「薄毛治療の飲み薬」について解説!効果・副作用・注意点もご紹介します!
薄毛治療の飲み薬にはいくつか種類があり、効果も様々です。一般的には病院で処方された薬を服用しますが、自分が服用する薬について知識を深めておくと安心して服用できるでしょう。
薄毛治療の飲み薬の中には未承認薬もあり注意が必要です。そのため、薄毛治療の飲み薬の種類について知識を深めることは自分を守ることにも繋がります。
そこで本記事では薄毛治療の飲み薬の種類・効果・副作用・注意点などについて詳しく解説します。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
薄毛治療の飲み薬の種類
薄毛治療の飲み薬は主に次の4つです。
- ミノキシジルタブレット
- プロペシア
- ザガーロ
- フィンペシア
ここではそれぞれの薬の効果や効果が出るまでの期間などについて解説します。
ミノキシジルタブレット
ミノキシジルタブレットはミノキシジルを主成分とした薄毛治療の飲み薬です。血管拡張による血行改善や髪の成長因子の増殖といった効果が期待できます。効果が出るまでの期間は最短で3~4ヶ月です。
しかし、ミノキシジルタブレットは国内では認可されていません。ミノキシジルタブレットの効果と副作用が十分に検証されていないためです。ミノキシジルタブレットは胸痛・動悸・息切れ・呼吸困難・うっ血性心不全など重大な心血管系障害を生じる危険性も指摘されています。
ミノキシジルタブレットは病院で処方されることもあるため、副作用について事前に医師の説明を受けた上で服用しましょう。
プロペシア
プロペシアはフィナステリドを主成分とした薄毛治療の飲み薬です。男性の薄毛治療には強く進められる薬ですが、女性の薄毛治療には行うべきではないといわれています。男性型脱毛症の発症に関与する酵素の働きを阻害し、脱毛の進行を防ぐ効果が期待できます。
効果が出るまでの期間は最短で2~3ヶ月です。しかし、効果が表れる期間は個人差があるため、最低でも6ヶ月は内服を継続することが推奨されています。プロペシアは40歳未満の方、重症度の低い方でより高い効果を示します。比較的副作用は少ないため安心して服用できる薄毛治療薬です。
ザガーロ
ザガーロはデュタステリドを主成分とした薄毛治療の飲み薬です。プロペシアと同様に、男性型脱毛症の発症に関与する酵素の働きを阻害し、脱毛の進行を防ぐ効果が期待できます。プロペシアと比べるとより強い効果があり、その効果は約1.5倍といわれています。
効果が出るまでの期間は最短で2~3ヶ月です。ザガーロの主成分であるデュタステリドは元々前立腺肥大の治療薬として開発されたものです。そのため、前立腺がんのスクリーニング検査であるPSA検査の数値に異常がみられる場合があります。ザガーロの服用中に前立腺がんの検査を受ける際には事前に伝えておくようにしましょう。
フィンペシア
フィンペシアはフィナステリドを主成分とした薄毛治療の飲み薬です。プロペシアと主成分は同じため効果も同様であり、男性型脱毛症の発症に関与する酵素の働きを阻害し、脱毛の進行を防ぎます。効果が出るまでの期間は最短で2~3ヶ月です。
プロペシアとの違いは、フィンペシアはプロペシアの後発医薬品である点と国内未承認である点です。プロペシアより安価であるため、個人輸入される方もいます。高価であっても病院で処方された薬の方が安全性が高いため、フィンペシアではなくプロペシアの服用をおすすめします。
薄毛治療の飲み薬の効果
薄毛治療の飲み薬の効果は主に次の3つです。
- 血管拡張による血行改善
- 髪の成長因子の増殖
- 脱毛の進行予防
それぞれ詳しく解説します。まず1つ目の血管拡張による血行改善についてです。血行が改善すると髪の成長を促す細胞に栄養がしっかり行き渡ります。また、毛周期の改善も期待できます。
次に2つ目の髪の成長因子の増殖についてです。これは、1つ目の血管拡張による血行改善と密接な関係があります。血行が改善し髪の成長を促す細胞に栄養がしっかり行き渡ると、髪の成長因子の産生が促されるのです。また、髪の成長を促す細胞自体の数を増やす効果もあるといわれています。
最後に3つ目の脱毛の進行予防についてです。男性型脱毛症は、DHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンが大きく影響します。DHTの生成には5αリダクターゼという酵素が必要です。薄毛治療の飲み薬ではこの酵素の働きを抑制し、脱毛の進行を予防します。
このように様々な効果がありますが、飲み薬の効果は処方された薬の主成分によって異なります。
薄毛治療の飲み薬の副作用
薄毛治療の飲み薬には副作用があります。特に注意したい副作用は次の2つです。
- 性欲減退
- 肝機能障害
性欲減退は、子作りを希望されている方にとっては深刻な問題になります。肝機能障害は、中々自覚症状が現れにくく異常に気づきにくいため、副作用が起こる可能性があると考え定期的に検査することが重要です。
薄毛治療の飲み薬は、なぜこのような副作用が現れるのか疑問に感じる方もいるでしょう。ここではそれぞれの副作用について原因や発現率などについて詳しく解説します。
性欲減退
薄毛治療の飲み薬の副作用として性欲減退があります。性欲減退に加え、勃起不全・リビドー減退・射精障害など男性機能の低下の副作用が表れることもあります。副作用が表れる原因は、薄毛治療の服用により男性ホルモンを抑制するためです。
これらの副作用の発現率は低く、危険性は高くありません。しかし、性欲減退や男性機能の低下は子作りに影響するため人によっては深刻な問題になる可能性もあります。そのため子作りを希望している場合は医師へ相談することをおすすめします。
肝機能障害
薄毛治療の飲み薬の副作用として肝機能障害があります。肝機能障害が起こる原因として、薄毛治療薬が肝臓への負担が大きいことが考えられています。肝機能障害の発現率は極めて低いです。
しかし、肝臓は沈黙の臓器と呼ばれているように自覚症状が表れにくく、中々肝機能障害に気づきません。放置しておくと肝硬変や肝臓がんに進行する可能性もあります。そのため、肝機能障害が起こる可能性が低いといえど定期的に検査を行うようにしましょう。
薄毛治療の飲み薬の注意点
薄毛治療の飲み薬には次のような注意点があります。
- 国内で認可されているか
- 個人輸入にはリスクがある
- 使用方法・使用量を守る
国内で認可されているかや個人輸入は注意が必要そうだと思っている方もいるでしょう。しかしなぜ注意が必要なのか、どのようなリスクがあるのか分からない方もいるのではないでしょうか。
ここではそれぞれの注意点について詳しく解説します。注意点をしっかり理解して、安全に飲み薬を服用してください。
国内で認可されているか
1つ目は国内で認可されているかです。国内で認可されていない薬を未承認薬といいます。未承認薬は保健衛生上の危険性があり、重篤な副作用を生じるリスクがあります。
「薄毛治療の飲み薬の種類」の章で説明した薬のうち、未承認薬はミノキシジルタブレットとフィンペシアです。未承認薬を使用して重篤な副作用が生じた場合は、医薬品副作用被害救済制度は適用されません。
医薬品副作用被害救済制度とは、医薬品を適正に使用したにもかかわらず重篤な副作用が生じた場合に救済給付を行う公的な制度です。未承認薬を使用し重篤な副作用が生じた場合は、全て自己責任になります。
国内で認可されている薬の方が副作用の発現率も低く、もし重篤な副作用が出ても国の救済制度があります。薄毛治療の飲み薬は国内で認可されているものを使用しましょう。
個人輸入にはリスクがある
2つ目は個人輸入にはリスクがあることです。薄毛治療の飲み薬の個人輸入には次のようなリスクがあります。
- 品質の安全性が保証されていない
- 不衛生な場所や方法で製造されている
- 虚偽の効果を記載している
- 正規品の偽造商品
日本国内で正規に流通している薄毛治療の飲み薬は医薬品医療機器等法に基づき、品質・有効性・安全性が確認されています。しかし、個人輸入の薬はそのような保証がありません。
そのため、期待する効果が得られなかったり重篤な副作用が生じたりする可能性があります。重篤な副作用が出ても、個人輸入した薬の成分や作用などについての情報を医師が把握できず、迅速に対応できない場合もあるため大変危険です。
また、個人輸入の薬も未承認薬と同様に医薬品副作用被害救済制度は適用されません。正規に流通している薬よりも個人輸入の方が安価であることもあり、つい個人輸入を検討してしまうこともあるかもしれません。
しかし、安価であること以外デメリットばかりなのでリスクを避けるためにも個人輸入はやめましょう。
使用方法・使用量を守る
3つ目は使用方法・使用量を守ることです。早く薄毛治療の飲み薬の効果を感じたいからといって多く飲めば効果がすぐに出たり、よく効いたりするわけではありません。かえって、副作用や中毒などが表れるリスクもあります。薄毛治療の飲み薬の効果が出るまでの期間は最短でも2~4ヶ月です。
個人差があるため、効果が表れるまでにさらに期間を要する方もいます。また、すぐに効果が出たからといって薄毛治療の飲み薬を中止することは危険です。
男性型脱毛症は進行性の脱毛症であるため、治療をやめてしまうと元通りになる可能性があります。効果を得るためにも、医師や薬剤師などから十分に説明を受け使用方法・使用量を守るようにしましょう。
編集部まとめ
薄毛治療の飲み薬の種類・効果・副作用・注意点などについて解説しました。
薄毛治療の飲み薬には主にミノキシジルタブレット・プロペシア・ザガーロ・フィンペシアの4つがあります。このうち、ミノキシジルタブレットとフィンペシアは未承認薬です。
薄毛治療薬は血管拡張による血行改善・髪の成長因子の増殖・脱毛の進行予防といった効果があります。効果は飲み薬の主成分によって異なります。
副作用は性欲減退・肝機能障害に注意が必要です。いずれも発現率は低いといわれています。しかし、肝機能障害は危険性が高い疾患のため、定期的に検査を行うことが重要です。
薄毛治療の飲み薬の注意点は国内で認可されているか・個人輸入にはリスクがある・使用方法、使用量を守るの3つです。注意点を理解し、安全に服用しましょう。
本記事が参考になれば幸いです。