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その息切れはもしかして… 「心エコー」の必要性と最新のMICSとは?【医師監修】

 公開日:2026/02/22
その息切れはもしかして…。「心エコー」の必要性と最新のMICS手術とは?

心臓弁膜症は、心臓の中にある4つの弁のうち、いずれかが正常に働かなくなる病気です。軽症のうちは自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうこともあります。そこで、低侵襲心臓手術(MICS)にも詳しい心臓血管外科専門医の金森太郎先生(かわぐち心臓呼吸器病院)に、早期発見の重要性と最新治療について聞きました。

※2025年11月取材。

金森 太郎

監修医師
金森 太郎(かわぐち心臓呼吸器病院)

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金沢大学医薬保健学域医学類卒業。2000年同大学附属病院心肺・総合外科(現・心臓血管外科)入局。千葉西総合病院、イムス葛飾ハートセンター勤務を経て、現職。マルファンネットワークジャパンアドバイザー。医学博士、日本外科学会外科専門医、心臓血管外科専門医認定機構心臓血管外科専門医・修練指導者、日本低侵襲心臓手術学会低侵襲心臓手術(MICS)指導医、胸部・腹部ステントグラフト実施医・指導医。

心臓弁膜症とはどんな病気?

心臓弁膜症とはどんな病気?

編集部

心臓弁膜症とは、どのような病気ですか?

金森 太郎先生金森先生

心臓内の弁が正常に開閉できなくなり、血液が逆流したり流れにくくなったりする病気です。大動脈弁・僧帽弁・三尖(さんせん)弁・肺動脈弁のうち、いずれかが障害されることで心臓に過度な負担がかかり、放置すると心不全につながることもあります。

編集部

何が原因で起こるのですか?

金森 太郎先生金森先生

加齢による弁の変性、リウマチ熱や感染、先天的な形態異常などが主な原因です。特に高齢化が進む現代では、動脈硬化やカルシウム沈着によって弁が硬くなるケースが増えています。

編集部

症状はどのように表れますか?

金森 太郎先生金森先生

初期は無症状ですが、進行すると息切れ、動悸(どうき)、むくみ、疲れやすさなどが出ます。「階段を上るだけで息が上がる」「横になると苦しい」といった症状がある場合は注意が必要です。

編集部

放置するとどうなりますか?

金森 太郎先生金森先生

慢性的に心臓に負担がかかり、心不全を起こすリスクが高まります。また、不整脈や脳梗塞を併発することもあるため、早期に診断し治療することが大事です。

診断と検査の流れ

診断と検査の流れ

編集部

どのような検査で診断できるのですか?

金森 太郎先生金森先生

最も基本となるのが心エコー(心臓超音波検査)です。血液の流れ方や弁の動きをリアルタイムで観察でき、逆流や狭窄(きょうさく)の程度を把握します。さらに、心電図や胸部X線、CT検査を組み合わせて総合的に診断します。

編集部

どんな人が検査を受けた方がよいですか?

金森 太郎先生金森先生

息切れやむくみが続く人、動悸を感じる人、高血圧や心臓病の家族歴がある人は一度検査を受けてください。健康診断で心雑音などを指摘された場合も放置せず、専門医の受診をおすすめします。

編集部

治療が必要になるのはどんなときですか?

金森 太郎先生金森先生

中等度以上になると薬で症状を抑えることはできますが、弁自体を修復・置換しないと根本的な改善は難しいため、手術を検討します。軽度なら経過観察で問題ありません。

手術の進歩と低侵襲治療MICS

手術の進歩と低侵襲治療MICS

編集部

治療法にはどんな選択肢がありますか?

金森 太郎先生金森先生

薬物療法のほか、弁の修復(形成術)や人工弁への取り替え(置換術)があります。最近では、胸を大きく切らずにおこなう「低侵襲心臓手術(MICS)」が注目されています。体への負担が少なく、美容面にも配慮できる治療です。

編集部

MICS(ミックス)について詳しく教えてください。

金森 太郎先生金森先生

胸の真ん中を切らずに、胸の脇を数cm切開しておこなう内視鏡手術です。高精度な3D内視鏡や専用器具を用い、弁を修復または置換します。出血や感染リスクが少なく、骨を切らないため、術後の回復も早いのが特徴です。

編集部

MICSのメリットは何でしょうか?

金森 太郎先生金森先生

①身体への負担が少なく痛みが軽い
②入院期間が短く社会復帰が早い
③傷跡が目立たず美容的にも優れている
という3点ですね。実際に、当院でも多くの人が2週間以内で退院されています。

編集部

全ての患者にMICSが可能ですか?

金森 太郎先生金森先生

全てではありません。複数の弁の異常があった場合や冠動脈の手術を同時におこなう場合などは、従来の「正中切開」の方が安全なこともあります。手術をおこなう際は、患者の全身状態を見極め、最適な方法を提案します。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

金森 太郎先生金森先生

心臓弁膜症は、進行すると命に関わる危険がある病気です。自分の命を守るためにも、息切れや動悸といった小さなサインを見逃さず、異変を感じたらまずは受診することが大切です。「健康診断では『異常なし』と言われたのに」と話す人も少なくありませんが、多くの健診には心エコー検査が含まれていません。最近は、MICSなど体への負担を抑えた治療法も進歩しています。思い当たる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。

編集部まとめ

心臓弁膜症は、初期症状が乏しいにもかかわらず、進行すると命に関わる病気です。定期的な心エコー検査と、息切れや動悸といったサインを見逃さないことが何より大切です。MICSなど、治療の選択肢も進化しているため、気になる症状があれば早めに専門医へ相談しましょう。

医院情報

かわぐち心臓呼吸器病院
所在地 埼玉県川口市前川1-1-51
診療科目 リハビリテーション科、内科、呼吸器科、外科、循環器科、心臓血管外科、麻酔科
診療時間 午前: 月~土 9:00~12:00
午後: 月~金 13:30~17:00
休診日 日・祝

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