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フィナステリドをやめたらどうなる?基本情報・副作用についても解説

 公開日:2024/09/02
フィナステリドをやめたらどうなる?基本情報・副作用についても解説

フィナステリドはAGA(男性型脱毛症)の進行を抑える薬の成分の一つです。AGA治療に有効なフィナステリドの服用をやめてしまったらどうなるのでしょうか。

「元の薄毛に戻ってしまうかもしれない」「抜け毛が増えそう」などの不安な声がある一方で、薄毛治療をずっと続けることに抵抗を感じる人もいることでしょう。

そこで、この記事ではフィナステリドを途中でやめたらどうなるのか、詳しく解説します。フィナステリドの基本情報と副作用についても解説するのでぜひ参考にしてください。

監修

フィナステリドをやめたらどうなる?

胸を押さえて薬を持つ
フィナステリドをやめてしまうと、時間の経過とともにヘアサイクルが乱れ、再び薄毛が進行します。AGA(男性型脱毛症)は進行性の脱毛症であるため、原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)が生成される限り、薄毛になる未来から逃れる術はありません。
フィナステリドはDHTの生成を抑える効果があるため、服用を続ければ薄毛の進行を抑えられます。そのため、AGA治療で大切なことは「継続して治療を続けること」だといえます。
なお、フィナステリドはAGAの進行を抑える、いわゆる現状維持のための薬です。現在の毛量を維持したいと考えているのであれば、ヘアサイクルを安定させるためにも服用を続けることをおすすめします。薬を継続することで生じる副作用を心配する人もいるでしょう。
しかし、フィナステリドは副作用がほとんどないといわれています。また、フィナステリドは医師の処方により服用する薬であるため、万が一副作用がでてしまっても医師に相談していただければ、適切に対処します。気になる症状があれば、医師に相談してください。

フィナステリドの基本情報

薬
フィナステリドはAGA治療薬であるプロペシアの有効成分ですが、具体的にはどのような薬なのでしょうか。
治療効果に着目するだけでなく、禁忌のような薬を服用するルールを知ったうえで治療を受けることが大切です。
ここでは、フィナステリドの基本情報を紹介します。

効能・効果

フィナステリドはDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えることで、AGAの進行を抑える効果があります。なお、成人した男性のAGAにのみ適応があるため、ほかの脱毛症には効果がありません。
また、海外では閉経後女性の男性型脱毛症に対してフィナステリドの効果があるか試験をしましたが、有効性は認められませんでした。それゆえにフィナステリドは成人男性専用のAGA治療薬といえるでしょう。

用法・用量

フィナステリドは通常、1日1回0.2㎎〜1㎎の用量を服用します。フィナステリドは食事に影響を受けないため、服用するタイミングは自分で決めることができます。
効果がでるまでに3〜6ヵ月間、毎日服用する必要があるため、薬の飲み忘れがないように注意しましょう。なお、薬の服用を6ヵ月以上続けてもAGAの進行が止まらない場合は、医師の判断で治療内容を変更することになるでしょう。

成分

フィナステリドはプロペシアの有効成分であり、特定の酵素を阻害することでDHT(ジヒドロテストステロン)の生成を抑えます。
酵素は1型と2型に分かれており、フィナステリドは前頭部や頭頂部にある2型の酵素を選択的に阻害します。1型は全身の皮脂腺に存在するので、選択的に作用するフィナステリドは体への負担が少ないといえるでしょう。
一方で、1型と2型の両方の酵素を阻害するデュタステリドという成分もあります。肝臓への負担がかかる可能性があり、費用も高くなりますが、フィナステリドよりも効果が得られやすいといわれています。フィナステリドで効果が感じられない場合は、デュタステリドの服用を検討してみるとよいでしょう。

禁忌

禁忌とは、薬を服用するルールから逸脱することを指します。フィナステリドを飲んではいけない人は、以下のとおりです。

  • フィナステリドに対して過敏症状が出たことがある人
  • 妊婦もしくは妊娠の可能性のある女性および授乳中の女性
  • 年齢が20歳未満の人

フィナステリドは薄毛の治療薬として認知されておりますが、薄毛であれば誰でも使用していい薬ではありません。特に女性や子どもの脱毛症に対しては効果がないどころか、副作用の危険性があるため、自己判断で服用することは避けましょう。
また、初めてフィナステリドを服用する方は過敏症状がでる可能性があるため注意してください。
フィナステリドに限らず、どの薬も体質によって体に合わないことがあります。体調に違和感があれば、早めに医師に相談するようにしましょう。
なお、フィナステリドはほかの薬や食べ物との飲み合わせが悪いものはありません。しかし、薬の服用を長く続けると肝機能に影響を与える可能性があるため、医療機関へ受診された際は医師や薬剤師に服薬していることを伝えておくとよいでしょう。

フィナステリドの副作用は?

薬と胸を押さえている
どのような薬でも副作用がおこる可能性はあります。フィナステリドは副作用が少ないといわれていますが、その日の体調や併用している薬との飲み合わせによって、突然症状が現れるかもしれません。
ここでは、フィナステリドの代表的な副作用を6つ紹介します。当てはまる症状がないか確認してみてください。

リビドー減退

リビドー減退とは、性欲が低下する症状のことです。フィナステリドの効果によりDHT(ジヒドロテストステロン)の数が減り、ホルモンバランスが乱れてしまうことが原因だと考えられます。
なお、臨床試験では1.1%の割合で症状がでたそうです。男性機能が低下する副作用のなかでは頻度が高めですが、全体でみると副作用としては少ない頻度といえるでしょう。
ですが、リビドー減退は薬を中止しても症状が持続したという報告があるため、症状に気付いたら早めに医師に相談しましょう。

勃起機能不全

EDとも呼ばれる勃起機能不全は、満足な性交が行えない状態が維持される男性機能障害の一つです。
リビドー減退に次いで、0.7%の割合で症状がでたそうです。ホルモンバランスの影響や心理的な要因が関係して症状がでる可能性があり、薬が原因であるか判断が難しいと考えられます。

射精障害

射精障害は1%未満の割合でおこります。射精障害の種類は以下のとおりです。

  • 膣内射精障害
  • 早漏・遅漏
  • 逆行性射精
  • 射精反射がない など

一番頻度が高いのは膣内射精障害といわれており、原因はさまざまです。フィナステリドが原因である場合はやはり、ホルモンバランスの乱れが関係していると考えられます。

精液量減少

精液量減少は射精障害と同様に1%未満の割合でおこります。ホルモンバランスの乱れから知らずしらずのうちに症状が発現するかもしれないため、日頃から精液量に変化がないか注意しておくとよいでしょう。
不妊の原因になる可能性があるため、気になる症状があれば医師に一度相談するようにしてください。

そう痒症

そう痒症とは、見た目には何も症状がないにも関わらず、痒みを感じる症状がでることです。全身が痒くなることや、頭だけに限局して痒くなることがあるそうです。
また、頻度不明でおこる副作用であり、原因についても十分に解明されていません。
ミノキシジルのような血管拡張作用のある薬であれば、血行がよくなることで一時的な痒みを伴うことがありますが、そうでない場合は原因を探るためにも医師に相談するようにしましょう。

発疹

発疹とは、皮膚にぶつぶつや赤みなどの色の変化をもたらす症状のことです。特定の薬が原因でおこる発疹のことを薬疹といいます。発疹は頻度不明の副作用で、フィナステリドに限らずどの薬でも生じる可能性がある副作用です。
 
発疹と薬疹は原因の特定が難しいため、症状が出た場合は医師に状況を詳しく伝えることが大切です。なお、薬疹であれば原因の薬を中止すれば時間とともに改善されます。

編集部まとめ

PC作業
この記事ではフィナステリドをやめたらどうなるのか、基本情報と併せて紹介しました。結論としては、やめてしまうと薄毛に戻ってしまうため治療を続けることが大切です。

フィナステリドは薄毛の原因物質であるDHTの生成を抑える働きがあるため、服用を続ける必要があります。副作用は男性機能障害がでる可能性がありますが、頻度は少ないといえるでしょう。

薬を続けるかどうか悩んだとき、気になる症状がでて困っているときなどは医師に相談するようにしてください。薬を服用する必要性があるかどうかは医師と一緒に解決していくとよいでしょう。