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「40代女性が薄毛」になる原因・対策はご存知ですか?【医師監修】

 更新日:2024/07/10
「40代女性が薄毛」になる原因・対策はご存知ですか?【医師監修】

男性だけが悩んでいると思われがちな「薄毛」ですが、女性でもお悩みの方は多くいらっしゃいます。

特に40代を過ぎた頃からは更年期によって女性ホルモンのバランスが崩れやすく、他にも様々な要因が絡み合うことで発症してしまうことがあるものです。

では、40代女性の薄毛対策はどのように行えば良いのでしょうか。

今回は、40代女性の薄毛対策についてご紹介します。考えられる原因に合わせて対処していきましょう。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

40代女性の薄毛対策は?

髪に触る女
何事でもそうですが、対策は「原因」に合わせて練ることが大切です。40代女性の薄毛は、更年期による女性ホルモンバランスの変化の他にも、個々のライフスタイルや習慣が大きな影響を与えています。髪は私たちが摂取する栄養によって形成され、一定のヘアサイクルに従って自然と抜けるものです。
しかし、ホルモンバランスの変化や日常の習慣などによってヘアサイクルが乱れてしまうと、生えてくる髪の毛の量よりも抜け毛の量のほうが多くなってしまいます。薄毛対策ではこの原因を見極め、ヘアサイクルを正常に戻せるよう対策を立てましょう。次の見出しより、女性の薄毛の原因や改善策などを詳細にお伝えします。ご自身の状況を考えながら、最適な薄毛対策を考えてみてください。

女性の薄毛の原因

頭皮
実は、女性が薄毛になってしまうメカニズムについては、まだわかっていないことが多くあります。
しかし、薄毛の原因は複雑に絡み合っているといわれていることが多く、まずはその原因を特定することが何よりも大切です。女性の薄毛として考えられる原因には、以下のようなものが挙げられます。

  • 女性ホルモンのバランスの変化
  • 加齢
  • 間違ったシャンプーなどによる頭皮へのダメージ
  • ストレス
  • 毎日同じ位置で髪を結んでいる
  • 生活習慣の乱れ
  • 過度の飲酒や喫煙

ここではそれぞれについて詳しく見ていきましょう。

女性ホルモンのバランスの変化

女性ホルモンはライフステージや生活習慣によって乱れやすいといわれています。特に40代前半から50代後半にかけては更年期に入り、「閉経」となるため非常に不安定です。こうして女性ホルモン分泌量が減少するなどの変化が生じると、反対に男性ホルモンの分泌量が増えてきてしまいます。両者のバランスが崩れてしまうのです。
すると、女性ホルモンは従来のように髪の毛を生やす役割を担えなくなり、男性ホルモンは頭髪の軟毛化現象を引き起こします。そして引き起こされるのが、女性型脱毛症(FAGA・FHPL)と呼ばれるものです。詳細なメカニズムは判明しておりませんが、女性ホルモンバランスが変化することによって、頭頂部の広範囲における薄毛が生じるとされています。
男性型脱毛症(AGA)とは異なり、前髪が薄毛になることはなく、頭頂部から薄毛になるのが特徴です。もし当てはまるようであれば、早めに医療機関を受診しましょう。

加齢

年を重ねると、髪の毛のボリュームが徐々に失われていきます。「髪の毛全体において1本1本の毛が細くなり、地肌が見えるようになってきた」場合には、加齢による薄毛が考えられるでしょう。
加齢による薄毛は、更年期に入った閉経後に目立つようになります。前述の女性型脱毛症と併発する場合もあり、より薄毛が気になってしまうことも少なくありません。女性型脱毛症と加齢による薄毛のどちらに該当するかを個人で判断するのは難しいため、一度医療機関を受診することをおすすめします。

間違ったシャンプーなどによる頭皮へのダメージ

間違ったシャンプーは頭皮にダメージを与えます。頭皮の健康状態はそのまま毛髪にも影響するため、正しいシャンプーで清潔に保つことが大切です。頭皮に爪を立てて激しく泡立てるような洗い方は、爪によって頭皮が傷つけられてしまうだけでなく、健康な毛髪に必要な潤いまでも洗い流されて乾燥し過ぎてしまいます。
逆に髪の毛が抜けることを恐れ、洗う回数を減らしたり、頭皮までしっかり洗わないようにしたりしていると、汚れや皮脂が溜まって不衛生です。ご自身にあったシャンプーやコンディショナーを使用し、適切な頻度で正しく洗髪しましょう。

ストレス

ストレスは様々な病気の要因となりますが、薄毛を引き起こしてしまうこともあります。急性ストレスによる脱毛は急性休止期脱毛や円形脱毛症と呼ばれており、太い髪の毛でも数ヶ月で急激に抜けるのが特徴です。
通常、髪の毛は成長期・退行期・休止期というように一定のサイクルで生え替わります。しかし、急性休止期脱毛では休止期の毛髪が増えることによって脱毛が引き起こされます。急性休止期脱毛は、ストレスの他にも薬剤性・栄養障害・内臓疾患・分娩・インフルエンザなど考えられる原因が多いです。
しかし、きちんと原因を特定し、取り除ければ改善が期待できます。女性型脱毛症とは異なり側頭部にも脱毛が見られるため、急激な脱毛や側頭部の薄毛が見られる場合には、休止期脱毛症を疑って良いでしょう。

毎日同じ位置で髪を結んでいる​​

脱毛の原因として忘れてはならないのが、髪型による影響です。髪の長い女性は日常的に結ぶことが多いですが、毎日同じ位置で強く髪を引っ張るようにして結ぶのは良くありません。職業柄髪をきつく結ばなければならない芸者の方の中には、側頭部の薄毛に悩んでしまうこともあるといいます。
これは牽引生脱毛症と呼ばれるものであり、日常的に髪が引っ張られることでダメージが蓄積され、徐々に薄毛になる疾患です。ポニーテール・三つ編み・お団子といったように、強く髪を引っ張って固定する髪型は頭髪に良くありません。

生活習慣の乱れ

例えば脂肪分の多い食事ばかりを摂ったり、十分な睡眠を取らない生活を続けたりといった生活習慣の乱れは、そのまま毛髪にも影響を与えます。
特に食事による影響は無視できないものであり、高脂肪食を3ヶ月続けるだけでも毛髪の生え替わりに必要な幹細胞の枯渇が進んでしまう研究結果もあるほどです。髪の毛の新陳代謝には特に食事が大きな影響を及ぼしているため、ビタミン・ミネラルなどバランスの取れた食生活を心がけることが重要です。

過度の飲酒や喫煙

過度の飲酒や喫煙の継続は、血管の縮小を招きます。血管が縮小されることは、身体における必要十分な量の栄養を届けられなくなることです。すると、髪の毛に必要な栄養が慢性的に不足するようになり、脱毛が引き起こされます。薄毛対策を行ううえでは、必ず避けておきたい2大因子といえるでしょう。
過度な飲酒や喫煙は、毛髪以外の健康にも良くありません。ご自身の健康のためにも避けることをおすすめします。

40代女性の薄毛の改善方法は?

スプレー
薄毛を改善するためには、まずは以下の2つの方法を行うことが大切です。

  • クリニックで治療を受ける
  • 市販薬を使う

それぞれについて見ていきましょう。

クリニックで治療を受ける

40代女性の薄毛には様々な原因が考えられ、ご自身の薄毛の原因がどこにあるかを判断するのは容易ではありません。しかし、クリニックを受診すれば、必要に応じて血液検査などを行うことで原因の特定ができます。
また、クリニックでは症状の進行度に合わせて適切な治療を受けられるのも利点です。女性の薄毛には一般的に、ミノキシジル外用薬が用いられます。ミノキシジルは育毛効果を期待できる治療薬で、日本でも有用性が認められています。こうしてクリニックで治療を受ければ、薄毛を早期に改善できる可能性が高まるでしょう。

市販薬を使う

女性の薄毛に対して効果が期待できる市販薬は多くあります。激しい脱毛が見られる場合はクリニックで治療を受けることを推奨しますが、仕事などの都合ですぐには行けない場合もあるでしょう。
そのようなときの応急処置として、市販薬を活用するのも有効な手段です。前述のミノキシジルが配合されている市販薬「リアップリジェンヌ」は、女性の薄毛を改善するのに有効な市販薬とされています。薄毛の進行を予防する効果もあるため、一度試してみるのもおすすめです。なお、「リアップジェンヌ」は第一類医薬品に分類されるため、購入する際には必ず薬剤師からの指導が必要となります。注意してください。

薄毛対策におすすめの髪型は?

くし
牽引性脱毛症のように、髪の毛が引っ張られ続けるような髪型をすることで脱毛してしまうこともあります。では、髪のダメージを極力抑えつつ、邪魔にならない髪型にするにはどうしたら良いのでしょうか。ここでは薄毛対策におすすめの髪型をご紹介します。

ショートボブ

特に頭頂部の薄毛が見られる場合は、ショートボブがおすすめです。ロングヘアだとどうしても重力に逆らえず、髪の重みが頭皮を下に引っ張ってしまうので薄毛が目立ちやすくなってしまいます。
ショートボブであれば髪を結ぶ必要もなく、頭頂部の部分をふんわりと立たせることで薄毛の部分を隠せるようになります。

レイヤーを入れた髪型

レイヤーを入れると、毛先が立ち上がりやすくなるため、薄毛の部分を隠しやすくなります。
ショートボブやショートカットの際には、薄毛が気になる部分の周囲にレイヤーを入れてもらいましょう。ワックスをつければボリュームを出すことも可能です。

厚めの前髪を作る

生え際の薄毛が気になる方は、厚めの前髪を作るのがおすすめです。通常よりも少し多めに前髪を取ることで、生え際の薄毛を隠しつつ、ボリュームを出すことが叶います。
前髪を切り揃えるスタイルに抵抗がある場合には、少し伸ばして横に流しても良いでしょう。40代女性に合った落ち着いた雰囲気を演出できます。前髪によって印象が変わるため、ご自身のイメージに合った前髪のスタイルを考えてみてください。

編集部まとめ

鏡をみる
40代女性は更年期にも差し掛かり、ホルモンバランスが不安定になりやすい時期です。

他にも加齢・ストレス・生活習慣などの様々な原因が複雑に絡み合い、薄毛になってしまいます。

薄毛を改善するためには、早めの治療と適切な原因特定が大切です。まずは原因を取り除くことから始めてみましょう。

薄毛の原因となることがある、過度の飲酒・喫煙・バランスの偏った食事・睡眠不足などは、今日からでも始められる対策です。

少しずつでも構いませんので、改善できるようにしてみましょう。

今回の記事では他にも、薄毛を隠すのに有効なヘアスタイルについてもご紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修医師