【闘病】検査で”良性”だったはずなのに… 「乳がん」に奪われた肉体の一部と日常生活(2/2ページ)

がんの手術が終わってからも大変な日々が待っていた

編集部
現在の体調や生活について教えていただけますか?
石川さん
現在、タモキシフェンというお薬を使ったホルモン療法をしています。この薬は5年から10年飲み続けなければならないのですが、今1番つらいのは、タモキシフェンの副作用です。私の場合、関節痛が酷く、抑うつ状態になり、全身倦怠感もあります。そのせいでしばらく寝込んでいた時期もありました。今は薬でコントロールしている状態です。また、乳房再建のためにエキスパンダーという器具で、大胸筋と皮膚を伸ばしているのですが、そのエキスパンダーの違和感が凄くてつらいです。胸に鉄板が張り付いている感覚で、つらくて、乳房再建をやめようかと思ったこともあります。
編集部
がんは手術をして終わりではないということですね。石川さんが日々の生活で心がけていることや取り組んでいることも教えてもらえますか?
石川さん
手術前は、「がんを取ってしまえばそれで解決」と思っていましたが、手術後の方が乗り越えなければならない試練が多かったです。そんな日々の中でも楽しいことを見つけて、生活するように心がけています。最近ですと副作用に悩まされながらも、2024年12月には趣味のヴァイオリンの発表会に出ました。そして、2025年2月には海外旅行でブルガリア、ルーマニアに行ってきます。
編集部
がんという病気について、自身の体験から人々に知ってもらいたいことはありますか?
石川さん
病気はいつ起こるか誰にもわかりません。それは重要なライフイベントと重なることもあるかも知れません。ですから、健康が当たり前だと思ってはいけません。健康な今だからこそ、当たり前の生活ができていることをわかってほしいです。病気になると人生が一変します。今からでも始められる病気予防対策があったら、まずはやってみてください。「病気で苦しむ人が減ればいいな」と、「がんなら早期発見できる人が多くなればいいな」と心から願っています。
編集部
石川さんから今後の医療従事者に期待することなどはありますか?
石川さん
私自身も看護師、保健師の資格を持つ医療従事者ですが、病気になってわかったことも多くありました。だからこそ「患者さんにもっと優しくしたい、励ましたい」と思いました。患者さんも同じ病気を持っても元気に働く医療従事者がいたら、きっともの凄く励みになると思います。ただ、私も医療従事者として経験があるのでわかりますが、医療現場は過酷な労働を強いられています。そんな中で、病気を抱えながら働くことは大変なことです。医療従事者として望むことをいうならば、働く人にとって医療現場がもっと負担の軽い場所になれば、病気を抱えながらでも働ける人が増えるのではないでしょうか。そして、患者もそんな頼もしい医療従事者がいたらつらい治療も頑張れそうです。
編集部
それでは最後に、読者の人に向けてメッセージをお願いできますか。
石川さん
がんは私から肉体の一部を奪いましたし、健康なときの当たり前の生活も奪った憎い存在です。それに残念ながら毎年多くの人が亡くなっています。まずは検診を受けて、早期発見、早期治療を目指してください。がんのリスクが高い生活習慣も見直してください。そして、もし仮にがんになってしまったとしても、死を迎えるまでに少しでも時間があるはずです。その時間を大切にしてください。病気の人も病気でない人にも平等に死は訪れます。私はそう考えることで闘病生活を乗り越えています。皆さんも、「楽しくて素晴らしい人生だった」と最後に思えるような日々を送ってもらいたいと思います。最後まで読んでいただきありがとうございました。

記事監修医師:
寺田 満雄(名古屋市立大学病院乳腺外科)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。
編集部まとめ
近年、乳がん治療は進んでおり、さまざまな治療法が確立されるとともに生存率も上昇しています。しかし、石川さんのようにステージⅠの段階でも、乳房全摘術が適応になるケースはあります。患者にとって大事な体の一部を失うことは、とてつもない絶望感が襲ってくるものです。石川さんが経験したことを多くの人が知り、「これはおかしいのでは?」と感じたら、直感を信じてセカンドオピニオンを依頼する勇気を持ちましょう。自分の体は自分が最もよくわかっていますから、小さな違和感でも見逃さないことが大切です。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。





