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【闘病体験】「”卵巣がん”告知が他人事のように聞こえた」余命宣告を受けて気づいた、当たり前への感謝(2/2ページ)

 更新日:2025/06/16

当たり前に感謝して、好きなものや大切な人に囲まれて好きなことを楽しみたい

当たり前に感謝して、好きなものや大切な人に囲まれて好きなことを楽しみたい

編集部編集部

治療後に体調面で変化を感じたこと、生活で気を付けていることはありますか?

yukiさんyukiさん

一番の変化は、TC療法を重ねるごとに強くなった手足の痺れです。両足の脱力感や足の裏の感覚、疲れやすさも本当につらいです。生活面では、体調の良い日に家事などで動くこと、これまでよりも水分摂取も意識しています。味覚障害もひどい時は食べられるものが極端に偏ってしまうので、症状が落ち着いた時は栄養バランスに気を付けて食事をします。

編集部編集部

治療中に心の支えになっていたもの、好きなものはなんでしょうか?

yukiさんyukiさん

大好きなアーティストです。入院中は長年の大ファンのLIVE DVDを持ち込み、オペ前日の緊張する時、不安や不眠の時にも元気をもらっていました。副作用でベッドから動けなくて不安や孤独を感じた時も、歌に涙したり癒されたりしていました。そして、もちろんですが、子どもたちも私にとって一番大きな心の支えになっています。私の人生を変えてくれた大切な人の存在もあり、多くの人に支えられてきたと思います。

編集部編集部

卵巣がんについて、よく知らないという人に向けて伝えたいメッセージをお願いします。

yukiさんyukiさん

卵巣がんは症状が出にくく、気がついたら進行してしまいますし、私自身も症状が出てからの受診で初めて発覚しました。私の母も検診でごく初期の多発性骨髄腫が見つかり、壮絶な闘病生活を送っていました。定期検診で見つかるケースとそうでないケースもあるので、何が正解かはわかりません。しかし、体に不調があって「いつもと違うな」と感じた時は我慢せずに受診してください。

編集部編集部

医療従事者に伝えたいメッセージはありますか。

yukiさんyukiさん

卵巣がんと急に診断された時、患者はとても不安になりどうすれば良いかわからなくなります。人生が大きく変わる場面で、治療内容や病気について理解できるサポート体制や困ったときの窓口(がん相談支援センター)の強化などに力を入れていただきたいです。がんの告知を受けて自殺してしまう方もいますから、告知を受けてから「その先」の連携体制強化が非常に重要だと私自身の体験を通して感じました。

※参考:がん情報サービス, 「がん相談支援センター」とは

編集部編集部

最後に読者向けのメッセージをお願いします。

yukiさんyukiさん

私はがんになりましたが、世の中にはがん以外にもさまざまな病気があります。罹患してから見るものが180度変わり、景色も人間関係も目にするものすべてが大切に思えるようになりました。私の場合、残された余命をどう生きるか、明日が当たり前にやってくるものではなく、いつなくなるかわからないからこそ「残された人生を好きに生きる」ことを大事にしたいと思うようになりました。綺麗ごとに聞こえるかもしれませんが、がんになったことでどんなことにも感謝するようになりました。病気が「もうこれ以上無理して頑張らなくていい」「ゆっくりしなさい」と教えてくれたと思っています。この記事を読んでくださったみなさんも、私の体験を通して少しでも何かを感じ取ってもらえれば幸いです。

編集部まとめ

卵巣がんは女性特有の疾患で、毎年約13000人以上が新たに罹患しています。卵巣はお腹のなかで大きくなっても気づかないことが多いため、進行してから発見されるケースがほとんどです。症状も無自覚に進行することがほとんどで、進行してもがん特有の症状がない点も早期発見を難しくしています。最近太ったな、服が入りづらくなったなど「普段と違うな」「ちょっと気になる」などの違和感があれば、早期に産婦人科の受診を検討しましょう。

なお、Medical DOCでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

この記事の監修医師