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ヒアルロン酸注入後の運動や入浴は? 『しわ』治療の注意点【医師解説】

 公開日:2026/03/19
ヒアルロン酸注入後の運動や入浴は? 『しわ』治療の注意点【医師解説】

ヒアルロン酸注入は、美容医療の中でも比較的身近な治療として知られているものの、「そもそもヒアルロン酸とは何か?」「どのような特徴があるのか?」を十分に理解しないまま施術を受けている人も少なくありません。そこで、KUMIKO CLINICの下島先生に、ヒアルロン酸の基礎知識から注入後の注意点まで、順を追って詳しく聞きました。

※2026年1月取材。

下島 久美子

監修医師
下島 久美子(KUMIKO CLINIC)

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2000年、金沢医科大学卒業。杏林大学第一内科に入局後、東京都立広尾病院、都内美容クリニックなどで経験を積み、2014年にKUMIKO CLINICを開院、院長となる。美容医療の中でも、エビデンスに基づいたナチュラルな変化を目指す治療を提供している。

ヒアルロン酸って? 医師が解説!

ヒアルロン酸って? 医師が解説!

編集部

ヒアルロン酸とは、どのような物質なのでしょうか?

下島 久美子先生下島先生

ヒアルロン酸は、もともと眼球や皮膚、関節など、私たちの体内に存在している成分です。水分を保持する性質があり、肌のハリや関節の動きを支える役割があるため、注入治療に使われることも多数あります。

編集部

美容医療では、ヒアルロン酸注入はどのような目的で行われるのですか?

下島 久美子先生下島先生

主に、加齢などで失われたボリュームを補う目的で行われます。しわを埋める、へこみをふっくらさせる、輪郭を整えるなど、短時間で見た目の変化を出せるのが特徴です。単にしわを埋めるだけでなく、顔全体のバランスを整える治療として使われています。

編集部

具体的には、どのような部位に効果が期待できますか?

下島 久美子先生下島先生

額やこめかみ、目の下、頬、ほうれい線など、ボリュームの減少した部位が代表的です。そのほか、鼻筋を通す、唇をふっくらさせる、顎のラインを整えるといった輪郭形成にも用いられます。

編集部

美容医療で使われるヒアルロン酸には種類があるのですか?

下島 久美子先生下島先生

はい。ヒアルロン酸製剤は、メーカーや製剤ごとに硬さ、粘性、弾力が異なります。目元向き、頬向き、ほうれい線向き、唇や鼻・顎の輪郭形成向きなど、部位や目的に応じて適切な製剤を使い分けることが非常に重要です。

編集部

どの製剤を使うかは、どのように決めるのでしょうか?

下島 久美子先生下島先生

粘性や弾力、注入後の成形性、仕上がりの自然さ、持続期間、注入時の滑らかさなど、さまざまな観点から医師が総合的に判断します。同じヒアルロン酸でも、選び方によって仕上がりは大きく変わります。

ヒアルロン酸注入の特徴と進化

ヒアルロン酸注入の特徴と進化

編集部

ヒアルロン酸注入の効果は、どのくらい続きますか?

下島 久美子先生下島先生

持続期間は製剤によって異なります。短いもので1〜3カ月、長いものでは6カ月〜2年効果が続く場合もあります。どの製剤が適しているかは、部位や仕上がりの希望などを踏まえて決めていきます。

編集部

皮膚充填剤(ひふじゅうてんざい)もあると聞きますが、ヒアルロン酸との違いを教えてください。

下島 久美子先生下島先生

皮膚を充填する製剤は「フィラー」と呼ばれ、ヒアルロン酸以外にもカルシウムハイドロキシアパタイトやコラーゲン由来のものなどがあります。ヒアルロン酸は溶解できますが、フィラーは溶解できません。これが両者の大きく違う点です。万が一の修正が可能なため、初めての人にはヒアルロン酸を勧めることが多いですね。

編集部

ヒアルロン酸注入の考え方も、以前と比べて変わってきているそうですね。

下島 久美子先生下島先生

大きく変化しています。以前はしわを直接埋める方法が大半でしたが、現在は顔全体の老化を解剖学的に捉え、立体的にバランスを整える注入法が主流です。これにより、より自然でメリハリのある仕上がりが可能になりました。

編集部

ヒアルロン酸を入れ過ぎて、顔が大きく見える心配はありませんか?

下島 久美子先生下島先生

不適切な位置や深さに注入すると、そのような印象になることがあります。しかし、適切な部位に適切な量の製剤を用いれば、むしろ顔はシャープに見えます。注入量そのものより、どこにどう入れるかが重要です。

ヒアルロン酸注入後の注意点

ヒアルロン酸注入後の注意点

編集部

ヒアルロン酸注入後、気を付けるべきことは何ですか?

下島 久美子先生下島先生

施術直後は、注入部位を強く触ったり圧迫したりしないことが大切です。ヒアルロン酸が安定する前に刺激を与えると、腫れや内出血が強く出たり、回復が遅れたりします。

編集部

運動や入浴は控えた方がよいのでしょうか?

下島 久美子先生下島先生

そうですね。血流が急に増えることで腫れや内出血が出やすくなるため、当日は激しい運動や長時間の入浴、サウナを控えてください。シャワー程度であれば問題ない場合が多いですが、詳細は施術内容によって異なります。

編集部

施術後に注意すべき合併症はありますか?

下島 久美子先生下島先生

血管に関連した合併症に注意が必要です。解剖学的な知識に基づかずに注入すると、重篤なトラブルにつながる可能性があります。そのため、万が一の際にも迅速に対応できる医療機関で受けることが重要です。

編集部

施術後、違和感や不安がある場合はどうすればよいですか?

下島 久美子先生下島先生

自己判断せず、早めに施術を受けたクリニックへ相談してください。異変に早く気付き、適切に対応することで、大きなトラブルを防ぐことができます。

編集部

ヒアルロン酸注入について、ほかに知っておいた方がよいことはありますか?

下島 久美子先生下島先生

ヒアルロン酸注入は、美容目的の治療で保険適用外です。使用する製剤や注入量、部位によって費用が異なるため、事前に治療内容や料金について十分な説明を受けましょう。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

下島 久美子先生下島先生

ヒアルロン酸注入は年々、製剤や技術が進歩しています。適切な製剤を選び、目的に合った深さへ正確なテクニックで注入することで、自然で満足度の高い効果を長く維持することが可能です。クリニックを選ぶ際は、製剤の注入指導医資格などを含め、医師の経歴や実績を確認することが大事です。また症例写真を通じて、仕上がりの傾向が自分の好みと合うかを慎重に検討してください。

編集部まとめ

ヒアルロン酸は体内にも存在する安全性の高い物質ですが、製剤選びや注入法、施術後の過ごし方によって仕上がりや満足度は大きく左右されます。まずは基礎知識を理解しましょう。その上で信頼できる医師と十分に相談し、安心できる環境で治療を受けることが大切です。

医院情報

KUMIKO CLINIC
所在地 東京都港区白金台4-19-13 白金台TFビル2F・3F
診療科目 皮膚科
診療時間 月火水木金 9:00~18:00(完全予約制/保険適用外)
土 10:00~18:00
休診日 日・祝

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