「薄毛治療の費用」はご存知ですか?安く抑える方法・治療の種類も解説!
クリニックの増加や積極的な広告宣伝などで、薄毛治療は以前よりも普及しつつあります。
薄毛は身体疾患などのように治療が必要な症状ではありませんが、外見の印象を大きく左右するため、治療を検討される方も少なくありません。
しかし薄毛治療には、治療費が高額であることや効果が得られなかったという情報もあるため、薄毛治療の費用や治療内容について気になっている方も多いのではないでしょうか。
今回は、薄毛治療の費用・節約術・治療の種類など、薄毛治療やその費用について詳しく解説します。薄毛治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
目次 -INDEX-
薄毛治療の費用はどのくらい?
薄毛治療は、皮膚科や内科などのほかに専門のクリニックなどで治療が可能であり、治療費用は検査や施術内容により大きく変動します。
医療機関で受診する場合、具体的にどのような費用が発生するのでしょうか。薄毛治療の費用について、詳しく解説します。
初診料
身体疾患などでの受診と同様に、薄毛治療でも専門の医療機関を初めて受診する場合には、初診料がかかります。皮膚科など保険医療機関で受診する際の初診料は、診療報酬点数表に基づき一律2,820円(10割負担額)と定められています。
その他専門のクリニックなどでは、独自の料金プランを設定しているケースもあり、初診料も異なるでしょう。
検査費用
薄毛治療では薄毛の原因を特定することが重要なため、検査費用も発生します。薄毛治療の主な検査として、以下の5つが挙げられます。
- 視診・触診:頭皮や毛穴の状態を確かめる検査
- 抜毛テスト:毛髪の抜けやすさや毛周期ごとの毛包の割合を確かめる検査
- 毛根チェック:抜けた毛髪の毛根に変形などの異常がないかを確かめる検査
- 血液検査:脱毛症を引き起こす全身疾患などがないかを確かめる検査
- 組織検査:頭皮の一部を採取し細胞の異常などがないかを確かめる検査
通常であれば、視診・触診・抜毛テスト・毛根チェック・血液検査の4つで診断がつくでしょう。しかし、これらの検査で診断が難しい場合には組織検査も行われ、その分費用も加算されます。
薬代
薄毛の原因に合わせて薬が処方されるため、薬代も発生します。薄毛の治療薬には内服薬と外用薬があり、それぞれの相場は内服薬で月々3,000円~15,000円、外用薬で月々10,000円~15,000円となります。
内服薬と外用薬は、併用するとより薄毛改善の効果が期待できるため、併用する場合は月々の費用もさらに高くなるでしょう。
薄毛治療の費用を抑える方法
薄毛治療では、特に治療薬や外科治療において費用がかさみます。しかし、効果を得るためには長期的な治療が必要となるため、治療を継続できるか不安を感じる方も少なくないのではないでしょうか。
薄毛治療の費用を抑えるには、以下の4つの方法がおすすめです。
- 早めに治療を開始する
- ジェネリック薬を使う
- オンライン診療を利用する
- モニター制度の活用
それぞれの節約法について、詳しく解説します。
早めに治療を開始する
薄毛治療の費用を抑えるためには、早めに治療を開始することが望ましいです。薄毛は放置するほど治療が難しく、進行した状態では薬の量や種類が増えたり、効果が現れるまでの期間も長くなったりします。
一方、初期の段階では治療薬だけで薄毛の改善が期待できるうえに、治療期間も比較的短くなるため費用を抑えられるのです。薄毛の問題は非常にデリケートであり、専門の医療機関での相談へなかなか踏み出せないかもしれません。
しかし、早期治療では費用面はもちろん効果も得られやすいなどさまざまなメリットがあるため、早めに治療を開始することをおすすめします。
ジェネリック薬を使う
薄毛治療の費用はジェネリック薬を使うことでも抑えられます。ジェネリック薬は、先発医薬品の開発方法と同じ有効成分を使用して作られる薬です。先発医薬品の7割程度の価格で購入できるため、費用を抑えたい場合は使用を検討する価値はあるといえるでしょう。
ジェネリック薬を希望する際は、あらかじめ医師や薬剤師に希望する旨を伝えると良いです。
オンライン診療を利用する
オンライン診察を取り入れることでも、薄毛治療の費用を抑えられます。通院には交通費がかかることがあり、自宅から遠くなるほど交通費もかさむでしょう。オンライン診療を取り入れれば、自宅で診察を受けられるため交通費が節約できます。
ただし、オンライン診療は原則再診またはかかりつけの医師による初診のみであり、初めて受診する医療機関の場合は通院が必須です。また、オンライン診療のみでは治療を完結できないため、必要に合わせて通院しなければなりません。
オンライン診療は、治療過程で上手く取り入れて治療費用の節約に役立てると良いでしょう。
モニター制度の活用
モニター制度を活用すると、治療費を大きく抑えられる可能性があります。モニター制度は専門のクリニックを中心に行われており、治療前後の写真や感想などをクリニックへ提供する代わりに通常よりも安い価格で治療を受けられる制度です。
提供した情報は、主にWebサイトへの掲載などで集客を目的に使用されるケースが多いでしょう。ただし、モニター制度によるさまざまなトラブルも散見されるため、モニター制度を活用する際には慎重にクリニックを選ぶ必要があります。
あまりにも安い価格設定や、誇大広告が疑われるクリニックは極力避けることをおすすめします。
薄毛治療の種類
技術の進歩に伴い、薄毛治療ではさまざまな治療法が確立されています。現在の薄毛治療では、内服薬・外用薬・自毛植毛・注入治療などが行われるのが一般的です。
それぞれの治療法について、詳しく解説します。
内服薬
薄毛治療では内服薬が使用されます。薄毛の原因に合わせた内服薬を服用することで、体内から薄毛にアプローチします。薄毛の初期から使用可能で、後述する外用薬と組み合わせて使用すると、より効果が期待できるでしょう。
薄毛治療で使用される主な内服薬は以下の3つです。
- フィナステリド1mg/0.2mg:5α還元酵素Ⅱ型を阻害する男性型脱毛症の治療薬
- デュタステリド0.5mg/0.1mg:5α還元酵素Ⅰ型・Ⅱ型を阻害する男性型脱毛症の治療薬
- パントガール:髪の成長に必要な栄養素を含んだ世界初の女性用薄毛治療薬
男性型脱毛症は、男性ホルモンが5α還元酵素と結びつき活性型の男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)に変化し、毛母細胞を抑制することで起こります。そのため、男性型脱毛症に対しては5α還元酵素を阻害しDHTを体内で生成させない治療薬が使用されます。
一方、女性型脱毛症では男性ホルモンの影響を受けないことから、男性型脱毛症の治療薬はあまり意味を成しません。加えて、男性型脱毛症の治療薬には胎児の生殖器に異常を来す催奇形性が認められるため、女性への処方は禁止されています。
外用薬
外用薬の使用も薄毛に対して良く行われる治療法です。医療機関で処方される外用薬にはミノキシジルという成分が含まれています。ミノキシジルは、発毛効果が認められる数少ない成分の一つです。
血管拡張作用があり、頭皮に直接塗布すると頭皮の血行を良くし、発毛を促したり毛髪を強くしたりする効果が期待できるのです。発毛効果を実感するまでには半年程度の使用が必要ですが、唯一発毛効果を認められた外用薬として、医療機関から最も推奨されています。
また、ミノキシジル外用薬を使い始めた時期に、一時的に脱毛が増えることがあります。
自毛植毛
進行した薄毛や治療薬の効果が芳しくない場合には、自毛植毛という治療を行うケースがあります。自毛植毛は、後頭部や側頭部の毛髪を薄毛が気になる箇所へ移植する治療法です。自毛植毛には、以下の3つの施術法があります。
- ニードル法:専用の針で穴開けから植え込みまでを同時に行う施術法
- FUT法:メスで頭皮ごと毛髪を採取し移植先の頭皮へ植毛する施術法
- FUE法:パンチブレードで株ごと毛髪を採取し移植先の頭皮へ植毛する施術法
自毛植毛は毛乳頭細胞ごと移植するため、移植後は自然な毛髪と同様に伸びたり生え変わったりします。また、自分の毛髪のため拒絶反応が起こりにくいことも大きなメリットだといえるでしょう。
ただし自毛植毛の価格相場は一株1,000円~2,500円であり、500株からの施術が一般的なため、費用は500,000円前後と高額になります。
注入治療
薄毛治療では注入治療が行われるケースもあります。注入治療とは、発毛や育毛効果のある薬剤や髪の成長因子を、薄毛が気になる箇所に直接注入する治療法です。注入治療には、薬剤成分を注射器やレーザーなどで注入するメソセラピーと、髪の成長因子を注射器などで注入するHARG療法があります。
注入方法の価格相場は一回20,000円~60,000円であり、長期的な継続が必要なため、薬物療法よりも費用がかさむことがデメリットです。しかし、頭皮に直接アプローチできるため、外用薬や内用薬よりもより効果が期待できるメリットがあります。
メソセラピーにはさまざまな注入方法があり、クリニックによって採用している施術法によって価格も変動します。また一部のクリニックでは、HARG療法について一度の治療で発毛効果が持続する再生療法であると紹介しているようですが、実例が少ないため慎重に検討する必要があるでしょう。
薄毛治療は保険適用外?
原則として薄毛治療は保険適用外であり、診察料・検査費用・薬代など、治療に関する全ての費用は全額自己負担です。
健康保険では、身体に異常がみられ治療の必要があると判断できるものに関しては保険適用となります。しかし、美容目的の整形手術・妊娠・分娩・健康診断・予防接種など、疾患ではなく治療する必要がないものに関しては保険が適用されません。
薄毛は病気ではなく治療しなくても身体に支障を来さないため、美容目的の治療として保険適用外となるのです。ただし薄毛の中でも円形脱毛症や抜毛症は保険適用となるため、保険が適用されないと決めつけず、まずは皮膚科などで薄毛の原因を診断してもらうと良いでしょう。
編集部まとめ
今回は、薄毛治療の費用・費用の抑え方・治療方法などについて詳しく解説しました。
薄毛治療は長期的な治療が必要であり、基本的に治療費は保険適用外となるため、ジェネリック薬やオンライン診察などを上手に活用して費用を抑えると続けやすくなるでしょう。
薄毛治療を含む専門のクリニックでの美容医療は、効果や金銭面などのトラブルが少なくありません。
専門のクリニックで薄毛治療を行う場合には、価格だけにこだわらず、治療内容や料金プランなどについてしっかりと確認することをおすすめします。