赤ちゃんの『頭のゆがみ』原因と治療法! 「ヘルメット治療」は必要?【医師監修】

赤ちゃんの頭の形がゆがんでいたら、気になる保護者は多いと思います。また、「なぜゆがんでしまうのか?」「治療が必要なのか?」と疑問を持つ人も少なくないでしょう。そこで、頭のゆがみの原因から治療の選択肢まで、Family Clinic みわた小児科の三輪田先生に聞きました。
※2026年2月取材。

監修医師:
三輪田 俊介(Family Clinic みわた小児科)
赤ちゃんの頭のゆがみ、医師が解説!

編集部
頭の形がゆがんでいる赤ちゃんは多いのですか?
三輪田先生
赤ちゃんの頭のゆがみは珍しいことではなく、3人に1人程度に何らかのゆがみが見られるとされています。多くは成長過程で生じるもので、必ずしも病気というわけではありません。
編集部
頭のゆがみには、どのような原因がありますか?
三輪田先生
お産による生まれつきの頭の変形や、向き癖によるものが考えられます。ゆがみの原因を大きく分けると、頭の骨の病気が関係している場合と、病気ではなく外からの力によって起こる場合がありますが、ほとんどが後者の寝る姿勢や向き癖による頭の変形で、病気によるものはかなり少数です。
編集部
外からの力によるゆがみは、どのように起こるのでしょうか?
三輪田先生
赤ちゃんが同じ方向を向いて寝る時間が続くと、床や寝具に接している部分に圧がかかり、成長が抑えられます。一方、接していない側は相対的に成長しやすくなり、結果として左右差が生じるのです。
編集部
頭の骨の病気である場合についても教えてください。
三輪田先生
赤ちゃんの頭の骨は複数の骨が合わさってできており、骨と骨のつなぎ目を縫合線といいます。このつなぎ目が早くからくっついてしまうと、頭の骨がそれ以上広がらず、いびつな頭の形になってしまうことがあるのです。こういったケースは「頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)」と呼ばれ、専門の治療が必要となります。頭や顔の変形、発達の遅れなどの合併症を少なくすることができるため、なるべく早く病気を診断することが大事です。また、早期発見によって、より小さな手術で治療することができます。
自然経過と注意すべきポイントは?

編集部
外からの力による頭のゆがみは、自然に治ることもありますか?
三輪田先生
寝返りが始まり頭の使い方が変わることで、ゆがみが目立たなくなる子どもはいます。ただし、すべてのケースが自然に改善するわけではなく、重度のゆがみが残ってしまうこともあります。
編集部
受診を判断する目安はありますか?
三輪田先生
頭のゆがみがある子どもは発達がゆっくりであったり、中には骨の病気が隠れていることがあったりするため、できるだけ早い段階で頭の形外来へ受診することをおすすめしています。病気の鑑別のための検査や、発達を促す理学療法の指導を実施し、必要な子どもにはヘルメット治療の説明をおこなっています。また、病気でなかった場合でも、月齢が小さいほど変化が出やすいため、気になる場合は一度受診してください。
編集部
病院では、どのような検査をするのでしょうか?
三輪田先生
医師が頭の形や大きさ、左右差を調べます。当院では、全員に3Dスキャンでゆがみの程度を測定・評価しています。また、病気の鑑別のために、レントゲンによる骨の状態の確認もおこなっています。
頭のゆがみ、治療法を教えて!

編集部
ゆがみの治療には、どのような方法がありますか?
三輪田先生
体位変換や運動を取り入れる理学療法と、ヘルメット治療の2種類があります。当院では全員に理学療法を指導し、ゆがみが残ってしまう可能性がある重症度の場合には、保護者と慎重に相談し、理学療法に加えてヘルメット治療をおこないます。
編集部
理学療法では、具体的にどのようなことをおこなうのでしょうか?
三輪田先生
向きを変えて寝かせる方法や、タミータイムと呼ばれる腹ばい運動を取り入れ、頭の同じ部分に圧がかかり続けないようにします。また、保護者の膝の上でおすわりの練習をするなど、赤ちゃんと親御さんができる限り触れ合えるトレーニングをおこなっています。
編集部
ヘルメット治療について教えてください。
三輪田先生
3Dスキャン解析に基づいて、赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせたオーダーメイドヘルメットを作製し、本来持っている頭の形のヘルメットを一定期間装着してもらう治療方法です。力を加えて頭の形を変えるのではなく、3〜6カ月かけて理想の頭の形に誘導する点が特徴です。
編集部
治療を検討する上で、知っておいた方がよいことはありますか?
三輪田先生
ヘルメット治療は、保険適用外のため自費診療になります。保護者が費用や治療期間、期待できる効果について事前に十分理解し、納得した上で選択することが大切です。また、基本的には生後7カ月くらいまでが効果が出やすいとされているため、なるべく早く開始してもらうことが大事です。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
三輪田先生
赤ちゃんの頭にゆがみが見られる場合は、できるだけ早く頭の専門外来に相談してください。ゆがみのレベルを3Dスキャンで測定し、ゆがみが強い場合はヘルメット治療をおすすめしています。ヘルメット治療をおこなっているクリニックは増えてきましたが、まずは理学療法で発達を促すことと、レントゲン検査などで頭蓋骨縫合早期癒合症でないか確認することが大切です。しっかりと検査・診断をおこなってくれる経験豊富な医療機関を受診しましょう。
編集部まとめ
赤ちゃんの頭のゆがみはよく見られるものですが、原因はさまざまです。自然に改善するケースもあれば、評価や治療を検討した方がよい場合もあります。気になるときは早めに相談し、適切な判断につなげることが安心につながります。子どもの頭にゆがみや左右差があれば、一度小児科などで相談してみることをおすすめします。
医院情報

| 所在地 | 愛知県名古屋市西区城西2-11-3 |
| 診療科目 | アレルギー科、内科、小児科 |
| 診療時間 | 月~金 8:15~11:30 土 9:00~12:30 月火水金 15:45~18:20 |
| 休診日 | 日・祝 |


