睡眠時の姿勢は「仰向け」「横向き」「うつ伏せ」どれが正解かご存知ですか?

睡眠は身体の回復だけではなく、脳の機能維持や免疫機能の向上などに重要な役割を果たしています。では、睡眠の質をあげるには「仰向け」「横向き」「うつ伏せ」どれが正解なのでしょうか?

監修医師:
白水 寛理(医師)
目次 -INDEX-
寝姿勢の種類とメリット・デメリット
人によって眠りやすい寝姿勢がそれぞれあると思います。実際に寝る姿勢の違いによって睡眠の質に対するメリット・デメリットはあるのでしょうか?
仰向け
仰向けに寝ると背中の接地面が広いため、身体にかかる圧が均等に分散されます。
背骨も自然にまっすぐになるので、普段は猫背の方でも背骨をまっすぐにすることが可能です。またよい眠りには寝返りが重要になりますが、仰向けは左右どちらも寝返りを打つことができ、体温調節できるところもポイントです。
注意すべき点として呼吸がしにくくなることがあります。仰向けだと顔が上を向いていることで、舌が重力の影響で下に落ち、気道が狭くなるためです。寝ている最中に呼吸が止まる方や、いびきをかく方は避けた方がよい寝姿勢です。
横向き
横向きに寝ると気道も狭くなりにくいため、呼吸が止まったりいびきが減少します。また、左向きで寝ると胃酸の逆流を防ぐことができるため、消化を促してくれます。しかし肩が内側に入ったり、足を組んだ状態になると、身体の歪みにつながりやすいです。
うつ伏せ
うつ伏せはお腹に接する面が広く、お腹が温められることから眠りやすくなります。また、気道が確保されて呼吸や腹式呼吸がしやすくなります。しかし、体調が優れなかったり、胃もたれや満腹の際は体重がかかり圧迫されるので注意が必要です。
睡眠の質を上げるおすすめの寝姿勢は横向き
さまざまな寝姿勢があるなかでも横向きがおすすめです。ではなぜ横向きがよいのか、ポイントを踏まえながら解説します。
良質な睡眠のポイントは深部体温を下げること
良質な睡眠を取るには、深部体温を下げることが重要です。
仰向けに寝て背中と敷布団が密着することで熱がこもります。
すると脳と体温が上昇するため、汗を掻くよう脳から指令が出でます。
結果として脳が休めない状態になるため、睡眠の質が低下につながるのです。
横向き以外で寝る際には、冷感敷きパッドや抱き枕を使うとよりよい睡眠に効果的です。
利き手・利き足を上にして眠る
利き手・利き足が上になることで、脳が本能的に安心感を得られるため、より深い眠りにはいりやすくなります。ただし、横向きになると肩が内側に入りやすかったり、足を組んでしまうことで身体の歪みにつながる可能性があるため注意が必要です。
睡眠の質を上げるための環境づくりにも気を配ろう
睡眠の質を上げるには、寝姿勢だけではなく環境も大切です。
寝室が明るいと寝たくても入眠しにくくなります。また、薄いカーテンは外の光を通してしまうので、遮光カーテンを使って室内を暗くすることが大切です。
寝る前に軽いストレッチを行うことも、血液循環を良くして深部体温をスムーズに下げる効果があるのでおすすめです。
まとめ
睡眠中の寝姿勢や環境を整えることで、質の高い睡眠が得られるようになります。ぜひ参考になれば幸いです。