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交通事故のむちうち治療はどこで受ければいい?初期症状・治療方法・リハビリで行われることについて解説

 公開日:2023/12/14
むちうち・首こり②

交通事故は日常生活の中で常に存在するリスクの一つです。巻き込まれてしまい打ち身や骨折といった外傷が出る怪我は、日常生活に大きな打撃となります。

しかし目には見えない怪我もあり、発見がしにくいばかりか放置すると長期的な痛みや炎症に悩まされることも珍しくありません。

今回は交通事故が起因となるむちうち治療はどこで受ければいいかを解説します。

ご自身だけでなく家族や知り合いの方が被害にあった際も、参考にしていただければ幸いです。

郷 正憲

監修医師
郷 正憲(徳島赤十字病院)

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徳島赤十字病院勤務。著書は「看護師と研修医のための全身管理の本」。日本麻酔科学会専門医、日本救急医学会ICLSコースディレクター、JB-POT。

交通事故のむちうち治療はどこで受ければいい?

考えごとをする日本人女性
交通事故に起因するむちうちの治療を受ける場合、まず候補にあがるのは整形外科です。
交通事故の被害にあった直後で自覚症状がない場合は、総合病院や大学病院といった複数の医療が受けられる場所も有効な選択肢になります。
また初診を総合病院で受けた後でも、通院の負担等を理由にすることで転院することは可能です。
その際は紹介状を書いてもらうと、転院後の治療がスムーズになります。可能であれば紹介状を書いてもらいましょう。
むちうちの治療方法として整骨院の通院も有効な手段の一つですが、MRIやレントゲン検査といった技師を用いる検査が受けられません。
そのため詳しい検査を受けるために、最初は病院の受診を受けましょう。

むちうちの初期症状

指さす笑顔の女医
むちうちは初期症状が複数存在します。また事故直後には自覚症状が出ず、時間が経ってから出てくるケースも珍しくありません。
個人差はありますが、事故から2-3日後に痛みが出てくるケースが多いです。
むちうちにより痛みが出る原因として、首が鞭のようにしなることで発生する首や頸椎の捻挫が考えられます。
首や頸椎には様々な周辺の神経が存在するため、捻挫によって傷つくことで現れる痺れや痛みがむちうちの一般的な症状です。
ここからはむちうちの具体的な初期症状について解説していきます。

首の痛み

レントゲン 大腿骨骨折
むちうちの初期症状として代表的なものは首の痛みです。
痛みといっても様々な種類がありますが、寝違えのように同じ個所の痛みではなく痛みを感じる位置が変化することがあるのが特徴にあげられます。
また安静にしていると痛みを感じる場合や、首の痛みと並行して頭痛や眩暈といった体調不良を感じる場合もむちうちの初期症状であることが疑われます。
交通事故にあった直後は感じなかった不調を感じたら、速やかに最寄りの整形外科での診断を受けましょう。

上肢のしびれ

首や頸椎に強い負担がかかることで発生するむちうちの症状は、首だけでなく上半身全体に症状が出る場合もあります。
具体的には首・肩・腕といった部分にも痺れが残り、日常生活に支障をきたすケースです。
これらの症状が出る原因として、首や頸椎といった神経が集まる部分に負担がかかったことで上半身全体に痛みが広がることが原因とされています。
掛かる負担として代表的な原因は、首や頸椎にゆがみが生じて神経が圧迫されることです。
これらの痛みはくしゃみや咳といった日常的な行為でも痛みが生じ、結果として不眠症を始めとする他の不調につながることも珍しくありません。

首が動かしにくい

肩こりがひどい女性
むちうちの症状として首が動かしにくくなるというものがあります。
これは負傷が原因で首・肩に痛みが生じ可動域が制限されることで起こる症状です。
可動域に制限がかかるこの症状は頸椎捻挫とも呼ばれ、むちうち症の多くはこれに該当します。
首が動きにくくなる症状が出た場合それに合わせ耳鳴りや吐き気といった首以外の症状が発生する場合も多く、日常生活に様々な悪影響が懸念される危険な状態です。

むちうちの治療方法

問診票を持つ女性医療従事者 診察する
むちうちは主に捻挫が原因となるため、治療方法も一般的な捻挫に近い方法で行います。
患部の炎症を抑えることが治療の初期段階では非常に重要です。
ここからはむちうちの治療方法について解説していきますが、実際の治療は病院の方針にしたがって行いましょう。
自己判断で治療を行わず、主治医と相談することが短い期間で完治するためには必要不可欠です。

消炎鎮痛剤の服用

整形外科で処方を受けることができる薬の中でも、消炎鎮痛剤は痛みを和らげる効果を期待できます。
使用される薬は大きく分けて ステロイド系と非ステロイド系の二種類です。非ステロイド系は痛み止めとして広く用いられており、ロキソニンやボルタレンといった薬品が該当します。
使用する痛み止めによっては胃腸に悪影響を及ぼす場合があるため、胃腸に不安がある場合は医師にそのことを伝えておくとよいでしょう。
ステロイド系は痛みの原因となる炎症を起こす物質を作らせないようにする働きを持っているため、短期間の服用であれば副作用が少ないのが特徴です。
長期間の治療が必要になる場合は、非ステロイド系に切り替える必要があります。

患部に湿布を貼る

問診票を持つ女性医療従事者 診察する
患部に湿布を貼ることも、むちうちの治療法として効果的です。消炎鎮痛剤の欄で解説した、非ステロイド系の鎮痛剤であるロキソニンが布に含まれています。
患部に貼ることで皮膚から鎮痛剤を浸透させるのが、湿布によって期待できる効果です。
湿布には大きく分けて温湿布と冷湿布の二種類が存在します。効果はどちらも変わらないため、使いやすい方を選択しましょう。
湿布を利用することによる副作用として、湿布かぶれというものが存在します。湿布に含まれる成分による刺激で、貼った個所に痒みを伴う湿疹が出る症状です。
そのほかにも副作用が出る場合があるため、使用上の注意を守り使用しましょう。

神経ブロック注射

神経ブロック注射は注射を行う場所が血管ではなく、名前の通り神経に注射する治療法です。
この際注射するものは局所麻酔薬と呼ばれるものが多く、場合によってはステロイドが使われる場合もあります。
注射された薬によって痛みが和らぐ時間は長くても20分程度ですが、痛みを一度取り除くことで痛みに反応した炎症等を抑える効果が期待できます。
保険適用で受けることのできる治療法ですが、神経や神経周囲に注射を行う必要があるため神経損傷のリスクがある点は留意しましょう。

むちうちのリハビリで行われること

整骨院でカウンセリングする整体師・医者
むちうちの完治に欠かせない要素として、リハビリがあげられます。
治療によって首の炎症を抑えた後、首や頸椎といった部分をこれまで通り動かせるようにするには可動域を広げる訓練やストレッチが欠かせません。
リハビリは投薬や直接患部への治療中だけでなく、治療が終わった後に残ってしまった後遺症を改善するためにも用いられます。
治療が終わった後も痛みが残っている場合は、整形外科のリハビリを活用しましょう。

温熱療法

温熱療法とは首の筋肉を温めることで痛みを和らげたり、首の周辺の血流をよくすることで痛みを取り除く療法です。
温熱療法として利用される手法としてホットパック・赤外線・マイクロ波等が挙げられます。
ホットパックはゲル状の素材をパック詰めし、それをお湯で温めた後患部に装着し温めます。マイクロ波を使った治療法も行うことはホットパックと同じく患部を温めることが目的です。
ホットパックは皮膚を中心とした浅い部分に効果があるのに対し、マイクロ波は筋肉の深いところまで届きます。
体質や過去受けた治療によって施術の効果が薄くなる場合がありますが、蒸しタオルでのセルフケアが自宅でもできるため病院の外でも行える点が特徴です。

牽引療法

牽引療法は頸部が患部である場合に用いられる療法で、人の手で行われる徒手牽引と機械牽引の二種類に分かれています。
牽引療法で期待できる効果はむちうちによって圧迫された頸椎周辺の神経への負担を軽減し、痛みを和らげることです。
頸部をゆっくりと引っ張ることでストレッチのように筋肉をほぐす効果も期待できます。
患部に対して直接的に力を込める必要があり、かえって逆効果になってしまうケースもあるため、この療法を希望する場合は実績のある医院を探すところから始めましょう。

電気療法

電気療法は筋肉に対して外部から電気を流すことで、筋肉を動かしたり痛みを和らげることを目的とした療法です。
痛みを取り除くことを目的とした電気療法はTENS(経皮的電気刺激療法)と一般的に呼ばれ、皮膚から神経に伝わる低周波の電波を用います。
欠点として低周波を用いる場合、皮膚の抵抗が強いため施術中や施術後にやや痛みが伴う点です。
EMS(神経筋電気刺激療法)は電気を流すことで筋肉を収縮させ、動かしていなかった部位の筋肉を刺激する効果があります。
こちらは筋肉を動かすことが目的となるため、TENSよりも疲労を感じやすいのが欠点です。
リハビリとして電気療法を受ける際は週に2-3回程度受けることでより効果を発揮します。電気療法を選択する際は通院しやすい場所を選択しましょう。

運動療法

運動療法は治療中に衰えた部位の筋力を補うものや、首周辺の関節に負担を掛けないように行うストレッチなどが挙げられます。
通院し病院内のリハビリステーションで行う場合もありますが、自宅で行う運動を指導してもらうことも可能です。
運動療法は傷ついた部位へのケアだけでなく、むちうち発生後の緊張状態になりやすい身体をリラックスさせることにもつながります。
傷ついた場所を保護しようと体が緊張状態を維持し続けてしまい、怪我した場所以外にも無駄な負荷がかかりだるさを感じるケースは珍しくありません。
むちうちになった箇所のケアだけでなく、身体全体をこと故前に戻すためのトレーニングが運動療法の持つ大きな役割の一つです。

むちうちの治癒期間

体調不良の女性
むちうちは症状を自覚してから2-3ヶ月で治癒するのが一般的ですが、人によっては治癒に半年以上かかる場合もあります。
これは負傷した部位や負荷によるものだけでなく、事故による心因的ストレスも深くかかわってきます。
まず事故があった直後は安静にしておく必要がありますが、体を一切動かさないでおくと肉体にストレスがかかるため多少体を動かすことは問題ありません。
主治医と相談し行動や仕事の復帰は相談しましょう。その後は通院や自宅で行うリハビリを数か月行い、むちうち発症前の状態に戻していきます。
効果を実感できるまで時間がかかる場合もありますが、地道に行っていくのが快方に向かう近道です。

交通事故以外のむちうちの原因

女医
むちうちになる原因として代表的なものは交通事故によって頸部に強い負担がかかることですが、それ以外でもむちうちが発症する場合があります。
症状を自覚するまで数時間から数日かかることも珍しくないむちうちは、日常生活で発生した場合肩こりを始めとする他の症状と誤認してしまうケースは珍しくありません。
ここからは、交通事故以外のむちうちの原因になる事例をいくつか解説していきます。

激しいスポーツ

交通事故に並びむちうちの発生に繋がりやすいものは、アメリカンフットボールやラグビーといった身体接触が激しいスポーツが代表的です。
また身体接触が激しくないスポーツでも体勢を崩した際に頭部・頸部に負担がかかることで発症する場合もあります。
これまで解説してきましたが負傷して時間が経つことで症状が発生することが珍しくないため、趣味のスポーツやイベントに参加した後に痛みや痺れを感じた場合はむちうちの可能性を考え速やかに整形外科の受診を行いましょう。

転倒

スキー・スノーボードといった滑走を行うスポーツや、日常生活の中で発生した転倒は地面に強く頭部をぶつかる場合があります。その際の衝撃によってむちうちを発症することは珍しくありません。
地面や壁にぶつかるといった大きな衝撃だけでなく、転んだ際に大きく首を動かしたことがきっかけでむちうちになることもあります。
頭部を打った記憶がない場合でも、痛みが抜けない場合は一度医院に相談してみましょう。

階段などからの転落

高所作業中や自宅での階段からの転落も、むちうちを発症する危険があります。
地面にぶつかる際背中を打ち首や頭部を負傷しなかった場合でも、ぶつかった衝撃で首がしなることで交通事故と同じようなダメージがかかるためです。
転落は骨折や打ち身といった外傷の原因にもなりますが、むちうちを発症する危険性があることにも注意しましょう。

むちうちは放置しないほうが良い?

肩に手をあてて病状に悩む女性
むちうちが疑わしい状態である場合、症状が軽い場合でも診察を受けることが望ましいです。
筋肉へのダメージであれば時間経過によって回復し後遺症が残る可能性が少ないですが、神経に負担がかかったことが原因の場合痺れが抜けない等の症状が残る場合があります。
自覚症状が出た場合は整形外科で検査を受け、治療が必要かどうかを確認しましょう。

まとめ

食事を楽しむ女性
むちうちは整形外科で専門的な治療とリハビリを受ければ、数か月で完治可能です。しかし症状を自覚して放置してしまうと、悪化する恐れもあります。

そのため事故や転倒等で首に負担が掛かった後、時間が経って調子が悪くなったと思ったらまず整形外科を受診するようにしましょう。

治療開始が早ければ早いほど完治までの期間が短くなります。普段から体の調子を確認しておき、小さなサインを見落とさないようにしましょう。

この記事の監修医師