「AGA治療薬の副作用」はご存知ですか?治療薬別の副作用・注意点も解説!
AGA(Androgenetic Alopecia)治療薬には副作用が報告されており、その影響が注目されています。
この記事ではAGA治療薬の副作用について、その頻度や代表的な治療薬別の副作用、対処法などを詳しく解説していきます。
監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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AGA治療薬の副作用はどのくらいの頻度で起こる?
AGA(男性型脱毛症)治療薬の副作用は薬によって異なりますが、多くの場合は軽度であり、副作用を経験しない方が多いことが報告されています。しかし、副作用が発生する可能性があるため、薬を使用する前には医師と十分な相談をすることが必要です。
フィナステリドのような薬物には、性欲減退・勃起障害・精子の数減少などの副作用が報告されています。しかしこれらの副作用は少数の方にしか起こりません。
一方で、ミノキシジルのような外用薬には、頭皮のかゆみ・かぶれ・頭痛・めまい・心拍数の増加などの副作用が報告されています。このように薬によって、副作用の頻度・重大度が異なります。副作用は一般に軽度であり、一時的なものが多く、重篤な副作用は非常にまれです。
ただし、副作用が生じた場合には、早期に医師に相談することが重要です。
AGA治療薬の代表的な副作用
AGA治療薬の代表的な副作用として挙げられるのは、頭皮のかぶれ・かゆみ・頭痛・性欲減退などの性的副作用です。ミノキシジルは頭皮の症状や頭痛につながることがあります。
また、フィナステリドは性欲減退や勃起障害などの性的副作用が報告されています。それぞれの副作用について詳しくみていきましょう。
頭皮のかぶれ・かゆみ
AGA治療薬の中には、使用によって頭皮のかゆみやかぶれが起こることがあります。この症状は、主にミノキシジルなどの外用薬によって引き起こされます。
ミノキシジルは、血流を増加させ毛根の成長を促進する効果があるため、AGA治療によく用いられているのです。しかし、この薬の使用に伴い、頭皮にかぶれやかゆみが生じることがあります。ミノキシジルの成分が皮膚に直接触れるため、皮膚の刺激を引き起こすことが原因です。
このかゆみやかぶれは、使用を始めてすぐに現れる場合もありますが、多くの場合は1~2週間程度で治まります。また、軽度のかゆみやかぶれであれば、使用を続けることで症状が軽減する場合があります。
ただし症状が強く、使用を続けると悪化する場合は、医師への相談が必要です。 AGA治療には、副作用があることがありますが、治療効果を得るために適切な使用法や医師の指導に従うようにしましょう。
頭痛
AGA治療薬には、副作用として頭痛などが報告されていますが、発生頻度や重症度は薬によって異なります。
フィナステリドは内服薬で頭痛の報告例はほとんどありませんが、外用薬のミノキシジルは頭痛が副作用として報告されています。しかし報告例はあまり多くなく、軽度の頭痛が生じることがある程度です。
もしも副作用でひどい頭痛が生じた場合には、医師に相談した上で薬の使用を中止するなど対処が必要です。副作用が生じた場合には、早期に医師に相談しましょう。
性欲減退
AGA治療薬の中には、性欲減退や勃起障害などの性的副作用が報告されているものがあります。代表的なものとして、フィナステリドが挙げられます。フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるテストステロンをDHTという形に変換する酵素の働きを抑制し、AGAの進行を遅らせる効果がある治療薬です。
しかし、この作用により男性ホルモンの濃度が低下し、性的な副作用が生じることがあります。フィナステリドを服用した男性のうち、約2%程度が性欲減退や勃起障害を経験するとされています。
副作用の発生頻度は人によって異なるため、必ずしもすべての人に副作用が生じるとは限りません。また、副作用が生じた場合でも、軽度のものであれば症状が改善することがあります。AGA治療薬を使用する際は、副作用についても理解し、必要に応じて医師に相談することも大切です。
治療薬別の副作用
AGA薬の代表的な副作用について紹介しましたが、使用する治療薬によっても副作用は異なります。
- ミノキシジル
- フィナステリド
以下ではこの2つの治療薬の副作用についてみていきます。
ミノキシジル
ミノキシジルは、AGA治療薬として一般的に使用されており、副作用が起こることはほとんど報告されていません。しかしながら、以下のような副作用が知られています。
- 頭皮のかゆみやかぶれ
- 血圧の上昇
- 体毛の増加
- その他の副作用
ミノキシジルは、血管を拡張する作用があるため、使用初期に頭皮のかゆみやかぶれが生じることがあります。しかし、これらの症状は通常数週間で軽減することが多いです。またその作用により、血圧を上昇させる可能性もあります。
このため、高血圧の患者には注意が必要です。さらにミノキシジルの体毛の成長を促進する作用によって、使用すると顔や体の部位に毛が生えることがあります。ただし、これらの毛は細く軟らかく通常の髪とは異なるため、使用を中止すれば元の状態に戻ることが多いです。
その他にも頭痛・めまい・心拍数の増加などの副作用が報告されています。しかしこれらの症状は比較的軽度であり、使用を中止すれば症状は改善することが多いといわれています。
ミノキシジルを使用する際には、副作用の発現に注意しながら、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。使用を中止すると当然ですが、AGAの進行が再開します。副作用がでたら自己判断で使用を中止する前に、医師に相談しましょう。
フィナステリド
フィナステリドは、一般的には副作用が起こることはあまり報告されておらず、安全性が高いとされています。しかし、以下のような副作用が報告されています。
- 性的機能障害
- 頭痛
- めまい
- 皮膚炎
フィナステリドは、男性ホルモンの一種であるテストステロンの変換を抑制する作用があります。このため、性欲低下、勃起障害、射精障害などの性的機能障害が発生することがあります。これらの症状は、使用を中止すると改善することが多いです。
その他にも、頭痛・めまい・皮膚炎などの副作用が報告されています。しかしこれらの症状は比較的軽度であり、使用を中止すれば症状は改善することが多いです。フィナステリドを使用する際には、副作用の発現に注意しながら、医師の指示に従って正しく使用することが重要です。
AGA治療薬の注意点
AGA治療薬を使用する際には、以下の点に注意が必要です。
- 医師の指示に従って正しく使用すること
- 副作用に注意すること
- 継続して使用すること
- 適切な保管をすること
治療薬の使用方法や用量については、必ず医師に相談してから使用するようにしましょう。自己判断で使用すると、予期せぬ副作用が生じることがあります。
AGA治療薬には副作用があります。フィナステリドの場合は性欲減退や勃起障害、ミノキシジルの場合は頭皮のかゆみやかぶれなどが報告されています。副作用が現れた場合には、すぐに医師に相談してください。
AGA治療薬は、継続的な使用が必要です。一時的に効果があったとしても、使用を中止すると脱毛が再び進行する可能性があります。
AGA治療薬は、高温や湿気、直射日光などに弱いため、適切な保管方法を守ることが大切です。取扱説明書に従って、正しく保管しましょう。以上の点に気をつけながら、AGA治療薬を使用することが大切です。
副作用が起こったときの対処法
AGAの治療中、予期せぬ副作用が起こる場合もあります。その際にはどのような対応を取るべきなのでしょうか。
続いては副作用が起こった時の対処法を解説します。
医師に相談する
AGA治療薬の副作用が起こった場合は、必ず医師に相談することが重要です。医師は、副作用の程度や症状に応じて、適切な対処方法を指示してくれます。また、軽度な副作用であっても、医師に報告することで、治療方針を見直せる場合があります。
自己判断で薬の使用を中止すると、脱毛の進行を招く可能性があるため、決して自己判断で中止しないようにしましょう。
副作用が出た場合には、複数の医師からの意見を聞くことも検討してみてください。副作用が重度である場合や、治療薬の使用に関する不安がある場合は、早めに医師に相談することが重要です。
減薬・薬の変更
副作用が生じた場合は、医師が適切な対処方法を指示してくれます。その中には、薬の量を減らしたり、薬を変更したりすることが含まれます。ただし、その判断は副作用の程度や症状によって異なります。
副作用が軽度の場合は、薬の使用量を減らすなどの対策がとられますが、副作用が重度である場合は、薬の使用を中止することもあります。
治療薬を変更する場合には、代替薬を使うことがあります。たとえば、フィナステリド(プロペシア)の副作用がある場合には、ミノキシジル(リアップ、ロゲインなど)に変更することができます。
ただし、薬の変更についても、副作用の程度や症状によって異なるため、医師の指示に従うようにしましょう。副作用が生じた場合には、自己判断で薬の量を減らしたり、薬を変更したりすることは避けましょう。
編集部まとめ
AGA治療薬には副作用が報告されており、治療薬によって副作用の種類や頻度が異なることが分かっています。
代表的な副作用には、頭皮のかゆみやかぶれ、頭痛、性欲減退などがあります。
特にフィナステリドには、性的な副作用が報告されています。
副作用が起こった場合は、医師に相談することが重要です。医師によっては、薬の量を減らすなどの対処法で副作用を緩和することができます。
AGA治療薬を使用する際は、治療薬ごとに異なる副作用や対処法についても知っておく必要があります。
治療を始める前に、医師と十分な相談を行い、自分に合った治療法を教えてもらうといいでしょう。