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『糖尿病』の人は要注意!? 「睡眠時無呼吸症候群」のサインとは?【医師解説】

 公開日:2026/02/04

糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで全身の血管に障害をもたらし、さまざまな合併症を引き起こす病気です。その中でも近年注目されているのが「睡眠時無呼吸症候群」との関係です。そこで、糖尿病と隠れ睡眠時無呼吸症候群の関係について、佐々木先生(ささき内科クリニック)に解説してもらいました。

※2025年9月取材。

佐々木 康裕

監修医師
佐々木 康裕(ささき内科クリニック)

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琉球大学医学部卒業。その後、東京都保健医療公社豊島病院(現・東京都立豊島病院)初期研修や東京都医療保健協会練馬総合病院内科で経験を積み、2025年4月、練馬区土支田に「ささき内科クリニック」を開院、院長となる。日本内科学会認定 総合内科専門医、日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医、日本消化器病学会認定 消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会認定 消化器内視鏡専門医。

糖尿病について医師が解説

糖尿病について医師が解説

編集部

糖尿病とはどのような病気ですか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが不足することで、血液中の糖が慢性的に高くなる病気です。初期には自覚症状がほとんどありませんが、放置すると血管が傷み、全身に合併症を引き起こす原因になります。

編集部

糖尿病には種類があるのですか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

大きく1型と2型に分かれます。1型は免疫の異常によってインスリンがほとんど作られなくなる病気で、インスリン注射が不可欠です。2型は遺伝要因と生活習慣の乱れが重なって発症し、日本人の糖尿病の大部分を占めます。

編集部

糖尿病の合併症について教えてください。

佐々木 康裕先生佐々木先生

代表的なのは糖尿病性神経障害・糖尿病性網膜症・糖尿病腎症の三大合併症です。手足のしびれや視力低下、腎不全などを引き起こし、進行すれば生活の質に大きな影響を及ぼします。自覚症状が乏しいため、定期的な検査が欠かせません。

編集部

三大合併症以外にも合併症はありますか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

動脈硬化が進むことで心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなり、足の潰瘍や壊疽(えそ)の原因にもなります。また、感染症や歯周病、認知症、がんなどのリスクも高まります。糖尿病は全身に影響する病気だと理解してもらいたいです。また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関連も指摘されています。

睡眠時無呼吸症候群とは? ほかの疾患との関連も教えて

睡眠時無呼吸症候群とは? ほかの疾患との関連も教えて

編集部

睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気ですか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

眠っている間に呼吸が止まったり弱くなったりする病気です。眠っている間のことなので自分で「呼吸が止まっている」と気づくことはほとんどなく、別の症状から「もしかして?」と疑いを持つ人が多いようです。よく、「いびきが大きい人に多い」と考えられていますが、自覚が乏しい「隠れタイプ」もあります。

編集部

睡眠時無呼吸症候群の症状にはどのようなものがありますか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

日中の強い眠気や居眠り、起床時の頭痛、疲労感、集中力・記憶力の低下などがあります。また、夜間に頻尿になったり、寝汗をかいたりすることもあります。気分が落ち込みやすい、イライラしやすいといった精神的な症状もみられます。

編集部

睡眠時無呼吸症候群を放置しているとどのようなことが起こるのでしょうか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放置すると、日中の強い眠気によって仕事の能率低下やミスが増えますし、運転中の居眠り事故につながるリスクも高まります。さらに、慢性的な酸素不足が続くことで高血圧や動脈硬化を進め、脳梗塞や心筋梗塞などの脳血管疾患、心疾患の発症に関わることがわかっています。重症例では突然死との関連も指摘されており、早期に治療を始めることがとても大切です。

編集部

睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病とも関係があるのですか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

はい。高血圧、心疾患、糖尿病などの生活習慣病と深く関わっていることが知られています。十分に眠れていない状態が続くと血糖コントロールが乱れやすくなり、糖尿病を悪化させる要因にもなります。

糖尿病の人に多い睡眠時無呼吸症候群 早期に気づくためのサインとは?

糖尿病の人に多い睡眠時無呼吸症候群 早期に気づくためのサインとは?

編集部

糖尿病の人に睡眠時無呼吸症候群が多いというのは本当ですか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

本当です。当院でSASの検査を受ける人にも、糖尿病の人が一定数います。とくに、糖尿病の人では自覚症状の乏しい「隠れSAS」が多いと報告されています。気づかないまま日常生活に影響していることも少なくありません。

編集部

なぜ糖尿病の人に多いのでしょうか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

糖尿病による肥満や内臓脂肪の増加が気道を狭くし、睡眠中の呼吸を妨げることが理由の一つです。また、自律神経の乱れなども要因の一つと考えられています。糖尿病とSASは互いに悪影響を及ぼし合う関係にあります。

編集部

「SASかな?」と思ったとき、検査は入院が必要ですか?

佐々木 康裕先生佐々木先生

必ずしも入院が必要というわけではありません。まずは簡易検査をおこない、寝ている間の呼吸状態や酸素濃度を調べます。その結果を踏まえて、より詳しい精密検査が必要と判断された場合でも自宅でできます。自身の状態に合わせて段階的に検査を進められますし、思い当たる人は近隣の病院で気軽に相談してみてください。

編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

佐々木 康裕先生佐々木先生

SASは家族から「いびきが大きい」と指摘されて受診する人もいれば、日中の強い眠気や熟睡できないといった自覚症状で来院される人もいますが、中でも「朝起きても疲れが取れていない」という人は要注意です。検査は自宅で簡単におこえますし、治療を始めた人からは「朝すっきり目覚められるようになった」「受けてよかった」という声を多く聞きます。糖尿病のある人はもちろん、そうでない人も思い当たる症状があれば、ぜひ一度検査を受けてみてください。

編集部まとめ

糖尿病は全身の合併症を引き起こす病気であり、その中には隠れSASも含まれます。眠気や疲れが「年齢のせい」と思っている人でも、じつは睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれません。糖尿病と診断されている人やリスクが高い人は、ぜひ一度SASの検査を検討してみてはいかがでしょうか。

医院情報

ささき内科クリニック

所在地 東京都練馬区土支田2-20-8 PRIMA CLASSE 201
診療科目 内科、消化器内視鏡、糖尿病内科
診療時間 月火水金土 9:00~12:00 / 14:15~18:00
※午後の最終受付は17:30までとなります。
休診日 木・日・祝

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