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「薄い前髪はAGA」が原因?対策・予防についても解説!【医師監修】

 更新日:2024/07/10
「薄い前髪はAGA」が原因?対策・予防についても解説!【医師監修】

前髪は、ヘアスタイルを気にする方にとっては、大変ポイントになる場所です。その前髪が薄くなったと感じたことはありませんか。前髪が薄くなる原因は、いくつかあります。そのひとつがAGAです。

薄い前髪は、普段の生活習慣やストレスなどで起こる場合や、ホルモンバランスの崩れが原因の場合などが考えられます。これらの原因からAGAを発症しているかもしれません。

ここでは、前髪に着目して、薄くなる症状の原因やAGAとの関係、その対処方法について解説します。

竹内 想

監修医師
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)

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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。

薄い前髪はAGAのせい?

薄毛の頭
薄い前髪はAGAのひとつの症状として現れることがあります。AGAは、男性ホルモンの遺伝的な感受性によって引き起こされるもので、頭頂部や前髪の薄毛は一般的な形態です。
AGAは男性によく見られますが、女性にも影響を与えることがあります。特に女性の場合に起きるのが、髪が全体的に薄くなることや、頭頂部が薄くなることです。
しかし、男女ともに前髪が薄くなる症状もあります。AGAの原因は複雑ですが、遺伝的な要素やホルモンの役割が関与していると考えられています。
ただし、AGAが前髪の薄毛の原因であるかどうかを確定するためには、医師や専門家に相談し、適切な診断を受けることが必要です。

前髪が薄くなる原因

仕事がうまくいかない男性
前髪が薄くなる原因は、いくつか考えられます。まずは、ホルモンバランスの乱れによるものです。女性の場合は妊娠や出産の原因が代表的ですが、男性の場合であってもバランスが乱れることがあります。
次にストレスです。現代社会において、ストレスは切っても切れない関係です。ストレスによって毛包の成長サイクルが乱れることで、脱毛が進行します。特定の病気や薬の副作用によって前髪が薄くなることもあります。
よくに甲状腺や免疫の疾患、抗がん剤などの副作用は有名です。最後に遺伝的な要因です。親や祖父母などが、薄毛の傾向にある場合は、薄毛の症状が出る可能性が高いといわれています。

生活習慣の乱れ

生活習慣の中でも、食事に関しては薄毛の原因になる可能性が高いです。不健康な食事や栄養不足は、直接髪の成長に影響を及ぼします。
成長に必要な栄養素が不足し、髪の量だけでなく質も落とすからです。本来であれば、積極的に摂取してほしい栄養素であるタンパク質・ビタミンD・ビタミンE・ミネラルが不足することで、髪の健康が損なわれます。
また、睡眠不足も大きな要因です。十分な睡眠をとらないと、髪の成長の過程のうち、髪の修復をする過程が十分に行えません。それにより、髪の成長が妨げられることにつながります。

ストレス

ストレスによって体や精神に負担になると、ホルモンのバランスが崩れたり、体調が悪くなったりします。ストレスによって活性化されるストレスホルモンは、コルチゾールです。コルチゾールは、過度のストレスや慢性的にストレスを感じている時に活性化し、毛包の成長サイクルに影響を与えます。
これによって、髪の成長が阻害され、抜け毛が増えるという症状が現れます。また、ストレスにより血行が悪くなったり、免疫システムを乱してしまったりする症状も原因のひとつです。

誤ったヘアケア

ヘアケアを間違って行うと、髪や頭皮にダメージを与えて薄毛の原因になります。毎日の洗髪後のヘアドライヤー利用もそのひとつです。高温のヘアドライヤーやヘアアイロンを頻繁に利用すると、髪が不必要に乾燥し、傷つきやすくなります。
また、熱によって髪の内部のタンパク質が壊され、髪が折れやすくなったり、もろくなったりします。また、ヘアスタイルを整える時にも注意が必要です。強力なヘアスプレーやジェルなどのスタイリング剤は、化学物質やアルコールを含んでいることが多いため、髪の負担になります。
また、スタイルを整えるために必要以上にブラッシングをすると、髪が引っ張られて、破損してしまうことがあります。

AGAによる薄い前髪の治療方法は?

育毛剤
薄い前髪がAGAに起因するものであることが診断されると治療が開始されます。AGAの治療方法として一般的なものがミノキシジルの投薬です。
ミノキシジルは、頭皮に直接つけて血管を拡張させます。それによって、毛包の血流が改善します。
飲んで体内から治療するには、フィナステリドです。フィナステリドは男性ホルモンの生成を抑制することで、AGAの症状が進行するのを遅らせます。この薬は副作用などがあるので、医師の指導のもと使います。
他には植毛は、薄い前髪にも有効です。毛髪移植を行うことで、手術によって健康な髪を取り出し、薄毛部位に植え込みます。これによって自然に前髪を増やせます。

市販の育毛剤でセルフケア

市販の育毛剤を使う場合は、どれを選ぶのかがポイントです。信頼性の高い製品を選ぶことが重要ですが、そのためには、記載されている成分・効果・安全性・消費期限などをしっかりと確認しましょう。
次に大切なことは、使用方法の確認です。育毛剤のパッケージや同梱されている説明書には、細かな使用方法が記載されています。適切な量を、適切な方法で使用することが重要です。
このようにして育毛剤を継続して使っていくのですが、育毛剤を使う前には、しっかりと頭皮を洗って清潔にしてから使うようにします。適切なシャンプーを使ってストレスを与えないように洗髪し、頭皮の汚れや余分な油分を取りのぞくことが大切です。その後に使うことで、育毛剤が十分に頭皮に吸収され、高い効果を得られます。
また、育毛剤は継続して利用しなければ効果を得られません。育毛剤が効果を発揮するのには、数ヶ月以上かかり即効性がないため、途中でやめてしまう方は少なくありません。
育毛剤での効果は時間がかかるものと認識し、辛抱強く継続することが大切です。

育毛専門のクリニックに相談する

育毛専門のクリニックに相談することは、AGAの治療には効果的です。薄毛や抜け毛の問題に対して専門知識を持った医師に、これまでの病歴から推測して、原因を調べて髪や頭皮の状態確認をします。
必要に応じて血液検査や頭皮バイオプシーを追加で行い、より正確な薄毛の原因を突き止め、最適な治療を提案してくれます。

薄い前髪の対策法を男女別に解説

女性の薄毛
薄い前髪の対策法は、男性女性で同じ効果を得られるものと、異なる治療が良いものがあります。それぞれの対策について、別々に説明します。

男性の対策法

外用薬であるミノキシジルは、市販されていますので、手軽に対策が取れるでしょう。AGAに対しての効果を期待できます。
フィナステリドは経口薬として処方され、男性ホルモンの生成を抑制します。そして、薄い前髪に毛髪移植を行うことも効果的な方法です。
手術後は適切なアフターケアが必要になります。また、根本的な解決にはなりませんが、頭皮や髪に専用のメイクアップ製品を使い、薄い部分をカバーすることもできますが、前髪の場合は難しいでしょう。

女性の対策法

女性にも効果があるのが、ミノキシジルを頭皮に直接塗布する方法です。使用量などが男性と異なる場合がありますので、よく確認して使います。
女性の場合は、栄養バランスを整えることで効果がでる場合があります。より確実に栄養を摂るのに有効なのが、栄養補助食品です。特に、鉄・亜鉛・ビタミン類などが髪の健康に良い影響を与えます。

薄毛の悪化を予防するための日常生活における注意点

寝ている女性
薄毛の治療も大切ですが、日々の生活の中で薄毛の悪化を予防することも重要です。薄毛の原因と思われるストレスや食生活の偏り、睡眠不足など改善することで薄毛の改善になります。
また、ヘアケアにも気をつけましょう。頭皮や髪に負担になることは避け、正しいケアをするようにします。

ストレスをためない

ストレスをためないようにすることで薄毛の予防や症状の改善になります。ストレスへの対策としては、リラクゼーションの実践と適度な運動が有効です。リラックスするための方法としては、深呼吸・ヨガ・瞑想などがあります。
運動が嫌でなければ、自分に合った運動を定期的に行いましょう。ウォーキング・ジョギング・ヨガ・水泳など有酸素運動がおすすめです。運動が苦手な方は、趣味や興味を持つ活動をするのが良いでしょう。読書・音楽・絵画・料理・ガーデニングなど、楽しんでストレスを解消しましょう。
また、周りの方たちとのコミュニケーションもストレスには有効です。話を聞いてもらうだけでも心の負担を軽減できます。
それでも自分では上手にストレスを解消できないのであれば、専門家の支援を受けることをおすすめします。カウンセラーや心理療法士に相談しましょう。

食生活を見直す

AGAへの対策においては、普段の食生活を見直すことも大切です。AGAのために行う見直しとしては、タンパク質・ビタミン・ミネラルの積極的な摂取が挙げられます。
健康な髪の成長にはタンパク質が重要です。タンパク質は、鶏肉・魚・豆類・卵・乳製品など、普段摂りやすい食材はたくさんあります。
また、ビタミンとミネラルの中では特に、亜鉛・鉄・ビタミンD・ビタミンEなどの摂取を積極的に取りましょう。これらは、レバー・貝類・緑黄色野菜・シイタケなどから摂れます。
髪の健康を守るために、抗酸化物質の摂取も有効です。例えば、ビタミンC・ビタミンE・ポリフェノールなどを多く含むブルーベリー・緑茶・オリーブオイルなども良いでしょう。

しっかりと睡眠をとる

睡眠は、AGAだけでなく体全体の健康を守るためにも必要です。良い睡眠をとるためには、毎日同じ時間に寝ることと起きることを心がけます。これによって体内時計を整え、睡眠の質を向上させます。
また、環境も大切です。静かで暗い寝室に快適な寝具や枕を使用しましょう。日々の睡眠のためには適度な運動も必要です。
しかし、就寝直前の激しい運動は逆効果ですので、注意が必要です。同様に、寝る直前の食事や刺激物の摂取も控えましょう。

正しいヘアケアを心がける

ヘアケアの基本は、利用するシャンプーやコンディショナー・ヘアケア製品の選定とブラッシングです。シャンプーとコンディショナーは、さまざまなメーカーがあり、多くの製品が出ています。自分の髪や頭皮の状態に合ったものを選ぶことが大切です。
洗浄は強すぎず優しくマッサージするようにします。これは、乾かすときも同じです。タオルで擦りすぎたり、ヘアドライヤーを使いすぎたりといった乾燥方法を用いるのは禁物です。
適切なブラッシングは、髪だけでなく頭皮にも有効です。力を入れすぎず、髪を傷めないように注意しましょう。

頭皮に負担がかかる髪型を避ける

髪型によっては、頭皮に負担をかけてしまい、結果的に薄毛を促進しますので、注意が必要です。
頭皮に強い圧力がかかるようなヘアスタイルとしては、タイトなポニーテール・ブレード・コーンロウなどです。長時間このようなヘアスタイルを維持してしまうと、頭皮に負担をかける原因となり頭皮の血行を阻害します。
また、長時間のウィッグやヘアエクステの使用は、頭皮の通気性を悪くしますので、髪には良くありません。

編集部まとめ

日本人女性
前髪が薄いと感じる時には、AGAを疑ってみることも大切です。AGAであれば、投薬を含め対策がうてます。そうでない場合でも、普段から髪や頭皮に負担をかけないように気をつけて、健康的な生活をおこなうことを意識しましょう。

この記事の監修医師