【闘病】まさか自分が? 4カ月前の「異常なし」から“悪顔”の『乳がん』発覚へ

会社の健康診断で異常は見つからず、突然の乳がん告知。その日常を大きく変える出来事の中で、A.Yさん(仮称)は自分の身体の声に耳を傾け、前を向き続けてきました。現在も副作用と向き合いながらも、穏やかな日々を取り戻しつつあるA.Yさんに、治療と向き合う闘病の日々を経て感じた「気づき」、そして医療従事者への感謝の気持ちについて語ってもらいました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年6月取材。

体験者プロフィール:
A.Y(仮称)
2024年4月にHER2陽性乳癌ステージⅠ診断、同月より抗がん剤治療開始〜2024年8月まで6クールおこなう。2024年9月に手術にて部分切除、2024年12月から計16日間放射線治療に通う。術後の分子標的薬は10月〜2025年4月まで3週間に1回投与、計10回。
直感を信じ、すぐに専門クリニックへ

編集部
病気が判明した経緯について教えてください。
A.Yさん
ある日、お風呂から出て下着をつける際に、自分の左胸にしこりがあることに気がつきました。それがことの始まりです。
編集部
しこりに気がついてから、どのくらいで病院を受診したのでしょうか?
A.Yさん
なんだか嫌な予感がして、次の日には病院を調べて受診しました。さまざまな検査をしてくれる乳腺クリニックへ行きました。エコー、マンモグラフィ、針生検を受けました。
編集部
診断がついたときの心境について教えてください。
A.Yさん
「がんかぁ……。まさか自分が?」という気持ちでした。しこり以外の自覚症状などはまったくなかったです。
治療のつらい日々を乗り越えられたのは、周囲の人々の支えがあったからこそ

編集部
どのように治療を進めていくと医師から説明がありましたか?
A.Yさん
がんの顔つきが悪く、進行が早めだったので、まず術前抗がん剤治療をおこない、その後、手術を経て放射線治療になると説明を受けました。
編集部
具体的に抗がん剤治療ではどのようなことをおこなったのでしょうか?
A.Yさん
初回の入院時に点滴を受けました。その後は、通院で3週間に1回のペースで、計6クール、4種類の薬を点滴で投与しました。1回の投与には約4時間かかるため、終了時には毎回ぐったりしていました。また、抗がん剤による脱毛を軽減する目的で、頭皮冷却療法も併用していたため、抗がん剤を受ける日は病院におよそ6時間滞在していました。
編集部
手術と放射線治療ではどのようなことをおこなったのでしょうか?
A.Yさん
手術では、組織を部分切除しました。術前の抗がん剤治療によって、がんそのものは確認できないほど小さくなっていましたが、もともとの位置周辺の組織を摘出しました。術後は、動くのもつらいほどの痛みがありましたが、日に日に回復し、手術から3日で退院できました。
編集部
放射線治療はどのように進んでいったのでしょうか?
A.Yさん
その後、術後2カ月ほど経ってから放射線治療を開始しました。通院で、週5日間・約3週間(合計16日間)にわたって受けました。治療初日には、照射位置の確認と、毎回同じ場所に照射できるようマーキングをおこないましたが、それ以降の治療は毎回約5分で終わりました。痛みも熱さもなく無痛でしたが、肌は徐々にこんがりと焼けたように黒くなっていきました。乾燥も強くなったため、保湿をしっかりおこなっていました。
編集部
発症後、生活にどのような変化がありましたか?
A.Yさん
会社を休職し、治療に専念することにしました。特に抗がん剤治療の期間は最もつらく、「何なら食べられるのか」「どの食べ物が身体によいのか」といったことに常に気を配るようになり、口にするものを慎重に選ぶようになりました。
編集部
闘病に向き合う上で心の支えになっているものを教えてください。
A.Yさん
家族やパートナー、会社の同僚や友人たちの支えが、本当に大きな力になりました。特に抗がん剤治療中は、点滴の翌日から約10日間は体調が悪く、ほとんど寝て過ごす日が続いていたため、生活のすべてを支えてくれた母の存在が何よりも大きかったです。常に胃腸の調子も優れず、食べられるものが限られる中で、母が工夫しながらいろいろな料理を作ってくれたことが、本当にありがたかったです。
編集部
もし昔の自分に声をかけられたら、どんな助言をしますか?
A.Yさん
「もっと自分の身体を大切にしてほしい」です。
早期発見の鍵は“日々のセルフチェック”にあり

編集部
現在の体調や生活などの様子について教えてください。
A.Yさん
現在は、治療はひと通り終わっており、大きな副作用もありません。ただ、指先にわずかに末梢神経のしびれが残っていたり、足の親指に爪周囲炎があり少し痛みを感じたりすることがあります。こうした小さな影響はまだあるものの、日常生活には大きな支障はなく、穏やかに過ごせています。
編集部
医療従事者に望むことはありますか?
A.Yさん
私がお世話になった病院の医師や看護師のみなさんは、本当に優しく、常に寄り添ってくださいました。おかげで、とても大きな力をもらいました。治療中は、ちょっとした経過に一喜一憂してしまい、精神的にも不安定になることがあります。だからこそ、こうした気持ちに寄り添い、支えてくださる存在は本当に心強いです。これからも、患者の心に寄り添う姿勢を大切にしてもらえたら嬉しいです。
編集部
最後に、読者に向けてのメッセージをお願いします。
A.Yさん
乳がんの経験・治療を通して、「自分の身体の変化に自分で気づく」ことが何よりも大切だと実感しました。私自身、会社の健康診断は毎年受けていましたが、その健康診断からわずか4カ月後という短期間でがんが見つかりました。しかも、ほんの数カ月で大きくなるタイプのがんだったのです。「健康診断を受けているから大丈夫」と安心するのではなく、日々のセルフチェックが本当に大切だと感じました。自分自身の小さな変化に気づくことが、早期発見につながる一番の手掛かりになると思います。
編集部まとめ
治療を終えた現在、A.Yさんは穏やかな日常生活を取り戻しつつあります。支えてくれた人々への感謝や、丁寧な診療への信頼を語りつつ、セルフチェックの重要性を呼びかけます。日々の小さな違和感への気づきが、命を守る第一歩になると伝えています。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

記事監修医師:
寺田 満雄(名古屋市立大学病院乳腺外科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。



