「動物を飼うと健康」になる?予防できる病気についても解説!【医師監修】

ペットはコンパニオン・アニマル(伴侶動物)とも呼ばれ、多くの家庭で家族の一員として迎えられています。
2023年の一般社団法人ペットフード協会の調査によると、日本全国で犬は約6,840,000頭、猫は約9,070,000頭であわせて15,910,000頭が飼育されています。
総務省の同年調査における15歳未満人口は、約14,170,000人で子どもよりペット飼育数が上回っています。
ペットの種類は多岐にわたり犬と猫だけではありませんが、犬猫の調査データが多いため主に犬猫と人間の健康の関わりについて解説します。

監修医師:
吉川 博昭(医師)
動物を飼うと健康になる?
身体的な健康への影響を犬で調査した結果、犬の散歩が運動量が増加しBMIの一部に効果があったと報告されています。飼育すれば誰でも健康というわけではなく、犬の世話の頻度や愛情など、飼育者により効果は変化するようです。心理的効果は、ペットへの愛着が強く一人住まいの方がペットから心理的サポートを受けていることがわかりました。いずれも飼育者とペットの関係性によりバラツキがあります。一方動物介在療法(アニマルセラピー)においては効果が見出されているため、医師の計画のもと取り入れる場合は効果があるかもしれません。
動物を飼うと予防できる病気
ペットには飼育者の病気を予防する力があるかについて、認知症・動脈硬化・心臓病を例に解説します。
認知症
動物介在療法を実施した海外の例では効果が認められています。個人で犬や猫を飼育する場合、直接的な効果は認められていません。飼育者のペットへの愛着度、地域によるペットに対する考え方、個人で飼育するか家庭でかなど条件により効果が変化するためです。
動脈硬化や心臓病
動脈硬化や心臓病を予防できた例については、日本国内の研究では確認されていません。 ペットと人の関係性は欧米では1970年代から研究されていますが、日本では研究事例が少なく言及できないのが実情です。
健康面でのメリット・デメリット
身体と心理的健康の両面について、飼育者に及ぼすメリットとデメリットを解説します。
ストレスの軽減
ペットによる心理的効果の実験では、緊張感や怒りが減少するなど癒し効果があると回答した方が多く、ストレス軽減に寄与するといえるでしょう。ただし、主観的要素が大きく個人差があると考えられます。動物介在療法では、唾液中のアミラーゼ変化による効果が認められています。
血圧の低下
欧米では血圧の低下が報告されているものの、日本独自の研究結果は示されていません。
アレルギーが誘発される
室内飼育の場合、ペットのフケ・毛・糞尿などが抗原となりアレルギーを起こすことがあります。ペットの種類は犬猫に限らず小鳥でも発生します。鼻・目・皮膚のアレルギー反応や喘息の発症などが誘発される可能性があるでしょう。
まとめ
ペットは家族の一員として、癒し効果や犬の散歩による運動量の増加などプラス面をもたらしてくれます。
その反面アレルギーの症例もあることから、注目されているのがペット型ロボットです。
医療現場では動物介在療法を取り入れ、症状緩和に活用しようとする動きもあります。