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出生前診断(NIPT)で後悔しないためにできることとは? 遺伝カウンセリングで確認すべきことを医師に聞く

 公開日:2026/03/24
出生前診断(NIPT)で後悔しないためにできることとは? 遺伝カウンセリングで確認すべきことを医師に聞く

出生前診断(NIPT)を検討する際、「そもそも遺伝カウンセリングって何をするの?」「検査の前に何を知っておけばいいの?」と迷う方は少なくありません。出生前診断は単なる「採血」ではなく、その結果が家族の未来や選択に深く関わる重厚なステップです。結果だけでなく、その受け止め方やその後の選択にも大きく関わります。今回は、ミネルバクリニックの仲田先生に、NIPTを受ける前の遺伝カウンセリングで確認すべき点や、事前に伝えられる内容について伺いました。

※2026年1月取材。

仲田 洋美

監修医師
仲田 洋美(ミネルバクリニック)

プロフィールをもっと見る
高知医科大学医学部(現・高知大学医学部)卒業。その後、高知医科大学内科・外科、兵庫医科大学病院臨床遺伝部などで経験を積む。2014年、「新宿ミネルバクリニック」を開院。2018年、「ミネルバクリニック」を北青山に移転、現在に至る。日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医。

遺伝カウンセリングの役割とは? 納得して「決める」ためのサポート

遺伝カウンセリングの役割とは? 納得して「決める」ためのサポート

編集部

はじめに、遺伝カウンセリングについて簡単に教えてください。

仲田 洋美先生仲田先生

遺伝カウンセリングは、遺伝や染色体に関する情報を分かりやすく整理し、ご本人やご家族が納得して意思決定できるよう支援する場です。検査を勧めることが目的ではなく、情報を理解したうえで考える時間を提供することを重視しています。

編集部

遺伝カウンセリングは、どのような方を対象におこなわれますか?

仲田 洋美先生仲田先生

出生前診断を検討しているカップルをはじめ、遺伝的なリスクや家族歴について理解を深めたい方が対象です。特定の選択を前提とせず、情報を知ったうえで考えたい方に広く利用されています。

編集部

「出生前診断」について教えてください。

仲田 洋美先生仲田先生

出生前診断とは、赤ちゃんが生まれる前にその健康状態や発育の様子を確認することを指します。これには、超音波エコー検査や母体血清マーカー検査、そしてNIPT(新型出生前診断)のようなスクリーニング検査から、結果を確定させるための羊水検査や絨毛(じゅうもう)検査まで、さまざまな種類が含まれます。

編集部

出生前診断を考える際、遺伝カウンセリングが重要とされる理由は何でしょうか?

仲田 洋美先生仲田先生

出生前診断は結果だけでなく、その後の選択や受け止め方に大きな影響を与えます。事前に十分な説明を受けることで、不安や誤解を減らし、冷静に判断できる点が遺伝カウンセリングの大きな意義です。

出生前診断は「受けるべき」か「受けないべき」か?

出生前診断は「受けるべき」か「受けないべき」か?

編集部

そういった検査を受ける前に、必ず理解しておくべきポイントについて教えてください。

仲田 洋美先生仲田先生

超音波エコー検査や母体血清マーカー検査、NIPTは確定診断ではなく、あくまで可能性を示す検査である点を理解することが重要です。検査で分かることと分からないことを整理し、結果が出た後の流れも含めて事前に確認しておく必要があります。

編集部

遺伝カウンセリングでは、検査の仕組みや精度についても説明されるのでしょうか?

仲田 洋美先生仲田先生

はい。検査の原理や精度、偽陽性・偽陰性の可能性について具体的に説明します。数値や確率の意味を丁寧に伝え、結果を過度に楽観視や悲観視しないよう配慮しています。

編集部

検査を受けないという選択についても、遺伝カウンセリングで扱われますか?

仲田 洋美先生仲田先生

もちろんです。検査を受けないという判断も尊重される大切な選択です。受けた場合と受けなかった場合、それぞれの考え方や影響を整理し、納得して判断できるよう支援します。

編集部

パートナーや家族と意見が分かれた場合、どうしたらよいでしょうか?

仲田 洋美先生仲田先生

意見が分かれること自体は珍しいことではありません。遺伝カウンセリングでは、それぞれの立場や価値観を整理し、対話を通じて冷静に考えられる環境を整えることを大切にしています。出生前診断では、検査を受ける前に「結果が出た場合にどう考えるか」を話し合っておくことが重要です。意見が完全に一致しなくても、お互いの考えを理解しておくことで、結果を受け止める際の負担は大きく軽減されます。

検査結果の受け止め方も相談できる?

検査結果の受け止め方も相談できる?

編集部

遺伝カウンセリングでは、検査結果が出た後のことも説明されるのでしょうか?

仲田 洋美先生仲田先生

はい。結果が陽性だった場合、羊水検査や絨毛検査などの確定検査へ進む流れや、その後に考えられる選択肢についても事前に説明します。結果を知った際に慌てず、冷静に対応できるよう準備することが大切です。カウンセリングでは、確定診断との違いや追加検査の意味を整理し、一つひとつの選択肢を理解したうえで考えられるよう丁寧に説明しています。

編集部

遺伝カウンセリングを受ける際の心構えや伝えるべきことなどありましたら教えてください。

仲田 洋美先生仲田先生

遺伝カウンセリングは「正解」を出す場ではなく、自分たちにとって納得できる判断を考える場です。遺伝や出生前診断は強い不安を伴うこともありますが、私たちも医学的な説明だけでなく、気持ちの揺れに寄り添い、安心して話せる環境を整えることを大切にしています。疑問や不安は遠慮なく伝えていただきたいですね。

編集部

ほかに、出生前診断について、知っておいた方がよいことはありますか?

仲田 洋美先生仲田先生

検査を受けること自体を目的にするのではなく、結果をどのように受け止め、判断につなげるのかまで理解しておくことが大切です。また、出生前診断は保険適用ではなく自費診療となるため、費用についても事前に十分な説明を受け、納得したうえで検査を選択することが重要です。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

仲田 洋美先生仲田先生

出生前診断は、単に「検査を受けるかどうか」の問題ではありません。結果をどのように受け止め、どのような選択をするのかという、ご家族にとって非常に大きなテーマです。
私は医師として30年以上、多くのご家族の意思決定に関わってきましたが、最も大切なのは「誰かに決められること」ではなく、「自分たちで納得して選ぶこと」だと感じています。不安や迷いがあって当然です。その気持ちも含めて一緒に整理していくのが遺伝カウンセリングです。どうか一人で抱え込まず、専門家に相談していただきたいと思います。

編集部まとめ

出生前診断(NIPT)を受けるかどうかは、検査結果そのものだけでなく、その後の受け止め方や選択にも大きく影響します。遺伝カウンセリングは、不安を解消するためだけでなく、検査の限界や結果の意味を正しく理解し、自分たちにとって納得できる判断をするための重要なプロセスです。検査を検討する際には、まず遺伝カウンセリングを通じて十分な情報を得ることが大切だといえるでしょう。

医院情報

ミネルバクリニック

ミネルバクリニック
所在地 〒107-0061 東京都港区北青山2-7-25 神宮外苑ビル1号館2階
アクセス 東京メトロ「外苑前駅」 徒歩1分
東京メトロ「青山一丁目駅」 徒歩9分
東京メトロ「表参道駅」 徒歩11分
診療科目 遺伝子診療外来、内科、呼吸器内科

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