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「悪性リンパ腫の治療法」はご存知ですか?症状・種類・検査法も解説!【医師監修】

 更新日:2023/12/27
「悪性リンパ腫の治療法」はご存知ですか?症状・種類・検査法も解説!【医師監修】

悪性リンパ腫とは、リンパ球が悪性化するがんのことです。一言で悪性リンパ腫といっても、種類は細かく分けると100種類近くあります。

種類が違えば検査・治療方法は異なるので、診断時の診察・検査が重要といえるでしょう。

ここでは、悪性リンパ腫について解説します。治療方法・症状・種類についてもあわせて紹介するので、参考にしてください。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(TOTO関西支社健康管理室産業医)

プロフィールをもっと見る
大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。2023年、TOTO関西支社健康管理室産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

悪性リンパ腫とは?

白血球には下記のような種類があります。

  • 好中球
  • リンパ球
  • 単球
  • 好酸球
  • 好塩基球

これらのなかでリンパ球が何らかの要因で悪性化して発症するのが、悪性リンパ腫です。なお、発症する原因についてはほとんどわかっていません。そのため、予防が難しい病気といえるでしょう。
ただし100種類近くあるなかで、その一部ではEBウイルス・成人型T細胞白血病リンパ腫・胃潰瘍などを引き起こす病原菌との関連性がわかっています。このことから、母子感染・性行為感染・ピロリ菌感染に注意することが、予防につながるといえるでしょう。
原因菌とされているHTLV-1ウイルス・ピロリ菌の感染に注意したからといって、罹患しないというわけではないので注意してください。

悪性リンパ腫の症状

種類が多い悪性リンパ腫ですが、症状については共通する点があります。その主な共通点は下記の2つです。

  • リンパ腫の腫大
  • 神経症状

リンパ腫の腫大についてはなんとなく想像できる、という人もいるかもしれません。
しかし、神経症状についてはわからないという人もいるでしょう。ここでは、それぞれの症状について解説するので参考にしてください。

リンパ腫の腫大

リンパ腫の腫大とは、リンパ節の多い部分が腫れたりしこりができたりする症状のことです。
悪性リンパ腫はリンパ球の病気なので、多く集まる場所や生成される場所に異常をきたします。わかりやすい症状として、腫れ・しこりがあげられるのです。ほとんどのケースでは痛みはありません。
ただし、病状によっては発熱を伴う場合があります。しかし、こちらも必ずあらわれる症状ではないので注意してください。発熱よりも腫れ・しこりに注目したほうが良いでしょう。
脇の下や足の付け根などの部分にぐりぐりしたしこりのようなものを感じたら、前兆かもしれないので病院を受診してください。

神経症状

神経症状とは、具体的には麻痺のことです。リンパ腫の腫大により、脊髄などの神経圧迫が起こります。
とくに脳内に悪性リンパ腫が発症すると、麻痺などの神経症状があらわれやすいので注意が必要です。脳は全身の神経を司る中枢なので、発症すると大きなダメージがあります。手足の感覚が鈍くなったり、顔の表情が失われたりすることがあるでしょう。
脊髄でも同様のことが起こります。このような場合は緊急を要するため、即入院して治療が開始されることが一般的です。

悪性リンパ腫の主な種類

悪性リンパ腫には多くの種類があります。しかし、それらすべての罹患率が高いわけではありません。多くの症例がみられるのは下記の4つです。

  • ホジキンリンパ腫
  • MALTリンパ腫
  • 濾胞性リンパ腫
  • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

それぞれについて解説するので、参考にしてみてください。

ホジキンリンパ腫

ホジキンリンパ腫は、若い世代に多い病気です。リンパ節はもちろん縦隔に存在する肺や消化管で発症するケースも報告されています。
症状としては、リンパ節の腫れ・しこりがあげられますが、痛みは伴いません。また、頸部・鎖骨の上のくぼみのリンパ節に症状があらわれることが多いでしょう。
症状が進むと発熱・体重減少などを伴うケースもありますが、必ずしもこれらが確認できるわけではありません。自己診断がしにくい悪性リンパ腫といえます。

MALTリンパ腫

リンパ球は1種類ではありません。具体的な種類は下記の3つです。

  • Bリンパ球
  • Tリンパ球
  • NK細胞

MALTリンパ腫は、上記のなかでBリンパ球が悪性化したがんです。進行するスピードは遅く、急激に全身に広がることはないとされています。
主な症状は首・脇の下・足の付け根のリンパ節部分に腫れ・しこりがあげられますが、痛みはありません。場合によっては発熱・大量の寝汗・体重減少を伴うこともあります。
しかし、必ずこれらの症状が確認できるわけではないので注意してください。なお、胃で発症した場合にはピロリ菌が原因であることが多いとされています。
そのため、予防としてはピロリ菌感染に気をつけることが効果的といえるでしょう。

濾胞性リンパ腫

濾胞性リンパ腫は、Bリンパ球が悪性化することで罹患するがんです。進行度が遅い場合と早い場合とがあり、そのスピードによって下記のように分類されています。

  • インドレントリンパ腫:進行度が年単位と遅い
  • アグレッシブリンパ腫:進行度が週・月単位と早い

多くの場合は進行度が遅いインドレントリンパ腫が報告されていますが、絶対ではありません。一部では、アグレッシブリンパ腫に変わることがわかっています。
しかし、その条件・原因については解明されていません。進行度が遅いと思っていても、急に速くなる可能性があるので経過観察が重要といえるでしょう。
症状としては首・脇の下・足の付け根に腫れ・しこりがあらわれますが、痛みは伴わないのが一般的です。発熱・大量の寝汗など症状がみられる場合もありますが、必ず確認できるわけではないので注意してください。
また、全身に広がりやすい特徴があります。目に見えない転移が多いため、長期にわたって経過観察しなければいけません。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は、日本での発症報告が多いがんです。
「びまん性」とは散らばりやすいという意味で、その名の通り全身に広がりやすい特徴があります。病巣部分は目に見えないくらい小さいため、気づいた時にはあらゆる場所に転移していたケースも少なくありません。
その場合は、全身に治療を行うためにさまざまな治療手段が併用されます。なお進行スピードは速く、週・月単位で重症化・転移するので悪性度は高いといえるでしょう。

悪性リンパ腫の治療

悪性リンパ腫に罹患した場合、どのような治療が効果的なのか気になる人もいるでしょう。種類によっては進行度・転移度が高いものもあるため、不安になっている人もいるかもしれません。効果的とされている主な治療方法は下記の5つです。

  • 放射線治療
  • 化学療法
  • 分子標的治療
  • 造血幹細胞治療
  • 経過観察

なかには治療とはいえないものも含まれていると感じると思う人もいるかもしれません。それぞれの治療について解説するので、参考にしてみてください。

放射線治療

放射線治療は、腫瘍部分に放射線をあてる方法です。放射線照射は人体に悪い影響を及ぼす危険性があるため、必要最小限の範囲・回数・強さで実施されます。効果が認められているのは以下の2つです。

  • MALTリンパ腫
  • 濾胞性リンパ腫

ホジキンリンパ腫については、症状・範囲などによって治療方法が異なります。全身への転移が認められた場合には、実施されるでしょう。
ただし、部分的な発症の場合は行われない可能性があります。その理由は、長期的な経過観察のなかで全身に転移するかもしれないからです。
放射線は人体に負担をかけるので、病院・医師の判断で避けようとする可能性があります。そのため、ほかの治療方法が実施されることが多いでしょう。

化学療法

化学療法は、がん細胞の増殖を阻害して攻撃する薬を用いた方法のことです。一般的には、細胞障害性抗がん薬を用いることが多いでしょう。多くの病院で実施されているのは以下の4つです。

  • ホジキンリンパ腫
  • MALTリンパ腫
  • 濾胞性リンパ腫
  • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫

これらは複数の薬を組み合わせて治療を行います。開始する前に予定回数を決め、それ以上の回数を行うことはほぼありません。
すぐに効果が見られないこともあるからです。一定期間様子を見て効果が確認されれば、改めて今後の治療計画が立てられます。
また、放射線治療と並行して行われることもあり、その場合は交互に実施されるのが一般的です。

分子標的治療

分子標的治療とは、がんを増殖させるタンパク質を標的にして攻撃する方法です。一般的に使用されている抗がん剤とあわせて行うことが多いでしょう。効果が認められているのは以下の2つです。

  • びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
  • ホジキンリンパ腫

代表的な薬剤はリツキシマブで、B細胞に効果があるとされています。上記の2つはどちらもBリンパ球が関係しているので、使用されるのが一般的です。

造血幹細胞移植

造血幹細胞移植とは、自分・ドナーから採取しておいた造血幹細胞を点滴で投与する方法です。化学療法では完治が難しい場合に用いられます。効果があるとされているのは下記の3つです。

  • ホジキンリンパ腫
  • MALTリンパ腫
  • 濾胞性リンパ腫

強い副作用・合併症が生じることがあるため、多くの病院では実施に慎重でしょう。治療の最終手段と考えてください。

経過観察

治療方法として経過観察があげられていることに、違和感を覚える人もいるかもしれません。しかし、悪性リンパ腫の場合は重要な治療方法の1つとされています。
その理由はゆっくり進行するインドレントリンパ腫があるからです。この場合、長期間にわたって症状が出ないことも多くあります。長期にわたる経過観察の結果、再発・転移がなければ寛解したと診断されるでしょう。
しかし悪性リンパ腫は進行がゆっくりな場合が考えられるため、年単位での経過観察は欠かせません。そのため、れっきとした治療方法と認められているのです。

悪性リンパ腫の検査方法について

もっとも重要な検査とされているのが生検です。リンパ節・腫瘍の組織を部分的に切除して悪性の有無を確認します。確定診断も可能なので、多くの病院で行われている方法です。
全身への広がり・転移の可能性がある場合は、血液検査・尿検査などを行います。血液検査には腫瘍マーカーがあり、どの部分ががんに罹患しているのかがわかるので実施されることが多いでしょう。
さらに画像検査・骨髄検査などが行われることもあります。状態によって実施される検査は異なるので一概にこれとはいえないのが現状です。

「悪性リンパ腫」についてよくある質問

ここまで悪性リンパ腫について紹介しました。ここでは「悪性リンパ腫」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

悪性リンパ腫の予後について教えてください。

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

定期的な検診が重要です。がん細胞が消えても形が残る場合があります。するとそこから再発する可能性があるため、油断できません。長期間にわたる診察・検診を経て医師から寛解と診断されるまでは気をつけましょう。

その他の血液がんにはどのようなものがありますか?

甲斐沼孟医師甲斐沼 孟(医師)

代表的なものとして白血病・多発性骨髄腫があげられます。これらは悪性リンパ腫同様に、血液腫瘍科での診察・治療が一般的です。専門的な知識を持った医師が担当するので、早い段階での確定診断も可能になるでしょう。

編集部まとめ

悪性リンパ腫について解説してきました。

特徴的な症状としては、リンパ節の腫れ・しこりがあります。反対にいえば、自己判断できる症状はこれらしかありません。

発熱・体重減少などの症状もありますが、これらはほとんどの場合確認できないので自己判断の際には基準にならないでしょう。

リンパ節の部分にしこりのような違和感があれば、できるだけ早く病院で診察を受けてください。

「悪性リンパ腫」と関連する病気

「悪性リンパ腫」とと関連する病気は2つあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する病気

悪性リンパ腫を含めたこれらの病気は血液のがんと呼ばれています。特徴的な症状がみられない場合は、この3つの罹患を疑って診察・検査を行うのが一般的です。

悪性リンパ腫と関連する症状

「悪性リンパ腫」と関連している症状はいくつかあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

  • リンパ節の腫れ・しこり
  • 体重減少
  • 麻痺

これらのなかで、自己判断として注目すべき症状はリンパ節の腫れ・しこりです。ほかの症状は確認できないこともあります。

この記事の監修医師