「AGAはオンライン診療」できる?処方薬の種類やオンライン診療のメリットも解説!
AGA(Androgenetic Alopecia)とは男性型脱毛症のことで、近年女性にも増えているといわれています。
AGAに対しては様々な治療法がありますが、オンライン診療も選択肢の一つです。
この記事では、AGAについての基本的な知識からオンライン診療におけるAGAの処方薬の種類や費用相場、メリットについて解説していきます。
AGAで悩んでいる方はこの記事を参考にして、自分に合った治療法を見つけてみてください。
監修医師:
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)
目次 -INDEX-
AGAもオンラインで診療が受けられる
AGA(男性型脱毛症)は、毛根の中の髪を作る細胞が減少することで髪が生えなくなる進行性の病気です。適切な治療を受けることが重要で、症状が出る前に治療を始めることが望ましいです。
AGAの治療はオンライン診療でも受けることができ、治療を受けていることを知られたくない方や近くにクリニックがない方におすすめです。
オンライン診療では、ビデオ通話やチャット機能を使って医師と遠隔でコミュニケーションを取りながら診療を受けられます。
処方される薬はオンラインでも受け取ることが可能です。ただし、正しい使用が重要なため薬剤師や医師の指示に従うようにしましょう。
オンライン診療には、時間や交通費の節約、自宅での受診などのメリットがあります。
しかし、細かな診断が受けられなかったり投薬治療しかなかったりと、デメリットもあります。オンライン診療を受ける際はご自身の希望する診断を受けられるかどうか確認しましょう。
AGA処方薬の種類を紹介
AGAの治療には内服薬や外用薬があり、それぞれ異なった効果や副作用があります。今回は、代表的な処方薬である「ザガーロ」「プロペシア」「ミノキシジル」について詳しく解説します。
ザガーロ
ザガーロは、男性ホルモンの影響による脱毛を防ぎ、AGAの進行を遅らせ髪の毛を増やすことが期待される治療薬です。
ザガーロは、テストステロンのDHT(ジヒドロテストステロン)への変換を抑制することで、フィナステリドと同様の作用機序を持っています。
1日1回の服用で効果があることが知られています。またザガーロはAGAの治療において、フィナステリドに代わる治療法として注目されている治療薬です。
ザガーロには副作用として性的機能に影響を与える可能性があります。また、脱毛・皮膚のかゆみ・発疹などの副作用も報告されています。
ザガーロの使用にあたっては必ず医師と相談し、適切な処方と投与方法を確認することが重要です。
プロペシア
プロペシアはAGAの治療薬で、フィナステリドという成分を含んだ内服薬です。
フィナステリドは、男性ホルモンがDHTに変換される過程で働く5αリダクターゼという酵素の働きを阻害することで、DHTの生成を減少させ毛根の萎縮を抑制します。
プロペシアは1日1回水で飲むことで、髪の量を増やし、毛髪の薄さや抜け毛の進行を抑制することが期待できます。
ただしプロペシアの効果が現れるまでには個人差があり、副作用も報告されています。
性欲減退・勃起障害・精液量減少など男性ホルモンに関わる副作用が出る可能性があるので注意しましょう。
その他にもアレルギー反応・うつ病・不眠症などの副作用も報告されています。使用する際は医師の指導の下で正しい使い方をすることが大切です。
ミノキシジル
ミノキシジルは、男性型脱毛症(AGA)や女性の薄毛などの治療に使用される外用薬です。
かつて高血圧治療薬としても使用されていた成分で、血管を拡張させる作用があります。この効果が、毛根に栄養を運ぶ血流を増加させて、薄毛の進行を抑制するのです。
頭皮に直接塗布する外用剤として使用され、使用期間は3か月〜6か月程度が目安で、毎日1回または2回の使用が推奨されています。
薄毛の進行を抑制するとともに、新しい毛髪の成長を促進する効果を期待できるでしょう。
ただし、頭皮のかゆみ・発疹・乾燥・炎症・かぶれなどの皮膚トラブルが起きる可能性もあります。一時的に脱毛が増加することもあるため、心配な場合は医師に相談することが大事です。
AGA治療の費用相場
男性型脱毛症(AGA)の治療費用は、治療方法やクリニックによって異なります。以下は一般的な治療方法とその費用相場になっています。
ミノキシジルの外用薬には市販のものもあり、薬剤師のいるドラッグストアなどで購入可能です。1ヶ月分の費用相場は2,000円〜3,000円程度です。
内服薬であるプロペシアは処方箋が必要で、1日1回服用することでAGAの進行を抑制する効果があります。1ヶ月分の費用相場は、4,000円〜6,000円程度です。
AGA治療に特化したクリニックでは、ミノキシジルやプロペシアをはじめ、レーザー治療やメソセラピーなどの治療法を提供しています。治療期間や方法によって費用は異なりますが、初診料や検査費用を含め1回あたり5,000円〜20,000円程度が一般的です。
植毛治療はAGAの進行が進んでしまった場合に行われる治療方法で、自分自身の毛髪を移植して薄毛部分に新しい毛髪を育てます。治療期間や植毛の方法によって費用は異なりますが、50万円〜200万円程度が必要となります。また保険が適用される場合もあるため、詳細についてはクリニックに確認することが必要です。
オンライン診療のメリット
AGA治療には通院が必要なことが一般的であり、その負担があるかもしれません。しかしオンライン診療を活用することで通院負担を減らし、より快適に治療を受けられます。この他にもAGA治療をオンライン診療で受けるメリットをご紹介します。
通院による負担がない
AGA(男性型脱毛症)の治療では、通院が一般的です。
しかし通院するためには交通費・駐車場代などの通院にかかる費用の負担、スケジュールの調整などをしなくてはなりません。
ですがオンライン診療を利用することで、通院にかかる費用が不要になり、時間的な負担も軽減されます。
またオンライン診療は、遠隔地や地方に住む患者さんでも利用でき、近くにクリニックがなくても診療を受けられます。特に地方にはAGA治療に特化したクリニックが少ないため、オンライン診療を活用することで治療の選択肢を広げられるでしょう。
ただし、オンライン診療にはリモートでの診療に伴う限界もあります。診察に必要な検査・診断や治療において、直接患者さんと接して行う必要がある場合もあります。
オンライン診療によって完全に通院が不要になるわけではないため注意しましょう。
自分の生活に合わせて予約ができる
AGAのオンライン診療には、柔軟な予約が可能というメリットがあります。
従来の通院診療では、予約時間を決める際に医療機関の診療時間に合わせる必要がありました。
しかし、オンライン診療ではいつでも予約ができます。
例えば、平日の昼間は予約を入れるのが難しい場合でも、夜間や週末に予約できます。また急な予定変更や体調不良などがあっても、予約を変更することが可能です。
薬をお家で受け取れる
AGAのオンライン診療には、薬を自宅で受け取れるというメリットがあります。
通院診療では、薬局で処方箋を受け取って薬を受け取る必要がありました。しかしオンライン診療では、医師から処方された薬を郵送で自宅に届けてもらえます。
これにより、薬を受け取るための通院や薬局への移動の手間や負担が軽減されます。また、薬局で待つ時間や薬剤師とのやり取りをする必要がなくなるため、よりスムーズに治療を進められるのです。
さらに、オンライン診療であれば、薬の再処方や追加の薬の処方も医師とのやり取りをオンラインで行えます。これにより、薬の補充や切れる前に処方箋を取りに行く必要がなくなり、治療の継続がしやすくなります。
ただし、薬の副作用や効果については、医師との適切な相談が必要です。また、薬の使用に関する注意点や服用方法についても、十分に理解した上で使用するようにしましょう。
人目を気にせずに治療を進められる
AGAのオンライン診療には、人目を気にすることなく効果的な治療を進められるという大きな利点があります。
AGAは、見た目にも影響が出るため、多くの方が深刻に悩んでいます。
しかし、通院していることを知られたくない方も多いです。オンライン診療なら自宅などで診療を受けられるため、人目を気にせずに治療を進められます。人目を気にして治療を躊躇している方にとっては、治療を受けるハードルを下げられるのではないでしょうか。
オンライン診療のデメリット
AGAのオンライン診療には、以下のようなデメリットが存在します。
- 診察や検査が不可能な場合がある
- 必要な薬を入手するまでに、通常よりも時間がかかる可能性がある
- 診療やコミュニケーションが困難になる可能性がある
- 緊急時の対応が難しい場合がある
オンライン診療では、直接対面せずに診察や検査を行うため、症状や体調の正確な確認が難しいです。
また、血液検査や頭皮の検査といった必要な検査が行えず、診断に誤りが生じる可能性があります。
治療に必要な薬を入手するまでに、通常よりも時間がかかる可能性もあるでしょう。特に初診や治療を始めて数か月の間は、治療の効果や薬の副作用を確認するために対面診療をおすすめします。
またオンライン診療はインターネットへのアクセスが必要なため、ネットトラブルにも注意が必要です。通信環境によっては診察中に音声や映像が途切れることがあり、診察に支障が生じる可能性があります。
また、緊急時の対応が難しい場合があります。オンライン診療では、緊急時に即座に対応できない場合があり、急激な症状悪化の際には自己判断や病院受診が必要となるのです。
これらが、AGAのオンライン診療に伴うデメリットとなります。AGA治療ではこれらの点を踏まえつつ、対面とオンラインを上手く使い分け、適切な治療法を選択することが肝要となります。
AGAのオンライン診療の注意点を解説
AGAのオンライン診療を利用する際には、以下の注意点に留意する必要があります。
- 診療が受けられる医療機関を選ぶ
- 正確な情報を提供する
- 医師の指示に従う
オンライン診療は、利用できる医療機関に制限があります。信頼できる医療機関を選び、医師の経験や専門性を確認することが大切です。
オンライン診療では直接診察や検査ができないため、患者自身が正確な病歴や症状の情報を提供することが重要になります。診療前には、自分の病歴や症状を整理し、的確な情報提供をできるように準備しておきましょう。
オンライン診療で処方された薬は、医師の指示に従って使用しましょう。薬の種類や使用方法について医師に十分に質問し、理解した上で使用することで副作用などのリスクを下げられます。
編集部まとめ
AGA治療において、オンライン診療は利用者にとって便利な選択肢の一つです。
- 通院の手間や負担がなく自分の生活に合わせて予約ができる
- 薬を自宅で受け取れる
- 人目を気にせず治療を進められる
このように様々なメリットもあります。ただし、オンライン診療にはデメリットも存在するため注意が必要です。
診察時の診断や処方箋の信頼性に不安があったり、診療料が高かったりなどの問題が出る可能性があるため、利用する際は医療機関の選定や情報収集が必要です。
オンライン診療に限らずAGA治療は継続的な治療が必要なものであり、定期的な診察とフォローアップが必要になってきます。
適切な医療機関の選定や継続的なフォローアップを心がけ、自分に合った治療法を見つけていきましょう。