳の閉塞感などの症状があり、吐き気や冷や汗などの自律神経の乱れによる症状を引き起こすことがあります。
メニエール病には典型的なめまいや難聴、耳鳴りの症状がすべては出ないタイプもあります。「蝸牛型メニエール病」「前庭型メニエール病」「両側メニエール病」の3つに分類でき、特徴的な症状がそろわないことで診断までに時間がかかることもあります。
メニエール病は以前、難病指定されていましたが、2015年に除外されました。有病率は10万人当たり約16人で、どちらか片側の耳に起こります。進行すると両耳に起こることがあり、全体の約30%に両耳の発症が認められています。
内耳はどのような働きをしているのですか?
内耳には、「半規管」「耳石器」「蝸牛」があります。半規管と耳石器は身体の平衡感覚に関与し、蝸牛は、鼓膜から伝わってきた音の振動を電気信号に変えて、脳へ伝える働きを担っています。蝸牛の内部はさらに「前庭階」「蝸牛管」「鼓室階」に分かれています。
蝸牛管と鼓室階は「外リンパ液」に、前庭階は「内リンパ液」で満たされており、内耳のそれぞれの機能を維持しています。
この内耳に内リンパ液が過剰に溜まって膨れ上がった状態を「内リンパ水腫」と言い、耳が詰まったような感じや軽い難聴の症状が現れるようになります。
過剰に溜まった内リンパ液が流出して、内圧が下がると症状が治まります。メニエール病ではこの一連の過程が何度も繰り返されています。
蝸牛管と鼓室階は「外リンパ液」に、前庭階は「内リンパ液」で満たされており、内耳のそれぞれの機能を維持しています。
この内耳に内リンパ液が過剰に溜まって膨れ上がった状態を「内リンパ水腫」と言い、耳が詰まったような感じや軽い難聴の症状が現れるようになります。
過剰に溜まった内リンパ液が流出して、内圧が下がると症状が治まります。メニエール病ではこの一連の過程が何度も繰り返されています。
メニエール病の症状
メニエール病になると、どのような症状が現れますか?
メニエール病の症状は大きく「回転性のめまい」「耳鳴り・難聴」「自律神経症」の3つの症状に分けられます。
メニエール病は症状を何度も繰り返すのが特徴で、聴力が徐々に低下していく進行性の病気です。一般的には片方の耳に起こりますが、半年から10年程度でもう片方の耳にも発症する場合があります。
また、メニエール病の特徴的な症状である「めまい」「難聴」「耳鳴り」のいずれかが起こらない場合や、長期化することで両側に発症する場合もあります。症状の現れ方によって「蝸牛型メニエール病」「前庭型メニエール病」「両側メニエール病」に分類されています。
「蝸牛型メニエール病」「前庭型メニエール病」は難聴や耳鳴りがない、あるいは一部の症状がないタイプです。「両側メニエール病」は高齢者に多く、発症している期間が長い程、予後が悪く難聴の度合いも強くなっています。
ここでは、典型的なメニエール病の症状を解説します。
メニエール病は症状を何度も繰り返すのが特徴で、聴力が徐々に低下していく進行性の病気です。一般的には片方の耳に起こりますが、半年から10年程度でもう片方の耳にも発症する場合があります。
また、メニエール病の特徴的な症状である「めまい」「難聴」「耳鳴り」のいずれかが起こらない場合や、長期化することで両側に発症する場合もあります。症状の現れ方によって「蝸牛型メニエール病」「前庭型メニエール病」「両側メニエール病」に分類されています。
「蝸牛型メニエール病」「前庭型メニエール病」は難聴や耳鳴りがない、あるいは一部の症状がないタイプです。「両側メニエール病」は高齢者に多く、発症している期間が長い程、予後が悪く難聴の度合いも強くなっています。
ここでは、典型的なメニエール病の症状を解説します。
回転性のめまい
回転性のめまいとはどのような症状ですか?
自分もしくは周囲が激しくぐるぐる回っているように感じるめまいです。吐き気や嘔吐を伴うこともあります。
めまいの発作は30分から数時間続き、症状が起こる間隔や頻度はばらばらです。
めまいの発作は30分から数時間続き、症状が起こる間隔や頻度はばらばらです。
耳鳴り・難聴
耳鳴りや難聴の特徴を教えてください。
発症初期には、めまいの発作前後に耳が詰まるような閉塞感・圧迫感があります。めまいの症状を繰り返すうちに、耳鳴りや難聴などの症状が現れるようになるなど徐々に症状が進行して行くのが特徴です。
難聴の特徴としては、低い音から徐々に聞き取りにくくなり、発作を繰り返すうちに中音域・高音域の音も聞き取りにくくなります。
難聴の特徴としては、低い音から徐々に聞き取りにくくなり、発作を繰り返すうちに中音域・高音域の音も聞き取りにくくなります。
自律神経症
自律神経症とはどのような症状ですか?
メニエール病では自律神経のバランスが崩れることで、吐き気や冷や汗、嘔吐、動悸、頭痛・偏頭痛、肩こりなどの症状を伴いやすいです。
メニエール病の原因
メニエール病の原因は何ですか?
メニエール病は、平衡感覚を司る内耳のリンパ液の働きが悪くなることで起こると考えられています。内耳の中では内リンパ水腫が生じている状態ですが、なぜ内リンパ水腫が起こるかははっきりと分かっていません。
しかし、内リンパを吸収する内リンパ嚢の発育不全や循環障害、ウイルス感染、生活習慣などが関与しているのではないかと考えられています。
塩分や水分の過剰摂取やカフェイン、アルコールなどが内リンパ水腫を招くとの指摘もあるため、過度の摂取を控えることが大切です。
しかし、内リンパを吸収する内リンパ嚢の発育不全や循環障害、ウイルス感染、生活習慣などが関与しているのではないかと考えられています。
塩分や水分の過剰摂取やカフェイン、アルコールなどが内リンパ水腫を招くとの指摘もあるため、過度の摂取を控えることが大切です。
生活習慣がメニエール病の要因となることはあるのでしょうか?
生活習慣もメニエール病の発生要因になるのではないかと考えられています。例えば、ストレスや睡眠不足、疲労の蓄積などです。
また、気圧の変化などの環境要因や几帳面な性格などの本人の性質も関係していると考えられています。「メニエール病の症状が現れたらどうしよう」という不安が、ストレスになって自律神経症などの症状を招くこともあり、悪循環に陥ることもあります。
そのため、生活習慣の見直しが大切です。ストレス解消のために運動や趣味の時間を作ったり、食事内容にも気をつけたりしましょう。また、自律神経症などの症状が起きている場合は、適度な睡眠を取り、ストレスの原因を解決することも大切です。
また、気圧の変化などの環境要因や几帳面な性格などの本人の性質も関係していると考えられています。「メニエール病の症状が現れたらどうしよう」という不安が、ストレスになって自律神経症などの症状を招くこともあり、悪循環に陥ることもあります。
そのため、生活習慣の見直しが大切です。ストレス解消のために運動や趣味の時間を作ったり、食事内容にも気をつけたりしましょう。また、自律神経症などの症状が起きている場合は、適度な睡眠を取り、ストレスの原因を解決することも大切です。
メニエール病の受診科目
めまいや吐き気などの症状が続くときは何科を受診すればいいですか?
めまいのほかに、聞こえ方に違和感があるなどの聴覚症状があれば耳鼻咽喉科を受診しましょう。
また、めまいのほかに頭痛や手足のしびれ、ふらつきなどの症状があれば脳梗塞やクモ膜下出血など脳の病気の可能性があるため神経内科を受診してください。
また、めまいのほかに頭痛や手足のしびれ、ふらつきなどの症状があれば脳梗塞やクモ膜下出血など脳の病気の可能性があるため神経内科を受診してください。
メニエール病の検査
メニエール病ではどのような検査を行うのですか?
メニエール病はめまいや難聴などの症状を繰り返しながら徐々に悪化するのが特徴のため、問診で症状が起きている期間や起きている症状を把握することが大切です。問診でメニエール病の可能性があると判断すれば、体のバランスを調べる検査や眼振検査などを行います。
そのほかに、難聴の度合いを判断するために聴力検査も行い、それぞれの結果から総合的に判断していきます。
そのほかに、難聴の度合いを判断するために聴力検査も行い、それぞれの結果から総合的に判断していきます。
メニエール病の性差・年齢差
メニエール病は性別差や年齢差はありますか?
メニエール病は30〜50歳代で発症しやすく、男女差はわずかに女性に多いことが分かっています。
編集部まとめ
メニエール病は、突然起こる激しいめまいを繰り返す病気です。難病指定になっていましたが、2015年に除外されました。
30〜50代の働き盛りのときに発症しやすく、治療をしないと症状が悪化することもあります。また、症状が起こることへの不安感から自律神経症状が起こりやすくなり、悪循環に陥ることもあります。
はっきりとした原因は分かっていませんが、ストレスや環境要因で内リンパ水腫が起こるために起こります。
めまいや難聴により生活に支障をきたしている場合は、耳鼻科を受診し詳しい検査を受けましょう。
参考文献