【闘病】原因不明の高熱と倦怠感… 動けず救急搬送された30代女性をむしばむ『SLE』

今回登場するのは、「全身性エリテマトーデス(SLE)」と闘病中のK.S.(仮称)さんです。これまでK.S.さんは、胃痛や高熱、倦怠(けんたい)感、脱毛など、さまざまな症状に苦しめられてきました。救急搬送された病院でSLEと診断された彼女に自身の闘病体験を聞きました。
※本記事は、個人の感想・体験に基づいた内容となっています。2025年6月取材。

体験者プロフィール:
K.S.さん(仮称)
しんどい症状があっても「原因不明」ばかりだった

編集部
初めに、病気が判明した経緯について教えてください。
K.S.さん
2023年8月ごろから胃痛を感じるようになり、内視鏡検査を受けたところ「軽い逆流性食道炎」と診断されました。もともと風邪をひかない体質なのに、頻繁に40℃近い高熱が出るようになり、熱がないときでも強い倦怠感が続いていました。しかし、検査入院をしても原因は分かりませんでした。さらに2024年7月ごろからは急激に体調が悪化し、安静時にも過呼吸が起きるようになって……。脱毛に加えて精神的にも不安定になり、「仕事のストレスからくるうつ病かもしれない」と思い、心療内科や精神科などのクリニックを受診して薬を処方してもらっていたんです。その後も症状は進み、ついに夜も眠れなくなり、自力でトイレに行くことすらできなくなって救急車を呼びました。そして、救急搬送された大学病院を経て、転院先の病院でようやく「SLE」という診断がつきました。
編集部
病気が判明するまでに1年近くかかっています。SLEと診断を下された時の心境はどのようなものでしたか?
K.S.さん
原因不明のつらい症状が続いていたので、病名が判明してきちんと治療を受けられることに安心しました。私は、シェーグレン症候群(涙や唾液が減り、目や口が極端に乾燥するなどの症状が出る自己免疫疾患)も患っていて、SLEには何となく怖いイメージを持っていました。診断前の症状がしんどかっただけに治療も大変だろうと思っていましたが、主治医から「寛解が目指せる」という言葉を聞き安心しました。
編集部
医師から治療方針について、どのような説明があったのでしょうか?
K.S.さん
治療方針については、「ステロイドの大量投与を行った後、さらにステロイドパルス療法(短期間に大量のステロイド薬を点滴し、強力に炎症を抑える治療)も行う」という説明を受けました。また私の場合、重度のSLEということもあって「2~3カ月の入院が必要」とも言われました。
2週間の寝たきり生活が不安を増大させた

編集部
症状が表れてから、生活はどのように変化しましたか?
K.S.さん
「肺高血圧症(心臓から肺へ血液を送る血管の血圧が高くなり、心臓に大きな負担がかかる病気)」を合併していたため、少し動くだけでも息が苦しく、仕事に行くことがとてもしんどくて。2024年8月から急激に体調が悪化したこともあり、休職を余儀なくされました。当時は、家でじっとして過ごす日々で精神的にもつらかったですね。家事もできなくなり、夫に任せきりでした。
編集部
現在の体調はいかがですか?
K.S.さん
入院前のつらさがなくなり、しんどさを感じません。体力も戻り、買い物にも行けて、普通の日常生活を送っています。体調管理をしながら、外へ遊びにも行けています。今は、復職に向けて体力作りに努めているところです。
編集部
入院期間中の思い出深いエピソードがあったら教えてください。
K.S.さん
まずは、病院まで1時間くらいかかるのに、夫と両親が休みのたびに見舞いに来てくれたことですね。私のことを心配してくれて、本当に感謝しかありません。また、大部屋の同室者がとてもいい人で、仲良くしてくれたことも助けになりました。退院後も何度かランチに行っており、今でもお付き合いをしています。
編集部
もし昔の自分にアドバイスできるとしたら、どのようなことを伝えたいですか?
K.S.さん
救急搬送された後、薬の影響により2週間寝たきりで筋力が落ちてしまい、座ることもできなくなりました。不安で胸がいっぱいだった当時の自分に、「元に戻るから大丈夫」と伝えたいですね。
編集部
医療従事者に望むこと、期待することはありますか?
K.S.さん
入院中、看護師さんが私を気に掛けてくれて、穏やかに過ごすことができました。個室で動けなかった時は孤独だったので、とてもありがたかったことを今でも覚えています。日々の業務で忙しいとは思いますが、少しでいいから患者さんと会話をしてほしいですね。それだけで患者さんの心は救われると思います。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
K.S.さん
「SLEは完治しない」と世間でいわれているものの、今はいろいろな薬が登場し、発症しても寛解が十分期待できる病気です。寛解すれば、健康時とほとんど変わらない生活を送ることができます。私は症状が表れてから、何件も病院を受診しました。諦めずに受診し続けることで、本当の原因が判明する日がきっと来ます。何事も諦めない姿勢が大切だと思います。
編集後記
SLEは、国から難病指定も受けている疾患で、国内には推定で10万人ほどの患者がいるとされています。男女比では女性が9割と非常に多く、K.S.さんのように若年であっても発症するため、女性は特に警戒すべき疾患といえるでしょう。一方で、早期治療につながれば寛解が期待でき、長期的に安定した生活に戻ることも可能です。心当たりがある人は早期受診を心掛けてください。
本稿には特定の医薬品、医療機器についての記述がありますが、情報提供のみを目的としたものであり、医療上の助言や販売促進などを目的とするものではありません。
なお、メディカルドックでは病気の認知拡大や定期検診の重要性を伝えるため、闘病者の方の声を募集しております。皆さまからのご応募お待ちしております。

記事監修医師:
田島 実紅(医師)
※先生は記事を監修した医師であり、闘病者の担当医ではありません。


