「10代女性が薄毛」になる原因・薄毛対策はご存知ですか?医師が監修!
「10代女性の薄毛はあり得るの?」「まだ若いのに、なぜ私の髪は薄くなっているの?」といった疑問を持っている人は意外と多いかもしれません。
薄毛というと中高年の男性が主に悩むイメージが強いですが、実は若い女性で特に10代の女性でも薄毛は発症する可能性があるのです。
この現象は決して稀なものではなく、多くの10代の女性が直面している問題です。
薄毛の原因は様々で、日常生活の中で意識しなければならないことが多く存在します。しかし、心配することはありません。
薄毛の原因を理解し、適切な対策を講じることで、10代女性の薄毛は予防できます。
この記事では、10代の女性がなぜ薄毛になるのか、その原因となる要素について詳しく探ります。
また、その原因を元に、薄毛を予防するための対策も提案します。一緒に、薄毛という悩みを解消し、若々しい豊かな髪の毛を保つための方法を探っていきましょう。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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薄毛は10代の女性にも発症する?
薄毛は男性特有の悩みだと思っている人もいるかもしれません。しかしながら、実は10代の若い女性であっても、薄毛で悩んでいる人は少なくありません。その原因もホルモンバランスの乱れ・ストレス・過度なダイエットなど様々です。
特に、10代は体の成長が著しい時期でもあります。そのため、この時期に髪の毛の成長に必要な栄養が不足してしまうと、薄毛になりかねません。このように、薄毛の悩みは10代の女性であっても無縁ではありません。
今、薄毛に悩んでいる人も早急に対処することで、将来の髪の毛の健康を守ることにも繋がります。では、どのように対処すればよいのでしょうか。
その対処法・予防法について理解するためにも、まずは薄毛の原因から理解することにしましょう。
10代女性の薄毛の原因は?
10代の女性が薄毛になってしまう理由は様々あります。生活習慣の乱れ・ホルモンバランスの崩れ・無理なダイエット・頭皮を引っ張る髪型など、その原因は驚くほど身近なものに隠されています。
では、なぜそれらの要因が薄毛の原因となってしまうのでしょうか。ここでは、そうした疑問に答えるべく、1つ1つの要因について詳しく解説していくことにしましょう。
ホルモンバランスの乱れ
ホルモンバランスの乱れも薄毛の原因の1つです。特に、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が重要です。このエストロゲンは主に月経のサイクルなどに関係する女性ホルモンですが、髪の毛の成長サイクルにも影響を与えることが分かっています。
そのため、ホルモンバランスが崩れてしまい、エストロゲンの分泌量が減ってしまうと、髪の毛の成長期が減ることで薄毛になってしまう可能性があります。
生活習慣の乱れ
10代の女性が薄毛に悩む原因の1つとして挙げられるのが、不規則な生活習慣や不健康な食生活です。これらの要素は、髪の健康に大きな影響を与え、薄毛の進行を促進する可能性があります。
特に、睡眠は私たちの体の修復と再生を行う重要な時間です。しかし、睡眠不足が続くと、その修復と再生のプロセスが妨げられ、髪の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
もちろん学業や部活動などに忙しく、十分な睡眠を取ることが難しい場合があるかもしれません。しかしながら、できる限り睡眠時間を確保するよう心がけましょう。
また、食生活にも気を付ける必要があります。不健康な食生活は必要な栄養素の不足を招いて髪の健康に悪い影響を与えかねません。そのため、薄毛が気になる場合には、バランスのよい食事を心がけ、ビタミンやミネラルを十分に摂取するように心がけましょう。
さらに、飲酒や喫煙も髪の健康に悪影響を及ぼします。もちろん、日本では10代において飲酒や喫煙は認められていません。
ただし、内閣府の調査によると未成年の喫煙経験は9.9%にも及ぶとされており、また厚生労働省の調査によると高校1年生の段階で飲酒経験が50%以上にも及んでいます。そのため、念のためにここでも飲酒・喫煙への注意喚起を行っておくことにしましょう。
飲酒や喫煙といった行為は体全体の血行が悪くなってしまいます。そのため、髪の毛に必要な栄養素が頭皮に届かなくなる可能性があります。特に、10代の女性は成長期であり、髪の毛に必要な栄養素が十分に供給されることが重要な時期です。
こうした髪の成長にとって重要な時期に飲酒や喫煙をしてしまうと、薄毛の原因となりかねません。
このように、生活習慣の乱れは髪の毛の成長機会を奪うとともに、髪の成長に必要な栄養素が届かなくなる可能性があります。その結果として、生活習慣の乱れは女性であっても薄毛の原因となるため、注意が必要です。
無理なダイエット
無理なダイエットもまた10代の女性が薄毛になる原因の1つです。特に、栄養不足に陥るような極端な食事制限は、髪の健康に大きな影響を及ぼしてしまいます。
人の体が髪の毛を作るうえで重要な要素の1つが鉄分です。髪の毛は毛細血管から酸素を受け取ることで、成長していきます。しかしながら、鉄分が不足すると、血中で酸素を運ぶ役割を担っているヘモグロビンが不足し、その結果として髪の毛の成長が止まってしまうのです。
また、ダイエットによる栄養不足は、ホルモンバランスの乱れを引き起こすこともあります。特に、無理なダイエットによって女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が抑えられることは問題です。
エストロゲンは髪の成長期を延長し、髪の毛を健康に保つ効果があります。しかし、栄養不足によりエストロゲンの分泌が低下すると、髪の成長期が短くなり、薄毛の原因となる可能性があります。
無理なダイエットは、ストレスの増加にもつながります。ストレスは、体全体のホルモンバランスを乱し、その結果として髪の健康に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
このように無理なダイエットは髪に必要な栄養素の不足や、ホルモンバランスの乱れによって薄毛の原因となりえます。
頭皮が引っ張られる髪型
頭皮が引っ張られる髪型もまた薄毛の原因です。カーラーを毎日強く巻いていたり、ポニーテールや三つ編みといった髪型にしていると、その引っ張られた場所に脱毛が生じる可能性があります。
こうした引っ張られた箇所が脱毛することを牽引性脱毛症(けんいんせいだつもうしょう)といいます。この牽引性脱毛症は初期段階であれば大きな問題ではありません。
その髪型をやめることで元に戻っていくからです。しかしながら、長期にわたって同じ髪型を続けることには注意が必要です。
長期にわたって同じ場所に負荷がかかることで、髪の毛の土台となる毛包が障害を受け、永久的に髪の毛が生えてこなくなってしまう可能性があります。
過度なストレス
過度なストレスも薄毛の原因となりえます。実は、厳密には人間においてストレスが薄毛につながることはまだ研究において明らかにされていません。
しかしながら、マウスでの実験で、ストレスを強く感じたマウスは体毛の生産をやめてしまうことが明らかになっています。
このマウスと同様に、人間もストレスを感じると、コルチゾールというホルモンが増えて薄毛になってしまうと考えられています。
10代女性の薄毛対策
では、原因を理解したところで、次は薄毛への対策を学んでいきましょう。
薄毛の対策としては適切なシャンプーやヘアケアを行うことと、クリニックに相談するという2つの方法があります。ここではそれぞれ詳しく解説をします。
適切なシャンプーやヘアケアを行う
薄毛の対策として適切なシャンプーやヘアケアが不可欠です。皮脂は頭皮の保湿・角質層の保護・髪の毛の保護などの役割を果たします。そのため、適切な皮脂の量であれば、頭皮に残っていても問題ありません。
しかしながら、過剰な皮脂は問題です。皮脂が毛穴を塞いでしまい、髪の毛を生み出す毛母細胞が機能しなくなったり、皮脂が毛根に入り込むことで髪の毛が抜けやすくなったりします。こうしたことから、過剰な皮脂が頭に残っていると、薄毛になりやすくなります。
そのため、適切なシャンプーやヘアケアを心がけましょう。皮脂は頭皮の残りすぎも問題ですが、取りすぎもまた問題です。そのため、過剰にシャンプーをすることはやめましょう。
また、ブラッシングも髪の毛の損傷につながるため、柔らかいブラシで優しく行うようにしましょう。
クリニックに相談する
また、クリニックに相談することもおすすめの対策です。クリニックで治療することによって、一人ひとりの状況に合った専門的な治療を受けられます。
そのため、独学での対処よりも高い効果が期待できるでしょう。クリニックでは薄毛に効果的な内服薬や外服薬を処方してもらったり、レーザー治療や頭皮注射などの治療方法を受けられます。
薄毛に悩んでいる場合には、クリニックで最適な治療方法について相談するのがよいでしょう。
10代女性の薄毛の予防法は?
では、そもそも薄毛にならないようにするための予防方法にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここではその予防方法として、食事・睡眠・ストレス・髪型の4つについて詳しく説明をします。
バランスのよい食事をとる
薄毛を予防するためにも、バランスの取れた食事を心がけましょう。髪の健康を維持するためには、ビタミンB群・ビタミンE・亜鉛などの栄養素が必要だとされています。
逆に、こうした栄養素が不足してしまうと、髪の毛の健康が維持できず、薄毛に繋がってしまいます。そのため、食事制限などによる過度なダイエットは控えて、しっかりと栄養をとりましょう。
しっかり睡眠をとる
良質な睡眠は、薄毛対策をする上で重要です。睡眠中は体を休めているだけでなく、髪の毛の修復と再生も行っています。
そのため、十分な睡眠を確保することによって、髪の毛の健康を維持し、薄毛予防にもなります。そのため、睡眠時間をしっかりと確保するようにしましょう。
ストレスをためない
薄毛を予防するためにもストレスは溜めこまないようにしましょう。ストレスはホルモンバランスを崩して、薄毛に繋がってしまいます。そのため、ストレスを適切に管理できるようにしておくことが重要です。
もちろん、そもそもストレスを感じないようにすることも大事ですが、人間関係や勉強などでどうしてもストレスを抱えることがあるでしょう。そのため、ストレスの発散方法を見つけておくことが重要です。
適度な運動をしたり、大声を出すなど自分なりのストレス発散方法を見つけておきましょう。
毎日同じヘアスタイルにしない
牽引性脱毛症は初期段階であれば、別の髪型にすることで自然と薄毛は治っていきます。そのため、分け目を変えるなど、毎日同じ髪型にしないようにしましょう。
編集部まとめ
ここまで薄毛に悩む10代の女性のために、薄毛の原因とその対処法・予防法について詳しく解説をしてきました。
もし、薄毛で悩んでいるのであれば、まずは食事・睡眠などの生活習慣の見直し・ストレス・髪型・ヘアケアなどの自分でできることを考えてみましょう。
それでも、改善されないようであればクリニックに早めに相談することをおすすめします。