「薄毛に効果的な食べ物」はご存知ですか?食べ方・悪影響を及ぼす食べ物も解説!
薄毛の原因の1つに栄養バランスの偏った食事が挙げられることはご存じでしょうか。
栄養バランスの偏った食事は髪の成長を妨げ、薄毛につながる可能性があります。現在薄毛に悩んでいる方は、まずは食事を見直してみましょう。
本記事では、薄毛に効果的な食べ物を栄養素ごとに紹介します。また薄毛を予防するための食べ方や、治療薬も合わせて解説します。
薄毛予防に食事を見直したい方は、ぜひ参考にしてください。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
薄毛に効果的な食べ物の栄養素
薄毛に効果的な食べ物の栄養素は次のようなものがあります。
- タンパク質
- ビタミン
- ミネラル
- イソフラボン
- グルタミン酸
- アルギニン
- 亜鉛
ここでは、それぞれの栄養素の特徴を詳しく解説します。
タンパク質
ケラチンとよばれるタンパク質は、毛髪や爪の約9割を占める栄養素です。アミノ酸のシスチンを多く含んでおり、髪・皮膚・筋肉・内臓といった体の中心となる組織を構成しています。
摂取するタンパク質の量が不足した場合、人間の体は生命維持のため髪よりも臓器などを優先して栄養を送ります。そのため、髪の成長に必要な栄養が十分に行き届かなくなり、髪のパサつきや薄毛などの頭皮トラブルを招いてしまうのです。
薄毛に悩んでいる方は、タンパク質を積極的に摂取するようにしましょう。良質なタンパク質は健康的な髪の維持に欠かせません。
タンパク質を多く含む食べ物には次のようなものがあります。
- 肉類
- 魚介類
- 卵類
- 大豆
- 乳製品
タンパク質だけではなく他の栄養素を含んだ食べ物と一緒に食べることで、相乗効果により栄養の摂取率を上げられるでしょう。
ビタミン
一口にビタミンといっても様々な種類があります。ビタミンの種類は大きく次のように分類されます。
- ビタミンA
- ビタミンB群(ビタミンB2・B6)
- ビタミンC
- ビタミンE
ビタミンAには血行促進作用があり、頭皮の乾燥を防ぐ効果が期待できるでしょう。不足した場合、皮脂腺が萎縮し、皮脂の量が減少することで頭皮の乾燥を招きます。
ビタミンAを多く含む食材には、ニンジン・ほうれん草・レバーなどがあります。またビタミンAは体内に蓄積されやすく、過剰な摂取は逆に頭皮環境の悪化につながる恐れがあるため注意しましょう。
ビタミンB群には、髪の細胞分裂を促進させて育毛に効果的な毛母細胞の活動をサポートする働きがあります。主に抜け毛の防止に効果が期待できるでしょう。
ビタミンB2には、皮脂の過剰分泌を防止してくれる効果があります。脂性肌の方に有効な栄養素です。ビタミンB2を多く含む食材には、レバー・卵・大豆などがあります。
ビタミンB6にはタンパク質の生成を助ける働きがあるとされています。より良い育毛に効果が期待できるでしょう。
ビタミンB6を多く含む食べ物には、鶏肉・魚介類・バナナなどがあります。また過剰摂取すると、末梢神経障害や感覚障害などを起こす可能性があるため注意が必要です。
ビタミンCには毛細血管の働きをサポートするコラーゲンの生成を促す効果があるとされています。毛母細胞が働くことで、髪の成長に必要な栄養素が行き届きやすくなるのです。
ビタミンCを多く含む食材にはレモン・キウイ・ブロッコリーなどがあります。
ビタミンEには抗酸化作用があるとされ、皮脂の酸化を防いで動脈硬化の予防や血圧の低下に効果的です。加齢による疾患の予防に役立つことから「若返りのビタミン」ともいわれています。ビタミンEを多く含む食材は、魚介類・ナッツ類などがあります。
ミネラル
ミネラルは5大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラル)の1つであり、髪の生育・筋肉の形成・細胞の働きをサポートする効果があるのです。
ミネラルを多く含む食材には、貝類・海藻などがあります。
イソフラボン
イソフラボンには男性ホルモンを抑制する効果があるとされています。女性ホルモンの1つであるエストロゲンに似た働きがあることから、薄毛対策として注目の成分です。
女性は20歳後半を境にエストロゲンの分泌量は低下していきます。そのため不足したエストロゲンを補うためにイソフラボンを摂取するのが良いでしょう。
イソフラボンを多く含む食材には、豆腐・納豆・豆乳などがあります。
グルタミン酸
グルタミン酸とはアミノ酸の一種であり、脳機能を活性化させることでストレスへの抵抗力を上げる効果が期待できるでしょう。
また吸湿性が高く、保湿効果に優れていることから、スキンケアやヘアケア製品などに配合される美容成分としても採用されています。グルタミン酸を多く含む食材には、海藻・大豆・ごまなどがあります。
アルギニン
アルギニンは、アミノ酸の一種で血管を拡張して血行を促進させる効果があるとされ、毛母細胞の老化を抑える効果が期待できるでしょう。
アルギニンが不足することで成長ホルモンの分泌が低下し、頭皮や毛髪の生育にも悪影響が出る可能性があります。アルギニンを多く含む食材には、大豆・うなぎ・ニンニクなどがあります。
亜鉛
亜鉛は、髪の主成分であるタンパク質を生成する働きがあり、髪・筋肉・臓器などの健康を保つうえで欠かせない栄養素の1つです。亜鉛が不足すると細胞分裂の回数が低下し、発毛に障害が起こるとされています。
また過剰摂取すると、貧血などを起こしやすくなるため注意が必要です。亜鉛を多く含む食材には、牡蠣・レバー・カシューナッツなどがあります。
薄毛に悪影響を与える食べ物
薄毛に悪影響を与える食べ物には次のようなものがあります。
- ファストフード
- カフェインを含むもの
栄養の過剰摂取は、身体だけでなく髪の毛にも悪影響を及ぼすため、薄毛に悩む方はできるだけ摂取するのを控えるようにしましょう。
ファストフード
ファストフードは手軽に食べられるため、時間のないときなどについ食べてしまいがちです。しかしファストフードなどの脂肪分が非常に高い食べ物は、過剰摂取すると皮脂の過剰分泌を招きます。
その結果、毛穴の詰まりやフケが生じ、薄毛や抜け毛の原因になるのです。さらに悪玉コレステロールが増えるため、動脈硬化や心筋梗塞といった重い病気につながる可能性もあります。
そのため脂肪分の少ない料理や低脂肪牛乳などで過剰な脂肪分を減らす対策が必要になるでしょう。
カフェインを含むもの
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインには覚醒作用があるため、過剰摂取すると寝つきが悪くなる可能性があります。
睡眠中には髪を育てる成長ホルモンが分泌されますが、寝つきが悪くなることで成長ホルモンの分泌を妨げる可能性があるでしょう。
またコーヒーに含まれるタンニンには、髪の毛の成長に欠かせない亜鉛の吸収を妨げる効果があるとされています。
薄毛が気になる方は、コーヒーを含むカフェインの過剰摂取には注意しましょう。
薄毛を予防するための食べ方
薄毛を予防するためには、次の3つの食べ方を意識すると良いでしょう。
- 腹八分目を心がける
- 栄養バランスを意識する
- 寝る3時間前までに食事を済ませる
それぞれの食べ方について詳しく解説します。
腹八分目を心がける
1つ目は、腹八分目を心がけることです。せっかく食事をするのだから、満腹になるまで食べたいという方も多いかもしれません。
ですが、髪にとってそれはあまり良くないことなのです。食べ過ぎは新陳代謝を悪くし、細胞の老化を招きます。結果、血行は悪化し髪の成長に必要な栄養は送られてこなくなってしまうでしょう。
そのため、満腹になる一歩手前の腹八分目で抑えておくのが薄毛予防には良い食べ方になります。
栄養バランスを意識する
2つ目は、栄養バランスを意識することです。髪の成長を助けてくれる栄養素は多くありますが、中でも特に大事な栄養素は次の3つです。
- タンパク質
- ミネラル(亜鉛)
- ビタミン
これらの栄養素が欠けてしまうと薄毛や抜け毛が進行する恐れがあるため、できるだけ意識して摂取していくことが薄毛予防につながるでしょう。
寝る3時間前までに食事を済ませる
3つ目は、寝る3時間前に食事を済ませることです。髪の毛の生育に必要な成長ホルモンは、就寝してから約3時間以内に分泌されます。
そのため就寝前に食事をしてしまうと、食べた物を消化するために胃腸に負担がかかってしまうのです。その結果、眠りが浅くなってしまい成長ホルモンが十分に分泌されなくなってしまうでしょう。
胃腸が食べ物を消化するためには約3時間かかるため、寝る3時間前までに食事を済ませる必要があるというわけです。
薄毛を本格的に治療するならクリニックがおすすめ
薄毛を本格的に治療するなら、薄毛治療に特化したクリニックがおすすめです。薄毛治療クリニックでは、一般的な皮膚科や内科に比べて薄毛の治療方法や治療薬の種類が豊富です。
人によって薄毛はデリケートな問題でもあるため、専門性の高いクリニックを選ぶことでプライバシーがしっかり守られます。さらに効果が期待できる最先端の治療を受けられるのもクリニックの魅力といえるでしょう。
薄毛の治療薬
薄毛の治療薬には次の3つがあります。
- プロペシア
- ミノキシジル
- ザガーロ
ここでは、治療薬ごとの特徴や効能について詳しく解説します。
プロペシア
プロペシアとは、フィナステリドを有効成分とした薄毛治療薬です。国内で広く処方されており、髪が生え変わる周期であるヘアサイクルを正常な状態に戻す効果が期待できるでしょう。
ですが、プロペシアの服用には次のような副作用がみられる場合があります。
- 性機能障害(リビドー減退・勃起機能不全・射精障害)
- 肝機能障害
- 抑うつ
これらの副作用は、フィナステリドの男性ホルモンを抑制する作用が関係していると考えられます。
中でも性機能障害は子作りに影響するため、子どもが欲しいと考えている方は、事前に医師に相談すると良いでしょう。
ミノキシジル
ミノキシジルとは、ミノキシジルを主成分とした薄毛治療薬です。乳頭細胞に働きかけ、髪の毛の成長を促すことで、ヘアサイクルを延ばす効果が期待できます。
ミノキシジルには内服薬と外服薬があり、それぞれ異なる副作用が表れます。まずは内服薬からみていきましょう。内服薬の副作用には次の症状がみられる場合があります。
- 動悸・息切れ
- 手足のむくみ
- 頭痛・めまい
ミノキシジル内服薬には血管を拡張し、血行を促進する効果が期待できるでしょう。また上記の副作用の他にごく稀ではありますが、肝機能障害や心疾患を引き起こすケースがあります。
次に外服薬についてみていきましょう。外服薬の副作用には次のようなものがあります。
- 初期脱毛
- 皮膚炎
ミノキシジル外服薬の副作用の中で多くの方に表れる症状は初期脱毛です。初期脱毛とは、薬を使用してから約2週間から8週間ほどでみられる抜け毛の増加をいいます。
古い髪の毛が新しい髪の毛に押し出されることで抜け毛が増えたように感じるのです。薄毛の治療のために始めたのに抜け毛が増えたことで治療を途中で止めてしまう方もいるようです。
ですが、初期脱毛の時点で治療をやめてしまうと効果を実感できないため、継続して治療を行うようにしましょう。
ザガーロ
ザガーロとは、デュタステリドを有効成分とした薄毛治療薬です。薄毛に関するガイドラインでも薄毛部位に対し高い発毛効果が記述されていることから、確かな薄毛治療が期待できるでしょう。
ザガーロの副作用には次のようなものがあります。
- 性機能障害(リビドー減退・勃起機能不全・射精障害)
- 肝機能障害
肝機能障害は、ザガーロに限らず多くの医療薬でみられる可能性がある副作用です。性機能障害に関しては、男性ホルモンへの影響が考えられます。
ザガーロを服用して効果が表れる期間には個人差があります。また6ヶ月間は薬を服用する必要があるため、効果が感じられない場合でもご自身の判断で服用を止めずに継続しましょう。
編集部まとめ
薄毛に効果的な食べ物について解説しました。
健康な髪の生育にバランスの良い食事は欠かせません。朝の忙しい時間帯や疲れて帰ってきた日の夕食は手短なもので済ませがちです。
ですが、時短であったとしても栄養素のバランスを考えて食事をすることで薄毛の予防になるのです。
本記事で紹介した髪の成長に効果的な栄養素を含む食材と薄毛予防になる食べ方を参考にしていただき、薄毛の改善に役立てていただけたら幸いです。