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フィナステリドとデュタステリドの切り替え|変更以外にできるAGA対策も紹介

 公開日:2024/09/02
フィナステリドとデュタステリドの切り替え|変更以外にできるAGA対策も紹介

男性型脱毛症(AGA)は早い人では20歳前後の頃から進行が始まる場合もあり、見た目の印象は本人にとっては深刻な悩みとなることもあるでしょう。

そのため、市販の育毛剤や発毛剤などを一度は試した人もいるのではないでしょうか。しかし、市販のものは科学的根拠がないものも多く効果が実感できない場合もあります。

近年は、AGAの解明が進み有効な内服薬や外用薬が開発され治療効果が実証されているものがあるのです。

本記事では、治療効果が期待されるフィナステリドおよびデュタステリの変更やAGA対策を紹介します。

監修

フィナステリドとデュタステリドの切り替えについて

毛根の模型
フィナステリドとデュタステリドは同じAGA治療薬ですが、成分が少し違うため効果に個人差がでます。そのため、6ヵ月以上継続して服用して効果がない場合は薬剤を切り替えることを検討するとよいでしょう。

切り替えのメリット

フィナステリドで効果が得られない場合は、デュタステリドに切り替えることで効果が現れることがあります。以下では、フィナステリドをデュタステリドに切り替えるメリットをみてみましょう。

  • 男性型脱毛症の改善が期待できる
  • 血液中のDHT(脱毛因子を作る働き)の抑制濃度の持続期間が長くなる

ただし、2つの薬剤には効果のでる期間に誤差があるので短期間の使用で切り替えの判断をすることは避けましょう。

切り替えのデメリット

AGA治療は健康保険の適用がされないため、自費診療となり全額自己負担になります。
なお、フィナステリドはジェネリック医薬品もあるので薬代を抑えることが可能ですが、デュタステリドに切り替えると薬代が高くなります。各治療費用と料金は以下を参考にしてください。

  • フィナステリド(28錠):初回約4,600円(税込)、2回目以降約9,900円(税込)
  • ジェネリック医薬品(28錠):初回約3,700円(税込)、2回目以降約6,600円(税込)
  • デュタステリド(30錠):初回約5,300円(税込)、2回目以降約10,450円(税込)
  • ミノキシジル配合外用薬:約6,800円(税込)

市販薬も多く出回っていますが、効果が保証されていないものもあります。AGA治療はカウンセリングを受けたうえで、専門のクリニックで治療を開始することが効果的です。

フィナステリドとデュタステリドの違い

錠剤
男性型脱毛症の治療薬のフィナステリドは、1997年にアメリカで開発されて2005年に厚生労働省に承認された治療薬です。
一方、デュタステリドは前立腺肥大の治療効果とともにAGA治療効果が日本や海外で認められています。どちらも男性型脱毛症の治療に効果があると承認されている内服薬です。ここからは、この2つの違いをみてみましょう。

効果の強さ

デュタステリドとフィナステリドのそれぞれの主成分の治療効果を比較する国際共同試験が実施されました。それによると、投与してから24週の時点で頭頂部の毛髪数・毛髪の太さ・硬毛数のいずれもデュタステリドの主成分であるサガーロがフィナステリドの主成分のプロペシアより1.6倍を上回る結果がでています。
この結果は、フィナステリドよりデュタステリドの方がよりAGAの抑制効果が強いことを示しています。

副作用

男性型脱毛症(AGA)の治療効果が期待されるデュタステリドとフィナステリドですが、いくつか副作用があります。フィナステリドの副作用の症状は以下のものがあります。

  • 初期脱毛
  • 勃起不全・性欲減退
  • 肝機能障害
  • うつ症状

また、デュタステリドの副作用は以下のものがあげられます。

  • 勃起不全(射精障害・性欲減退)
  • 頭痛
  • 発疹
  • 抑うつ
  • 腹部の不快感
  • 乳房の女性化・痛み
  • 肝機能障害
  • アレルギー反応

上記の症状は、服用後すぐに症状がでる人や長期間の服用で症状が現れる場合など個人の体質で異なります。

服用時の注意点

デュタステリドやフィナステリドは、厚生労働省に承認された治療薬であるため効果も実証されていますが、服用にあたっては副作用や注意点を把握する必要があります。

  • 6ヵ月以上は継続して服用する
  • 服用中また服用後半年間程は献血不可
  • AGA以外の薄毛や脱毛症には効果がない
  • 前立腺がん検診の際は、AGA薬を服用していることを申告する
  • 未成年や女性の服用は厳禁
  • 経皮から吸収するので未成年または妊婦が薬剤に触れないよう管理する

なお、薬剤は触れただけでも皮膚から吸収されます。万が一、妊婦が薬剤に触れると男子胎児の生殖器官の正常な発育に影響する場合があるので注意が必要です。

治療薬の変更以外にできるAGA対策とは?

頭皮を気にする男性
フィナステリドからデュタステリドに治療薬を変更することで効果が期待されますが、男性型脱毛症(AGA)治療効果をあげる対策はほかにもあるのでここで紹介します。

6ヵ月以上服用する

フィナステリドの効果は早くて3ヵ月、平均的な目安は半年程を想定しています。また、デュタステリドの効果がでるのは半年~1年程が目安です。
効果がないと諦めて治療を中断ると治療の効果が得られず、AGAが進行する結果となります。そのため、少なくとも6ヵ月以上は継続して薬を服用しましょう。

医師から指示された用法用量を守って服用する

AGAの治療薬は1度に多く服用して改善されるものではありません。また、AGA治療薬は肝臓で代謝されその後血中に吸収されるため、薬を多量に服用すると肝機能に影響がでる場合があります。
そのため、医師に指示された用法用量を守って服用しましょう。

ミノキシジル外用薬を併用する

ミノキシジル外用薬をAGA治療薬と併用すると、AGA治療薬の内服のみの場合より増毛効果があることが証明されています。
ミノキシジルは血圧降下薬ですが副作用に多毛性があり、外用育毛剤として転用されました。なお、ミノキシジルの効果を得るためには6ヵ月~1年間継続して外用を続ける必要があります。
また、ミノキシジル外用薬は軽症円形脱毛症やほかの脱毛症の治療にも使用されています。ただし、ミノキシジルの副作用も報告されているので注意しましょう。

  • 痒み
  • 発疹
  • 表皮角質層の剥がれ
  • 毛包炎
  • 接触皮膚炎
  • 顔面の多毛

また、ミノキシジルの使用初期段階に休止期脱毛(成長サイクルの期間中に成長を停止して髪の毛が抜けやすくなる時期)があります。
このような症状は、毛髪の成長過程ではよくあることなので心配して使用を中止するのは避けましょう。

生活習慣や食生活を見直す

生活習慣や食生活の見直しはAGAの治療の大事な要素になります。

  • 毎日または1日おきにシャンプーを行う
  • 過度な頭皮マッサージを行わない
  • 疲労をためない
  • バランスのよい食事をする
  • ミネラルを多く含むものを摂取する
  • 規則正しい生活
  • 禁煙
  • 適量の飲酒

ストレスで脱毛する根拠はありませんが、全身状態が悪化すると脱毛を誘因すると考えられます。そして、頭皮の状態を保つためには精神的・肉体的に安定した生活を送ることは重要です。

治療薬の処方を受けたクリニックに相談する

デュタステリドやフィナステリドの治療効果や改善速度には個人差があります。早々に治療薬を変更するのではなく、治療薬の処方を受けたクリニックで治療方法などを相談するとよいでしょう。
なお、AGA治療薬は病院の処方箋がない場合は購入することはできません。違法な方法で個人で購入することは大変危険なのでやめましょう。

編集部まとめ

頭皮をチェックする女医
フィナステリドと比較するとデュタステリドは約1.6倍の治療効果が期待できます。男性型脱毛症(AGA)に悩んでいる人には朗報といえるでしょう。

ただし、効果を実感するにはフィナステリドで3~6ヵ月程、デュタステリドは半年~1年は治療を継続する必要があります。

そのため、費用も時間もかかりますが、途中で継続を断念するとAGAの進行を止めることはできません。また、根本的な原因を抑制すれば抜け毛を防止することができるのです。

なお、男性型脱毛症の治療薬と称して効果がないものも市販されていますが、それでは治療を実感することはできません。

フィナステリドやデュタステリドなどの治療薬は、AGA専門のクリニックで処方してもらうようにしましょう。