【闘病】やっぱり遺伝していた「アンチトロンビン欠乏症」それでも妊娠・出産を乗り越えられた理由(2/2ページ)

アンチトロンビン欠乏症は検査でわかるので早めに検査してほしい

編集部
悠里さんの体験を通して、医療従事者にお伝えしたことや希望したいことなどはありますか?
悠里さん
患者さんは、医師に言われた治療に沿うしかありません。もう少し患者さんと先生が対話し、ほかの医師とも意見を共有していろんな治療方法を検討できる体制ができればよいなと思いました。
編集部
ご自身の経験を通じて、同じような症状に悩む女性、妊活中の女性に伝えたいことを教えてください。
悠里さん
もしご両親に血栓症を発症した方がいる場合は、遺伝性の病気が潜んでいるかもしれません。私自身も検査するまでに自覚症状がなかったのですが、妊娠中に母体と赤ちゃんを危険にさらさないためにも、血液検査で早めに確認してほしいです。
編集部
最後に記事の読者へ向けてメッセージをお願いします。
悠里さん
アンチトロンビン欠乏症の方はとにかく妊娠することも妊娠中もハイリスクで、治療も毎日のことで大変と言われています。治療は辛いかもしれませんが、10カ月頑張れば最後に最高の幸せが待っていて、報われる瞬間が訪れます。私も頑張った分、治療をしないと簡単には生まれてこなかった我が子が、なによりも可愛くて愛おしいです。「子どもがほしいけど難しいよね」と思っている人も、諦めないでください。
編集部まとめ
今回は妊娠中にアンチトロンビン欠乏症と診断されながらも、治療の甲斐あって無事に子供の出産を迎えられた悠里さんにお話を聞きました。アンチトロンビン欠乏症は遺伝性疾患で大きく分けて2種類(Ⅰ型とⅡ型)があり、いずれの型も血栓症の発症リスクを持ちます。しかし、全体の約35%の方で、生涯にわたり血栓症を発生しない場合もあり、血栓症を発症する人(全体の約65%)も、男性では手術や外傷が、女性では妊娠などがきっかけとなって血栓症を発症する場合が多いようです。血液検査で比較的簡単に判明するため、家系に血栓症や塞栓症を発症した人がいる方は、一度検査を受けておくことをおすすめします。適切に対応すれば今までに近い生活を送れるので、早めに診断と治療を行うことが大切です。
なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。


