「がんを予防する可能性の高い飲み物」はご存知ですか?医師が徹底解説!
がんを予防する可能性の高い飲み物とは?Medical DOC監修医ががんを予防する可能性の高い飲み物・食べ物・発症のリスクを上げやすい食べ物・がん予防のために大切な生活習慣などを解説します。
監修医師:
甲斐沼 孟(上場企業産業医)
目次 -INDEX-
「がん」とは?
がんは、遺伝子が傷つくことによって起こる病気であり、一部のがんの発生にはウイルスや細菌への感染が関係している場合があります。
基本的にはがんという病気そのものが、咳せきやくしゃみなどの飛沫や、他人との接触などによって、人から人に直接うつることはなく、日々の生活習慣など、さまざまな要因でがんになると考えられています。
例えば、喫煙(受動喫煙を含む)、過度の飲酒、塩分や塩辛い食品の過剰摂取・野菜や果物をとらない・熱すぎる飲み物や食べ物をとるなどの食生活、あるいは慢性的な運動不足などの要素ががん発症の要因になるとされています。
今回は、がんを予防する可能性の高い飲み物・食べ物・発症のリスクを上げやすい食べ物・がん予防のために大切な生活習慣について、解説していきます。
がんを予防する可能性の高い飲み物
野菜ジュース
がんを抑制してくれると期待されているのが、野菜ジュースであり、その鍵となるのは、野菜に豊富に含まれるカリウムとポリフェノールです。
主に、カリウムは余分なナトリウム(塩分)を体外に出し、細胞が傷つきにくい状態にしますし、ポリフェノールは、がんの原因にもなる活性酸素の働きを抑える作用があります。この両者が体内の毒を出し、細胞を強化して代謝的に「がんを寄せつけない体」をつくるといわれています。
特に、大量の野菜は生では食べ切れないため、ジュースとして摂取するのが効率的であると考えられます。
がんを予防する可能性の高い食べ物
野菜
野菜にはがん予防に有用と思われる機能を有するいろいろな成分が含まれています。
緑黄色野菜に多く含まれるカロテン、柑橘系果実のビタミンC、トマトのリコピンなどは生体内で発生する活性酸素やフリーラジカルを消去する抗酸化作用があります。
また、キャベツやブロッコリーなどの野菜に含まれているイソチオンシアネートは、発がん物質を解毒する酵素の活性を高める作用があります。
ほうれん草などの緑葉の野菜や果物の葉酸はDNAの合成には欠かせない成分ですし、ニンニクやタマネギなどのアリウムには抗酸化作用や発がん物質の生成抑制・解毒促進作用があります。
ですから、普段の生活において、これらの野菜を積極的に摂取することで、がん予防につながる可能性があります。
がん発症のリスクを上げやすい食べ物
熱すぎる飲み物
寒い時期には、温かい飲み物をついつい飲みたくなるものですが、「温かい」を通り越して、熱すぎる飲み物や食べ物は、食道がんのリスクを高める恐れがあると指摘されています。
通常、飲み込んだ飲み物は、食道の内壁に直接触れて胃に運ばれますが、食べ物や飲み物が熱いままの状態で体内に入ると粘膜はやけどと同じ状態になります。
これにより食道の細胞が傷つき、修復や再生を行って、細胞の再生回数が増えることで 特に食道がんになりやすくなってしまいます。
特に、普段から65度以上の「とても熱いお茶」などを飲む人は、「冷たいお茶」を飲む人に比べて、食道がんを発症するリスクが2倍ほど高いと言われています。
塩分や塩辛い食品の過剰摂取
がん細胞の発生・成長を促してしまうのは「塩分」であり、塩辛い食品などの取り過ぎは、がんと明確な因果関係があるといわれています。
これまでの研究では、漬物は塩分を多く含むため胃がんの危険因子だと分かっていますし、特にピロリ菌感染者では高濃度の食塩はさらなる危険因子といわれています。
塩分のとり過ぎは、高血圧の原因となるばかりでなく、特に胃がんのリスクが上がることもいわれていますので、日々の生活で注意しましょう。
がん予防のために大切な生活習慣
加熱式タバコを吸わないようにする
加熱式たばこは、専用の道具を使って、たばこの葉やその加工品を電気で加熱し、発生する煙(エアロゾル)を吸って喫煙するものです。
加熱式たばこの種類としては、IQOS(アイコス)、glo(グロー)、ploom TECH(プルーム・テック)などが存在し、加熱式たばこは喫煙している人のおよそ20%以上が使用している現状があります。
特に、若い喫煙者では加熱式たばこを使用する割合が高い傾向があって、主に20~30代の若年層の喫煙グループでは男性で約40%、女性では概ね二人に一人が普段から加熱式たばこを吸って使用していると考えられています。
加熱式たばこは、たばこ葉やたばこ葉を加工したものを、燃焼させずに電気的に加熱することで発生した化学物質を吸入するタイプのたばこ製品であり、本邦では2013年12月から販売が開始されて、2016年頃から急速に普及してきた経緯があります。
加熱式たばこは、喫煙者本人や周囲の人々への健康影響などが従来の紙巻たばこより少ないという期待が込められる点からこれまで使用者が増加してきたと考えられますが、実際に健康影響が少ないかどうかはいまだに十分明らかになっていません。
加熱式たばこの化学成分の分析結果からは、加熱式たばこの主流煙には、多くの種類の有害化学物質が含まれていますが、ニコチン以外の有害化学物質量は少なかったと言われています。
販売開始からの年月が浅く長期間使用することによる健康影響は明らかには判明していませんが、紙巻きたばこと同様にがんになりやすいという見解もいわれています。
したがって、普段の生活で、加熱式たばこをできるだけ吸わないようにするのが、がん予防という観点から大事な生活習慣といえます。
「がんを予防する可能性の高い飲み物」についてよくある質問
ここまでがんを予防する可能性の高い飲み物などを紹介しました。ここでは「がんを予防する可能性の高い飲み物」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。
コーヒーはがん発症のリスクを高めるのでしょうか?
甲斐沼 孟(医師)
コーヒーをたくさん飲んでいる人は、肝がん発生率が低いといわれています。ただし、肝がんになる人の多くがかかっているウイルス性肝炎や肝硬変などのように肝機能が悪い状態では、カフェインを代謝する機能が障害されるために、コーヒーを飲む量が減るという報告もあります。B型かC型の肝炎ウイルスに感染していない人では、肝がんになることはまずありませんので、コーヒーをたくさん飲むことの肝がん予防におけるメリットは、ほとんどないと考えられます。
緑茶はがん発症のリスクを軽減するのでしょうか?
甲斐沼 孟(医師)
わが国の人口動態統計によると、緑茶生産地では、がん標準化死亡比が男女とも全国値と比較して著しく低いことが確認されていて、特に緑茶生産地である静岡県の中川根町では、胃がんを発症する男性の割合が全国平均の約5分の1です。
なぜ緑茶ががん予防効果をもたらすかという点に関しては、カテキンの活性酸素消去作用、抗突然変異抑制作用などが関与していると考えられていますが、いまだに詳しい解明はされていませんので今後の研究が期待されています。
編集部まとめ
日本人の死亡原因の第1位である「がん」の発生原因は、食生活の乱れや喫煙などで約70~80%に達するといわれています。
がんを完全に防ぐことはできませんが、禁煙、節酒、食生活の見直しなど生活習慣の見直しをすることなどによって、がんに「罹患しにくくする」ことはできます。
がんの病気の発生には食習慣・運動・喫煙・飲酒などの生活習慣が深く関わっていることが明らかになっていて、これらの生活習慣の改善により、がん疾病の発生を「未然に防ぐことが可能」ということも分かってきています。
日本人の2人に1人ががんにかかり、3人に1人ががんで亡くなる時代であるからこそ、がんを予防するにはまずは食生活を改善し、代謝と免疫力を高めることが重要であると考えます。
今回の情報が参考になれば幸いです。
「がんを予防する可能性の高い飲み物」と関連する病気
「がんを予防する可能性の高い食べ物」と関連する病気は2個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
消化器科の病気
- 食道がん
- 胃がん
がんの発生には、ウイルスや細菌への感染、日々の生活習慣など、さまざまな要因が関与していると言われています。
「がんを予防する可能性の高い飲み物」と関連する症状
「がんを予防する可能性の高い飲み物」と関連している、似ている症状は2個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- 胃もたれがする
- 胸やけがする
食事や運動・喫煙・飲酒などの生活習慣ががんの発生に深く関わっています。これらの生活習慣の改善により、がん疾病を発症しにくくなる状態を作ることができると言われています。