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今すぐ試したい!フスコデが咳に効く理由を解明

 更新日:2024/07/11
フスコデ 効果

風邪をひいて咳が止まらなかったり、気管支炎と診断されたときにフスコデ配合錠を処方されたことはありませんか。

処方されたとおりに服用を始めたものの、フスコデ配合錠にどのような効果があるのか気になる人も多いでしょう。また、薬に含まれる成分や使用上の注意点、副作用などが心配という人も少なくありません。

この記事ではフスコデ配合錠の効果や成分などの基本情報・副作用などについて解説します。あわせて飲み合わせできない薬についても紹介します。フスコデ配合錠について詳しい情報を知りたい人は参考にしてください。

吉田 大貴

監修薬剤師
吉田 大貴(薬剤師)

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経歴
城西大学薬学部卒 株式会社pharb所属

保有免許・資格
薬剤師免許、認知症研修認定薬剤師

フスコデ配合錠の効果は?

薬を持つ女性
フスコデ配合錠はジヒドロコデインリン酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・クロルフェニラマレイン酸塩を有効成分とする鎮咳薬です。
鎮咳薬(ちんがいやく)は簡潔にいえば咳止めです。フスコデ配合錠は、以下の疾患に対して効果を発揮します。

  • 急性気管支炎
  • 慢性気管支炎
  • 感冒
  • 上気道炎
  • 肺炎
  • 肺結核

成分が持つ効果は次のとおりです。

  • ジヒドロコデインリン酸塩:咳中枢へ作用し咳を抑える
  • メチルエフェドリン塩酸塩:気管支を広げて呼吸症状を改善する
  • クロルフェニラマレイン酸塩:アレルギー症状を緩和して痰を抑える

疼痛時における痛みの鎮静や激しい下痢症状の改善にもフスコデ配合錠が用いられます。

フスコデ配合錠の基本情報

薬を渡す
ここではフスコデ配合錠について以下の基本情報を解説します。

  • 作用持続時間
  • 成分
  • 用法・用量
  • 使用上の注意

フスコデ配合錠は前述のとおり、ジヒドロコデインリン酸塩による咳中枢への作用を中心とした咳の症状を和らげる薬です。
気管支を広げるメチルエフェドリン塩酸塩と痰を抑える働きを持つクロルフェニラレイン酸塩も配合されています。ジヒドロコデインリン酸塩単体よりもこの2つの成分を配合する方が効き目が早くなり、効能の持続時間も長くなります。

作用持続時間

フスコデ配合錠に配合されているdl-メチルエフェドリン塩酸塩とクロルフェニラミンマレイン酸塩という2つの有効成分の効果によって、作用の発現時間が短縮されています。また、咳の抑制程度も強くなり持続性が増しています。

成分

フスコデ配合錠の有効成分はジヒドロコデインリン酸塩・dl-メチルエフェドリン塩酸塩・クロルフェニラミンマレイン酸塩です。
添加剤は有効成分とともにフスコデ配合錠を構成し、苦味を取り除いて飲みやすくしたり、薬効や有効成分の放出を向上させる働きがあります。添加剤として乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロースが加えられています。この他にも次のような添加剤が配合されています。

  • リン酸水素カルシウム水和物
  • カルメロースカルシウム
  • ステアリン酸マグネシウム
  • 精製白糖
  • アラビアゴム末

用法・用量

フスコデ配合錠は通常、成人には1日9錠を3回に分割して経口投与します。症状によってその都度増減があります。12歳以上15歳未満の人が飲む場合は成人の2/3の分量です。12歳未満の人には投与されません。

使用上の注意

フスコデ配合錠の使用にあたって、基本的な注意事項・特定の背景を有する患者さんに関する注意・併用に関する注意事項の3点の注意事項があります。
基本的な注意事項は、フスコデ配合錠を服用した際に眠気やめまいを起こすことがあるので自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないようにすることです。
特定の背景を有する患者さんとは妊婦・12歳未満の小児・高齢者です。
妊娠中または妊娠している可能性がある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与されます。ジヒドロコデインリン酸塩の影響により、乳児でモルヒネ中毒が生じたとの報告があるため、授乳中の女性は、フスコデ配合錠の服用中は授乳を避けましょう。
小児は呼吸抑制の感受性が高い傾向があります。海外では12歳未満の小児で重篤な呼吸抑制のリスクが高いとの報告もあり、フスコデ配合錠は投与されません。
高齢者は一般的に生理機能が低下していて副作用が発現するおそれがあるため、用量を減量するといった配慮が必要です。
このほか、重篤な呼吸抑制のリスクが増加するおそれがあるため、肥満・閉塞性睡眠時無呼吸症候群または重篤な肺疾患を有する小児には投与されません。
フスコデ配合錠に対してカテコールアミン製剤・アドレナリン・イソプロテレノールは併用が禁忌とされています。

フスコデ配合錠の副作用

説明する医師
フスコデ配合錠を服用して副作用が現れた場合、用量を減量したり投与を中止したりするなど適切な処置を行うこととされています。
フスコデ配合錠を服用して体に異常が認められた場合には、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。フスコデ配合錠で確認されている主な副作用は、以下のとおりです。

  • 眠気
  • 便秘
  • 顔面紅潮
  • 悪心
  • 嘔吐
  • 呼吸抑制
  • めまい

それぞれの副作用について詳しく解説します。

眠気

フスコデ配合錠の代表的な副作用は眠気です。フスコデ配合錠の有効成分であるジヒドロコデインリン酸塩には、高い鎮咳効果が期待できる反面、精神神経系に影響を及ぼします。
そのため、眠気・目のかすみ・異常なまぶしさといった症状が現れることもあります。前述したとおり、服用中は重大な事故を未然に防ぐために自動車の運転など危険を伴う機械の操作を控えましょう。

便秘

フスコデ配合錠の有効成分であるジヒドロコデインリン酸塩は、腸の働きを抑える薬効があります。そのため、便秘の症状が現れることがあります。
あまりひどい便秘でなければ、フスコデ配合錠が本来持っている作用による副作用ですので心配する必要はありません。便秘の症状が続いたり重くなった場合には医師や薬剤師に相談しましょう。

顔面紅潮

フスコデ配合錠の副作用として過敏症のひとつである顔面紅潮を引き起こすことがあります。頻度は不明とされており、あまり多い事例ではありません。顔面紅潮とは顔の血管が拡張して顔面が赤くなる症状です。
顔がほてると感じる場合もあります。皮膚の広い範囲で赤くなることや、全身に発疹が出るケースもあります。

悪心

フスコデ配合錠を服用することで、悪心が副作用として現れることがあります。悪心は胃がムカムカとするような感覚を覚えたり、のど・胸・みぞおち周辺に不快感や気分の悪さを感じたりすることです。
フスコデ配合錠の有効成分であるジヒドロコデインリン酸塩は、消化器をコントロールする働きがあります。そのため、便秘になったり食欲不振になったりすることがあるのです。消化器不全が悪心の要因となることもあります。

嘔吐

フスコデ配合錠の服用によって胃がムカムカするというだけでなく、嘔吐という形で副作用が現れることもあります。激しい腹痛や腹部の膨張感などを伴って現れるケースもあり、このような場合には使用をやめてすぐに医師の診療を受けてください。

呼吸抑制

呼吸抑制は呼吸が遅くなったり浅くなったりする症状で、呼吸困難のような息苦しさを伴わない症状をいいます。呼吸が止まったり唇が青くなったりするのも呼吸抑制の症状です。
フスコデ配合錠の副作用として呼吸抑制が現れることもあり注意が必要です。呼吸抑制が起きたら、ただちに医療機関を受診してください。呼吸抑制の症状は意識不明や痙攣、血圧低下といった症状に進行することがあります。

めまい

フスコデ配合錠の副作用として眠気を挙げましたが、めまいもフスコデ配合錠が及ぼす副作用のひとつです。めまいは体のバランスが保てなくなる状態のことで、回転している・ふらつくなどの自覚症状があります。
フスコデ配合錠の有効成分のジヒドロコデインリン酸塩が精神神経系に影響を与えて引き起こされるものです。めまいが生じ、体がだるくなったり息切れしたりすることもあります。

フスコデ配合錠と飲み合わせできない薬とは?

医療スタッフ
フスコデ配合錠は以下の薬剤との併用に注意することとされています。

  • 中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤・パルビツール酸系薬剤など)
  • モノアミン酸化酵素阻害剤
  • 三環系抗うつ剤
  • アルコール
  • 抗コリン剤(アトロピン硫酸塩など)
  • モノアミン酸化酵素阻害剤
  • 甲状腺製剤(レポチロキシン、リオチロニンなど)
  • ナルメフェン塩酸塩水和物

中枢神経抑制剤・吸入麻酔剤・モノアミン酸化酵素阻害剤との併用では、中枢抑制作用が増強されることがあります。そのため、呼吸抑制や低血圧、顕著な鎮静または昏睡が起こることがあります。
三環系抗うつ剤やアルコールも同様の症状を引き起こすことがあるため注意が必要です。
抗コリン剤を併用すると、便秘または尿貯留などが起こるかもしれません。
モノアミン酸化酵素阻害剤・甲状腺製剤との併用では、フスコデ配合錠の有効成分であるメチルエフェドリン塩酸塩の作用が増強されることがあります。
ナルメフェン塩酸塩水和物と併用すると、フスコデ配合錠の効果が減弱するおそれがあります。
また、フスコデ配合錠はカテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプロテレノールなど)との併用は禁忌です。フスコデ配合錠の有効胃成分であるメチルエフェドリン塩酸塩とカテコールアミン製剤はともに交感神経を刺激する作用を持ちます。そのため、併用によって不整脈を起こすことがあるのです。
心室頻拍や心室細動が激しくなる不整脈では意識消失やショックに至るリスクが高まります。場合によっては心肺停止に至る可能性もあるため、フスコデ配合錠とカテコールアミン製剤との併用は禁忌です。

編集部まとめ

カンファレンス
鎮咳薬として処方されるフスコデ配合錠の効果・基本情報・副作用・併用注意の薬について解説しました。ジヒドロコデインリン酸塩が咳中枢へ作用することによって咳を抑えるため、ひどい咳の症状や気管支炎などで処方されることが多い薬剤です。

フスコデ配合錠には注意事項や副作用があるため、服用の際は必ず医師の指示に従いましょう。併用が禁忌の薬剤もあるため、服用中の薬剤について正しく申告する必要があります。副作用が現れたり、気になる症状があった場合にはすぐに医師や薬剤師に相談してください。

適切にフスコデ配合錠を服用することで、順調な症状の回復が期待できるでしょう。

この記事の監修薬剤師