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「EDの対策方法」はご存知ですか?費用・薬・原因についても詳しく解説!

 公開日:2023/03/08
「EDの対策方法」はご存知ですか?費用・薬・原因についても詳しく解説!

ED(勃起不全)は加齢とともに割合が増加する傾向にあり、50代になる頃には男性の過半数以上の方が経験されているといわれています。

勃起不全が原因で不妊治療を余儀なくされる場合もあるため、自分だけの問題ではなくなる可能性もあるでしょう。

この記事では、EDの対策方法や効果があるとされている薬とその費用相場、EDになる原因について詳しく解説していきます。

対策方法が気になる方はぜひご一読ください。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

EDの対策方法とは?

ランナー
EDとは、勃起が十分ではない勃起しても維持できないなどの症状のことを指します。EDの対策方法としては下記のものが挙げられます。

  • 食事や睡眠など生活習慣の改善
  • 喫煙・アルコールの摂取量を減らす
  • 適度な運動を行う
  • 専用の薬を服用する

先述した通りEDは年齢が大きく関係しています。年齢を重ねるにつれて、若い頃に出来ていたことが出来なくなるなど身体は衰えていくものです。
しかし、若返りは難しくてもキープすることは可能です。十分な睡眠時間の確保・バランスの良い食生活・適度な運動は新陳代謝や体力向上につながり、若々しさがキープできるでしょう。
また、薬物療法やその他に注射療法や精神療法があります。注射療法は、注射用プロスタンディン20など専用の薬剤を直接陰茎に注射して勃起を促すという方法です。精神療法は、EDがストレスなど心理的要因で引き起こされている場合に、カウンセリングなどで症状を緩和させる方法をいいます。
いずれの方法も、その治療が適している症例があるため、医師の指示の元で最適な方法を選択することが重要です。

ED対策の薬とは

薬手帳
EDの対策として処方される薬は主に下記の3つです。

  • バイアグラ
  • レビトラ
  • シアリス

バイアグラ

バイアグラは血管拡張作用があるため、陰茎の血流が良くなり勃起が促されるといわれています。得る効能・効果には個人差がありますが、服用後30分~1時間ほどで効果がみられることが多いため、性行為の1時間前の服用が望ましいです。食後に服用すると効果が弱まってしまうため、空腹時に服用するよう注意してください。
また、心血管疾患・高血圧・低血圧の方は合併症や副作用の恐れがあることから、服用ができないケースもあります。そのため、服用の際には必ず医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

レビトラ

レビトラには、前立腺がんの原因ともなる前立腺特異抗原(PSA)の上昇を抑制することで、勃起を促す効果が得られるとされています。バイアグラ同様、服用後から効果が発現するまでの時間は30分~1時間ほどであるため、性行為の1時間前の服用を推奨しています。
こちらも空腹時に服用するようにしてください。また、稀に副作用が起こることもあるため医師や薬剤師の指示の元、用法・容量を守って服用することが重要です。

シアリス

シアリスはバイアグラやレビトラ同様、服用後から30分~1時間ほどで効果が発現します。一見どれを服用しても同じように感じられるかもしれませんが、効果の持続時間がバイアグラとレビトラが約5時間であるのに対し、シアリスは約24~36時間と長いのが特徴です。
また、シアリスは食事の影響をほとんど受けないため、服用から逆算して食事をとるなどの手間や煩わしさがありません。ただし、他の薬と同様、正しい効能・効果を得るためにもきちんと医師の指示を聞き服用することが大切です。
また、シアリスに限らずED治療薬はいずれも硝酸剤(ニトロ)との併用は禁忌となっています。他の身体的問題を引き起こすリスクを防ぐためにも、自己判断での服用は避けるようにしてください。

ED治療薬の費用相場

電卓
EDの治療薬について前述しましたが、ED治療薬の費用は高額になるイメージを持たれている方も多いでしょう。
では実際にED治療薬の処方にはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?EDの治療に使われている主な薬はバイアグラ・レビトラ・シアリスの3種類です。薬剤のみの費用相場は、1錠でおよそ750~1,600円です。ただし、薬剤の種類や規格によって価格が異なるため、気になる方は処方箋を貰う前に医師に確認されることをおすすめします。
また、医療機関ごとに役材料とは別に処方料が加算されることも覚えておきましょう。ED治療薬は不妊治療に際するものであれば保険が適用されることになったため、負担額は全体の費用の3割となりました。しかし、個人的な使用に関する場合は保険適用外となり10割負担する必要があることを覚えておきましょう。
また、上記した3つの薬にはジェネリックも存在しています。ジェネリック医薬品を選択した場合は、薬剤料が少し下がるため負担も軽くなるでしょう。ED治療薬は保険適用外となるケースも多いですが、不妊治療に該当する場合は保険が適用されるため負担が軽減されるでしょう。予め詳細な費用について知りたい場合は薬局や病院へ直接問い合わせてみてください。

EDの主な原因

悩む人
そもそもEDになってしまう原因にはどのようなものがあるのでしょうか?EDの対策を行ううえで、きちんとその原因を突き止めて適切な治療を行うことが大切です。下記ではEDを引き起こす原因として考えられている4つの項目について詳しく解説していきます。

器質性ED

器質性ED (organic ED)は、血管疾患・喫煙・糖尿病・動脈硬化などがきっかけとなって引き起こされます。また、前立腺がんや直腸がんの手術の後遺症として引き起こされることもしばしばです。身体的な問題が原因とされていることから、薬物療法・注射療法・手術または機械的な補助が主な治療方法として挙げられます。薬剤の服用は副作用のリスクが少なからずあるため、必ず医師と相談のうえ用法・用量を守ることが大切です。

心因性ED

心因性ED (psychogenic ED)は、ストレス・不安・人間関係・うつ病など・性行為へのトラウマなど、心理的な問題が原因となって引き起こされます。心配性の方や人の目が気になる方、まじめな方が陥りやすい傾向にあるため注意が必要です。心因性EDは身体的な異常がないことがほとんどなため、精神療法や心理カウンセラーによるカウンセリングなどが適しているでしょう。まずは不安を取り除きリラックスすることが改善の近道となります。

混合性ED

混合性ED (mixed ED)は、前述した器質性EDと心因性EDの両方ともに原因があると考えられる症状です。喫煙や血管疾患がある方で、人間関係に悩んでいたり性行為へのトラウマを抱えていたりすると、混合性EDが引き起こされる可能性があります。この場合、身体的・心理的どちらの問題に対しても治療を行うことが望ましいでしょう。症状改善のためには適切な治療を行うことが大切ですので、まずは医師や心理カウンセラーへ相談されることをおすすめします。

ED対策の注意点

ドクター
EDが引き起こされる原因は身体的な問題から心理的な問題までさまざまです。身体的な問題であれば、その原因に適した治療を行っていきましょう。
生活習慣病が原因となっている場合は、食事や睡眠など基本的な生活の見直しから始めることが大切です。仕事が忙しい時期など疲労が蓄積されている場合も、EDを引き起こす原因となるため、十分な休息を取ることをおすすめします。アロマなどリラックス効果があるアイテムを持っておくのも良いでしょう。
心理的な問題の場合は、何が主な要因となっているのか、1度自分自身を見つめ直して原因を探ることが大切です。漠然とした不安を抱えていて解決方法が見つからない際などは、心理カウンセラーを頼ることをおすすめします。パートナーとの関係に悩まれているのであれば、まずはしっかりと向き合って話し合うことが大切です。EDは不妊の原因となってしまうこともあるため、1人で抱え込まずに2人で解決できるように取り組んでいきましょう。このように、1人1人の原因に合わせた治療を行うことが最も大切です。

原因に応じて治し方を変えよう

ドクター仕事
EDは加齢・生活習慣病・心因性のものなど引き起こされる原因はさまざまです。加齢や生活習慣病(糖尿病・喫煙・高血圧・脂質異常症など)が原因である際は、バランスの良い食事や十分な睡眠時間の確保など、規則正しい生活を心がけることで改善されることがあります。ストレスなど精神面への影響がある場合は、カウンセリングなどでその不安要素を取り除くことから始めてみましょう。医師やパートナーに症状を打ち明けるだけでも気持ちが軽くなることもあります。
心因性が原因となっている場合は1人で抱え込むことはなるべく避けた方が良いです。決して恥ずかしいことではないため、理解し共に問題解決に挑むことで症状の改善に向かっていくでしょう。服用しているお薬の副作用が原因と考えられる場合は、速やかに医師に相談してください。原因に添った適切な治療を行うことがお悩み改善の1番の近道となるでしょう。

編集部まとめ

男女
EDが引き起こされる原因は加齢によるものから心理的なものまで多岐にわたります。それぞれの原因に適した対策を行うことが、症状改善への近道です。

EDが原因で性行為がままならず不妊の原因となってしまうことも少なくありません。

しかし、不妊治療に該当する場合であれば薬剤の処方に保険が適用されることになったため、金銭的負担が少なく済むようになりました。

なんとなく人に話すのは恥ずかしいと病院にかかることを躊躇される方も多い傾向にありますが、医師の指導の元で適切な治療を行うことが重要です。

1人で悩まずに、まずは専門の医師に相談してみることをおすすめします。

この記事の監修医師